2022/2023バルセロナ成績通信簿
通信簿
欧州のシーズンが終わりました!!
本来であれば5月半ばに終わる予定なんですけど、今シーズンは11月12月にW杯があった特殊シーズンなので、リーガの終幕が6月に流れ込むという中々なハードスケジュールでしたホントお疲れ様でした。
ブログ主である私は、これまで様々なチームに選手を取り上げてきましたが内情はバルセロナファンです。バルサの記事も何回かアップしてますが、今回はバルサの今シーズンの選手を振り返ります。
それではスタート!!
通信簿
#1 マルク・アンドレ・テア・シュテーゲン
今季のMVP。サモラ賞間違いなし。
止めに止めまくったゴール前の番人は、シーズン前半戦をわずか9失点に抑えるほどチャビの戦術との親和性は抜群で、ライン高いとハイパフォーマンスを見せる珍しいGKであった。リトリート気味だったクーマン体制ではパフォーマンスでなかったわな。
ただガッチリ守るところでも、最終ラインのメンツが"BACK"なのでバルサではありえないほどの堅守を誇り、バランスは終始最高だった。
念願のワールドカップ"試合に出場"は相変わらず叶わなかったもののノイアーと比べれればテアの方がシーズン通せばパフォーマンスは上だっただろう。10年目となる来季はいよいよキャプテンマークを巻く時が来るか。
#2 エクトル・ベジェリン
アーセナルと契約解除してカンテラ以来となるバルサに復帰した右ラテラル。念願のカンプノウだったはずがケガが多く、また戦術的にも大外特攻隊なスタイルが右ウイングのデンベレと相性が悪く、次第に構想外となりわずか半年でスポルティングへ移籍していった。大外を猛烈に駆け上がるスタイルが今や時代遅れになりつつあるので、今後生き残っていくにはスタイルの変貌を考えなくてはならないと思うが、そんな器用なタイプでもないのでトップの舞台では難しい。僅か7試合だけだったが夢は見れたのだろうか。
#3 ジェラール・ピケ
遂にこの時が来てしまったかと、シーズン半ばで引退を発表したレジェンド。元々スピードがあるわけではないが、年々裏への対応は厳しくなってきており、ビルドアップでしか貢献できなくなっていたのはCBとしては厳しい。2017年に会社を自ら立ち上げ、その後はほぼほぼサッカー選手よりも経営者としての注目度の方が上だったのもスペイン国内では好感度は高くなかったのだろう。
バルサの会長になるのか、カタルーニャの政治家になるのか。その後の人生設計に注目が集まるが、手始めにシャキーラと破局したのを皮切りに、メッシとの不仲説など欧州のゴシップを今後も騒がせていってほしい。
#4 ロナルド・アラウホ
すっかり頼れる守備の要。プジョル以来かなフィジカルで跳ね返せるストッパーは。スピードもあるから裏の対応もバッチリで、もう欠かせない存在にまでなったディフェンスモンスター。クラシコでは毎回ヴィニシウス番として右SB起用となっており、タイマンでしっかり押さえられるほど能力は世界最高クラスで足元の技術も徐々に良くなっているのだが、終盤になって突然ピンクヘアーになりだしてインディーズバンドのベース感がすごくなった。急にどうした。
6月の日本遠征には来日しなかったものの別人アラウホこと、フリアン・アラウホが本家アラウホと同様ピンクヘアーになっていたので「アラウホ=ピンク」として辞書に載せておこう。
#5 セルヒオ・ブスケツ
この時がやって来てしまったかあ~と思うほど、このカピタンとの思い出はたくさんある。世界最高のピボーテとしてバルサだけでなくスペイン代表としても世界制覇に欧州制覇と、得るべきタイトルを全て勝ち取った。正しく勝者として生まれ勝者のまま去る。
ただ、何年もの間問題となっていた「ブスケツ後継者問題」は最後まで解決せず、過去にはセルジ・サンペールにセルジ・ロベルト。そして今ではバレンシアにレンタル中のニコ・ゴンザレスといるが、ブスケツはブスケツであり、元々特別なオンリーワンなのだ。ブスケツを忘れるしか解決の道はないのだ。
数多くのレジェンドがサウジアラビアに進出する中、ブスケツだけは中東行きの噂はなく、恐らくメッシと同じくマイアミに行くだろう。マイアミの地で再び夢を叶えてほしい物である。
#7 ウスマン・デンベレ
天然系ウインガー。大外でプレーさせれば世界最高峰のプレーを見せてくれるものの、柔軟性はないに等しくオンリーワンの存在。ただ出れば確実に仕事をしてくれる。
ワールドカップ連覇という目標は惜しくも達成せず、年明けに負傷してからはなかなか戻って来ることはなかった。
知れば知るほど実は愛しく感じる存在であり、私生活もバロテッリのような確信犯としてやっているのではなく、本人は至ってまじめにやった結果、問題行動になってしまっているだけなのだ。根はとてもまじめ。ただの天然系キャラクター。詳しくはこちらの記事で。
#8 ペドリ
既にバルサのアイコンとなっている存在。1年目にフル稼働した上にスペイン代表としての活動+東京五輪参加など勤続疲労も重なり、今ではスぺ気味な体質になっているが、いるいないで存在感の大きさを感じるほど。イニエスタの正統後継者。
開幕からハイパフォーマンスを見せるものの、何故か得点もアシストも数字に残らないという不思議な前半戦を送ったが、後半戦はしっかり数字を残していく。。。と思いきや2月に再び負傷し、大事なELプレーオフのユナイテッド戦に影響。その後も負傷するなど、ワールドカップあった今季の過密スケジュールにやられた印象。なかなか普通のシーズンを送れていないが、来季こそ年間通したパフォーマンスを期待したい。
#9 ロベルト・レヴァンドフスキ
「バルサ行きたいバルサ行きたいバルサ行きたいバルサ行きたいバルサ行きたいバルサ行きたいバルサ行きたい」
と最後までバイエルンに懇願してカンプノウにやって来たエースストライカー。初めてのリーガでいきなり得点王。CLなど大舞台で数字を残してほしかったものだが、前線での負担は大きかった。それを一手に引き受けてやり通したのだから素晴らしいストライカー。来季はCL奪還が最大のミッションになるので、負担は大きいけど頑張ってほしい。
#10 アンス・ファティ
期待のカンテラ―ノもまた不完全燃焼のシーズンを過ごした。プレースタイル的にウインガーではなくストライカー。ゲームメイクできるわけでもないので、チャビバルサでは9番の位置が適正ポジション。しっかり出番さえ与えれば結果は残せると思うのだが、やはりこの位置にいるレヴァンドフスキの壁は大きく、レヴァンドフスキがいない時にはフェランのゼロトップやるなどなかなか9番での出場はなかった。
腐らず頑張っているのだが、ここまで出番がなければ移籍を考えるのも当然であり、代理人の父親が「このままならバレンシアに連れて帰る!!プンプン」と言っているほどの親バカぶりで、本人はバルサでやっていくつもりなのだが、やはりその才能を見逃すことはなく各有力クラブが声をかけるだろう。メッシの後継者を託された才能は如何ほどに。
#11 フェラン・トーレス
移籍金が無駄に高すぎたことで無駄にハードルが高くなってしまった。右ウイングとしてはデンベレほどの突破力を見せるのではなく、左ウイングだとカットイン専門になるので使いづらい。9番としてゼロトップが最適だろうが、レヴァンドフスキいる以上そこでの出番も限られるだろう。
ただ終盤戦のハイパフォーマンスは契約延長を勝ち取るのに十分なアピールになったのだが、クラブの財政事情を考えたらキャッシュ化しないと採算が付かないのも事実。放出候補か。
#13 イニャキ・ペーニャ
ガラタサライでハイパフォーマンスを見せ、一気にスペイン代表候補まで駆け上がってきての凱旋復帰となった不動の第2GK。マジで出番なかったけどベンチにいるだけでも安心感はあるわ。来季もよろしく。
#14 メンフィス・デバイ
レヴァンドフスキ来たことで背番号も変更となり、扱い的にかわいそうではあったが、前半戦の半年間は頑張ってくれた。チャビの求めるポジショナルプレーに合うようなスタイルではなく、1月にアトレティコに行ったのも、スタイル的にはプレッシングサッカーの方が合うからだろう。幸せに過ごしてほしい。
#15 アンドレアス・クリステンセン
チェルシーから無償でやって来たが、思わぬ掘り出し物となった。守備ではカバーリングに強さを見せたが、やはり1番はビルドアップ。左右両足から綺麗なフィードを蹴ることができれば、ドリブルで持ち上がることもできる。ピケの穴はクリステンセンですんなり埋まった。チョイチョイ負傷離脱していたが、何事もなければ来季もDF陣の軸だろう。何事もなければというのも、ゼロでやって来たボスマン選手なので、バルサの財政事情上売却すれば確実に利益になるので、そことは隣り合わせの政治的都合は存在してしまう。来季以降もとてもアラサーには見えぬベイビーフェイスを見せてほしい。
#17 マルコス・アロンソ
獲得に至っては紆余曲折あったものの、まさかのCBとして戦力になった。左利きというのが1番のセールスポイントだったのか、ビルドアップにおいては大きな力となった。しかし元々はウイングの選手だったからか、例えばELプレーオフのユナイテッド戦みたいな前線に戦力ある相手だと守備で後手になってしまうので厳しい。来季はアルバが抜けるので本格的に左ラテラル起用となるだろうが、サラリーキャップの問題でリーガ側から契約を認めてもらえないかもしれないとかなんとか。どないなってるんや。
#18 ジョルディ・アルバ
こちらも遂に退団を迎えることとなったか。加入して10年以上経ち、カンテラも含めてバルサの象徴となった。
貢献度は計りしえないものであり、2016年のコパ・デルレイ優勝はアルバの決勝点がもたらしたのは記憶にも残っている。バルサへの忠誠心は本物ではあったが、時には自らが決断を下さなくてはならないときもあるのだ。ありがとう。
最近知ったのだが3年前に運転免許を取得したらしい。
#19 フランク・ケシエ
ミランからやって来たアフリカンボランチ。BOX TO BOXと言えば、かつてトゥーレやケイタがいたけど、ケシエはそういうわけでもなく、かと言ってアンカーでもない。ダブルボランチ専用機という選手。なかなかバルサにフィットせず、どう動けばいいのかが戦術的にも整理できなかったが、クラシコで劇的決勝ゴールを決めてヒーローになるなど"持っていた"。トップ下としてポストプレーするかつてのバケーロ役がフィットしそうだけど、それがケシエのベストを引き出せるとも思えなんだよなぁ。性格は物凄くマジメ。
#20 セルジ・ロベルト
本格的にSBの選手となったが、そのユーティリティ性は貴重な存在。クンデが不在時の右ラテラルやインテリオールなど、複数ポジションを高いレベルでこなしていた。
そのプレーからは職人技を感じるようになり、バックアッパーとしては貴重な存在。常にファーストセカンドチョイスとしての役割を全うできる辺り、どの監督からも信用が熱い証拠だろう。
#21 フレンキー・デヨング
もうバルサに無くてはならない不動の存在。ベストはインテリオール。バケーロ二世とも思える中盤での味付けはバルサの攻撃を華やかにした。またブスケツの後継としてアンカーでもプレー。できなくはないけど、やっぱインテリオールだよな。ルベン・ネべスが来るかもだけど、チャビ的にはフレンキーをアンカーの軸として使いそうだから頑張ってほしい。
#22 ハフィーニャ
念願のバルサ移籍を果たしたブラジリアンウインガー。ただ、実際はそんなに突破力があるといった感じでもなく、リーズというかプレミアからリーガに適応するのに苦労したイメージ。左右両方できるけどデンベレの方が性能はいいんだよな。だけど守備も頑張るし、得点も獲れるしで、とくにデンベレ離脱後は欠かせないピースになっていた。チームにもリーガにもフィットしつつあるけど、前から描いていたイメージと微妙なギャップがあったことから放出候補になっている。ウイングとしてデンベレほどの突破力はなく、ゲームメイク力もガビより下。チャビがリップサービスとは思えない久保ラブコールも、本気度はあったところからベンチウォーマーとしては計算できる程度の戦力値か。個人的にはもう1年は観た方がいいと思うけど、バルサの財政上、そう優著なことを言える状況でもないので、様子を見てみようではないか。
#23 ジュール・クンデ
夏の移籍市場最後に決まった大物。本当はCBだけど右ラテラルとしてゲームメイクを頑張った。シティでストーンズがやってるような感じ、ほどではないけど右サイドで守備&ゲームメイクは流石。デンベレとはワールドカップでもコンビを組み、彼を解き放ったのはこのドレッドヘアーなんだけど、まだ使い古してる感じはある。チャビが偽SBとして本格稼働するか、右ラテラル補強の場合はCBとして使うプランがあるのか。どちらにしろクンデの存在は欠かせない。
#24 エリック・ガルシア
ビルドアップは世界最高峰なんだけど守備が弱く、クリステンセンにアラウホ、クンデがいる間に割って入るのは難しい。終盤にはアンカー起用されていたけど、これは決して悪くはなかったとは思うけど、CBがアンカーやっていたにすぎなかったか、その後は起用は限定的に。貴重なカンテラーノだけど放出候補か。ディフェンスの強度はやっぱり求めたい。
#25 ピエール=エメリク・オーバメヤン
開幕直後にちょろっと出て移籍市場閉幕寸前でチェルシーに行った。かつてブンデスで得点王争いをしたレヴァンドフスキとチームメイトになるも、その影響で構想から外れ夏は移籍先を探すセールス活動に注力していたな。移籍先のチェルシーも、欲しがっていたトゥヘルがすぐに解任されてその後は鳴かず飛ばず。年齢も年齢だし、このオフはどうなるか。
#28 アレハンドロ・バルデ
今季1番のブレイクスルー。アルバのケガから得たチャンスをものにして左ラテラルだけでなく、クンデが不在の時は右ラテラルとしても出場。スピードを生かした突破力だけではなく、カンテラーノらしく繋ぎでも貢献。19歳にしてバルサ補正もありながらまさかのワールドカップメンバー入り。運も味方した。アルバが抜ける来季は左ラテラルとして不動の1番手。そして今後のバルサを担っていく存在へ。最終節で靱帯のケガをしたので、来季の開幕はギリとなるかもしれないけど、今季はワールドカップもあり休みなく出ずっぱりだったので、ネーションズリーグも出れないし、いい休息だと思ってしっかり体を休めてほしい。
#30 ガビ
シーズン後半戦に入り、やっとトップチーム契約ができて晴れて6番を背負うことになれたはずだったのに!!!!嵌められました。ってかこれだけやれて契約はBチーム契約だったんかい!!
バルサは当然として、スペイン代表としても不動の存在になりつつある若きトリックスターは守備でも強さを見せ、体ごと狩りに行くスライディングは本職DFさながら。最初はインテリオールだったけど、終盤戦はウイングの位置で「偽ウイング」として重要な役割を全うした。チャビバルサにおいて肝になる役割よね。来季も左ウイングをメインにインテリオールと幅広く使われることが濃厚で、そして来季こそ6番を背負ってプレーしてくれるはず!!はずだぞ!!
かわいい顔して闘争心は獣レベル。
#監督 チャビ・エルナンデス
2年目、実質1年目だけど大型補強もしてもらい、クラブとして暗黒期から抜け出すことを意味するラ・リーガ奪還を果たした。最初は戦術に頑固で、何でも貫きたがる感じはあったが、コパ・デルレイのクラシコみたいな、何がなんでも勝利だけを目指す時は、理想を捨て現実に走る場面も見せた。現実路線=引いて守ってブロック作って、といったあたりはペップよりもファンハールに似てるな。頑固なところもファンハールに似てるなと思うけど、巨額な負債を抱えて将来も犠牲にしてまでも今季にかけた補強というプレッシャーありながらリーガを制したのは、チャビが1番肩をなでおろしていることだと思う。
チャビバルサとしては、やはり欧州のコンペティションを制することがなによりも来季は重要で、今季はCLはバイエルンとインテルと同組。ELでいきなりユナイテッドといった運がないところもあったにしろ、1つも勝てなかったのは大きな問題。攻めて1試合は勝ってくれよと思ったけど、この結果を突きつけられた以上は現実として相当壁はデカいとも感じ取れた。
CL勝ち進めなかったことによるCL収入減によって補強が進まないことは決定しており、厳しい移籍市場を過ごすことになると思うが、来季の目標はとにかく欧州の舞台で結果出すこと。全てはココに全力投球を!!
だからといってペップのように頭皮を犠牲にしなくてもいいからな!ファンハールはフッサフサだぞ!!
次回予告
ネーションズリーグ見ていこうかな。多分スペイン。
Thanks for watching!!
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