眠れない夜に書いた妊娠・出産日記 22


【これは2021年5月の眠れない夜に書いた妊娠・出産日記】


分娩室へ行き、いきみ方をレクチャーされた。
呼吸に合わせていきむ方法だったが今まで経験したことがない痛みの中で、しっかりと呼吸をするということがなかなか難しい。
「息止めないで!」「赤ちゃん苦しくなっちゃうよ」「新鮮な酸素を送って」「はい、吸って吐いてー!!」と怒号の掛け声。
出産ってこんなにも体育会系なのか…!!

何度か繰り返していたがなかなか産まれない。
分娩室に行く=あと10分位で産まれる、だと勝手に思っていたので「まだ産まれないなんて聞いてないよー!!」と心の中で叫んだ。



家で陣痛が始まり一睡も出来ないまま入院→分娩室、おまけに謎の発熱、酸素量の低下があり、「卵膜を破って破水させましょう」と言われる。
いきんだタイミングで何かの器具で何かされると、バシャンと大量の水が出てきた。
これをきっかけに自分でも分かる位に赤ちゃんがどんどん下に降りてくるのが分かるし、お股の骨の辺り(骨盤?)をぐいぐいと通ろうとする感覚が走る。

「もう少しで産まれるかも」と思っていると、やはりそうだったようで助産師さんがもう1人やってきて、産科の先生が頻繁に様子を見にくるようになってきた。
酸素量が低下していたので酸素マスクを付けられていたが、マスクを付けているとかなり暑い。
それでもいきみは止められない。
何度も何度もいきんでいると先生がはさみを持って会陰を切ろうかどうしようか考えている様子だった。
妊娠中「会陰は絶対に切らないでほしい」と思っていたが、もうここまで来るとどうでも良い。「スルッとスポンッと産まれてこの痛みから解放されるなら、会陰なんてくれてやる!!」という思いだった。
赤ちゃんの方もいきみと同時に上手く向かってはいるが出口で頭がつっかえている様子だったので、先生が「次でいこうか」と言いお股前でスタンバイする。

助産師さんが赤ちゃんの頭が出てきた後の呼吸法を説明してきた。
短く呼吸をし、手はレバーから離し胸に置き、絶対にいきまないこと。苦しい中で難しそうであったが「もう何でも言うこと聞きます!!!」という従順な気持ちで聞き入れた。

いよいよ産まれてくるのか!次のいきみで決めたい!、と思っているとすぐにそのタイミングがやってきた。
「もう赤ちゃん出てくるので見ていてください」と言われしっかりと目を見開き、何度もやってきた呼吸法をやる。
タイミングをみて先生がパチンとはさみを入れる。
すると、ズルンッと赤ちゃん、ザーッと羊水が出てきて、「ギャァァーー」という産声が。

しわくちゃな顔で一生懸命に泣く姿を見て自然に「可愛い…!」という言葉が出てきた。「おめでとうございます!!」と言われ、こちらも笑顔になり「やっと産まれた!出産終わった!」という達成感に満ち溢れていた。

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