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リオネル・メッシ パリでの現在地
伝説の続き
念願のW杯を制し、真の意味で伝説となったメッシ。ライカールトによって16歳でトップデビューを果たした可愛らしいアルゼンチンの王子様は、気付けば顎髭を生やしたアラフォーのオジサマになってます。リーガもコパもCLも制し、バロンドールを捨てるほど貰い、唯一タイトルの取れなかったアルゼンチン代表でもコパ・アメリカを制した勢いで遂にカタールで世界の頂点に立ちました。
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現在のメッシですが、自分の家でもあったバルサ、そしてアルゼンチン代表と、この2チームでは家というより住処?いやもはや家主みたいな存在感でしたが、昨年遂に家を出ます。パリですね。メッシのサッカー選手としては初めての外様です。メッシが世界最高の選手であることは言うまでもないですけど、バルサやアルヘンだったら中心に置いてチームビルディングしますが、パリの場合はメッシ以前からチームは存在していて、要はチームビルディング済みの段階で加わったわけです。そんなパリの中心は
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ご存知、世界最高額の男ネイマール。そして
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次世代、いや現代におけるトッププレイヤーであるキリアン・エムバペ。この2人が既にチームの軸でした。外様であるメッシは、この2人に合わせなくてはならない。それがパリにおけるメッシ最大の挑戦でしょう。
メッシは燃えているか
■メッシ本来のスタイル
まず、現在のパリを見ていきましょう。
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パリはケガ人が多く、まず今ネイマールがいない。あとCBのキンベンぺも今年1年はほとんど稼働していない。ラモスが今季ようやく稼働してますけど、なかなかベストメンバーが揃わないのが今年のパリ。
メッシに話を戻します。ネイマールがいるときは、前線2トップにエムバペとネイマールで、トップ下にメッシという布陣です。ネイマールもパリの王様になったところでメッシの下僕には変わりないので、守備は進んでやってます。本当にメッシとプレーしたかったんだなぁ。
パリに来てからのメッシですが、まだ2年目ですけどバルサで見せていた圧倒的な得点力は見せていないです。なので1年目の昨年もメディアから「結局バルサだけだったか」なんて言われていましたけど、みなさんメッシを誤解しています。今のパリのメッシこそが本来のメッシの姿です。バルサのメッシは超人の域を超えておかしすぎたのです。バルサのメッシは無限スーパーサイヤ人だと思ってください。
そもそもなんですけど、メッシはFWの選手ではないんですよ。バルサにやって来た当初はトップ下でラストパスを送っていた選手で、マジでプレースタイル的には久保建英と同じです。ライカールトが右ウイングで使ったのも、そこでタメ作って、前線のエトーもしくはロナウジーニョに点決めてもらう(ロナウジーニョも本人曰く「オレ、パサーだぜ♪」)役割で、当初はほぼ入れ替わりというか、メッシがトップデビューしたころにバルサを退団したリバウド的なプレーを求められていました。そのメッシのえげつない得点力に目を付けたのが、当時バルサBで一緒にやっていた監督のペップ・グアルディオラなんですね。パサーにしてはシュートスキルが一流ストライカーレベルだと。だから今のメッシは本来の普通のメッシなんです。アルゼンチン代表が長年メッシの活かし方を見つけられなかったのも、ずっとメッシをゴールマシンとして使っていたから。アグエロとプレーしていた時のメッシ、幸せそうだったでしょ。
パリにおいては、すでにゴールマシンとしてエムバペがいます。だからメッシは点を獲る必要がないんです。メッシはメッシのやることだけをやればいいんです。
■究極のラストパスマシーン
では実際に見ていきます。
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パリのカウンターのシーンです。中央白丸がメッシ。
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タメ作ってから、この相手の間「門」を通して左へ。
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通る。まぁ、この間を通すという発想が凄いし、実際に通しちゃうのも凄いんですけど、それをやってしまうのが神たる所以。
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ヌーノメンデスの折り返しを再びメッシ。流し込んで得点。
バルサのメッシと違うのが、パリに来て自分でフィニッシュまで持っていくシーンが減ったなというところ。年齢的な部分もあるんでしょうけど、ゴールはワンタッチで合わせるな形が今のメッシなのかな。
基本的に自分で行けそうもないときは1番ゴールまでの距離が近いところにラストパスを送る。これはバルサの時からやってましたけど、パリの場合はバルサと違って裏に走る選手が多いから、メッシ本人の選択肢も自然とラストパスになってるんでしょうね。
別のシーンでも
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青丸がメッシ。
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ヴェラッティから縦に楔が入ったところなんですけど、その落としをメッシ受けます。さぁどうする?
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「そこ通す!?」ってところを見事なタイミングと質でネイマールに届けて見事すぎるアシスト。思わず「頭おかしいんか!」って言いたくなりますけど、これを確実にアシストに繋げちゃう辺りのメッシはエグイ。
■メッシのプレースタイルの変化
メッシのプレースタイルについて、実際の試合で見てみましょう。
その前に何ですけど、今回扱うケーススタディはリーグアン第31節ランス戦から。
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キレイに5枚の最終ラインと3枚の中盤の2枚壁を作ってます。ここに写ってないのは前線の2枚、メッシとエムバペですね。
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ハイ奪った。
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ここにいました。
もう1シーン見てもらいたいんですけど、
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バルサ時代から追っている人にはもしかしたら気付いた人もいるかもしれないんですけど、プレーエリア低くありません?
もともと守備に熱心ではないメッシに中盤にいられたら逆にめんどいことになるんで、バルサの時は基本どんなに低くてもハーフラインで待機していた。そのメッシが、別に偽9番やってるわけではないのにこんな低い位置にいるというのが、年齢的な問題もあると思いますけど、もう完全にトップ下の選手になってますね。
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続いてのシーンですが、ココでメッシが左に捌きます。
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もはやボランチの位置ですよね。ちなみにスターターポジションは2トップの1角です。
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もう1度受けに行く。
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エムバペへダイレクトで楔。
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エムバペが横にフリック。
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前線に飛び出す。
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最後はエムバペに横取りされましたけど、低い位置からパスを捌いて最後はFWらしくゴール前まで進入してシュートを撃ちに行く。簡単に言うと、これが今のメッシのプレースタイル。簡単にパスで捌くようになった。
■35歳でも進化を続ける生きる伝説
ロナウドがサウジアラビアへ移籍し、ラモスもブスケツも落ちてきて、欧州トップでプレーできる時間も限られている中で、メッシはプレースタイル変えてトップレベルを維持している。それでもリーグアンで15点決めているわけだから普通に凄い。アルゼンチン代表もまだ続けているわけだし。
次回予告
プレミア頂上決戦直前!!
マンチェスターシティ進化論
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