眠れない夜に書いた妊娠・出産日記 23


【これは2021年5月の眠れない夜に書いた妊娠・出産日記】


赤ちゃんは小さいベッドに連れて行かれ診察される。
その間私は切った会陰を縫われたり、胎盤を出されたり、色々されていた。
「痛いかもしれないです」「ちょっと押します」と言われたが、出産ハイになっていた私にはもうどんな痛みも痛みでない、という感じだった。
出産中低下していた酸素量は落ち着いていたが、発熱が続いていたので下半身の処置をされながら何度も検温されていた。



一通り診察した後、赤ちゃんの体重が2500g以下で低体重出生児になり一晩NICU入院だと言われる。
出産直前の健診では推定体重が2700gだと言われていたのでびっくりした。
低体重で産まれると低血糖を起こし易くなるので今から24時間1時間おきに血糖値のチェックをすること、それがクリアされれば明日から母子同室になること、その他諸々説明されたが、「うちの子大丈夫なんですか!?!?」で頭がいっぱいだった。
大きな病院だとよくあるケースのようで、産科医と小児科医は落ち着いていて「大丈夫ですよ!小さく産んで大きく育てた方が良い」と励まされた。

赤ちゃんも私も一通り処置をされた後、休憩タイムに入る。
すぐに病室に案内されるのではなくこのまま分娩室でゆっくり過ごさなくてはならない。眼鏡を外していたので持ってきてもらい、初めて我が子の顔を拝むことが出来た。
エコー写真では一度しか顔を見せてくれなかったが、その時のまんまの顔をしていて、4Dエコーの凄さを思い知らされた。

カンガルーケアさせてもらえることになり、初めての抱っこをした。
軽くてふにゃふにゃしていて癒しの塊だった。頬っぺたを触るとトゥルットゥルッで、指一本一本に爪があってしっかり伸びていて、髪の毛はふっさふさだった。
「この子さっきまでお腹の中に居たのかよ…!?」「私この子育てて産んだのかよ…!?」「この子エコー写真のご本人かよ…!?」と興奮冷めやらぬ状態で居ると、赤ちゃんがモゾモゾと動き出した。
顔を色々な方向に動かして、口を開けたり閉じたりしていて、どうやらおっぱいを探している様子だった。
私が下着を付けていたので見つからないと分かると胸の近くをちゅーちゅー吸い始めていて、その可愛さと生命力の強さに母性が爆発、「とんでもない者を産んでしまったなぁ」と思った。


「休憩タイム終わりです、それぞれの部屋に移りましょう」と助産師さんがやってきて準備を始める。赤ちゃんはNICUへ行き暫しのお別れ。
ふと助産師さんを見ると先程と服装が違う。フェイスシールドにビニールのエプロンを付けていた。

「熱が下がらないのでPCR検査しましょう。結果が出るまでこちらが用意した部屋から出てはいけません。」

……え!?!?!?

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