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第1回「猫の発情」と「不妊化」

ミルクボランティアとして保護した子猫たち

ねこねこ看護」です。
タイトル通り、ねこにまつわるさまざまなことについて書いていきます。猫の看護をはじめ、猫の保護や健康な猫のお世話について。また猫の小ネタ、猫のかわいいところ、猫の面白いところ、猫のちょっと困ったところなどなど。
中の人は、元保護猫、現家族の猫3頭(うち1頭FeLV+)+人馴れ修行中保護猫1頭(FIV+)の保護主で、愛玩動物看護師です。ミルクボランティアなど猫の保護活動もしています。

「猫の発情」について


早速ですが、「ねこねこ看護」第1回目のテーマは「猫の発情」と「不妊化」について。
これからの5月〜夏にかけて、猫の保護施設には子猫たちがたくさん保護されることをご存じでしょうか? 猫の保護活動に携わっている方々にとっては忙しくなる時期です。
猫は「長日繁殖動物」といい、日照時間が長くなる季節に発情し、かつ、「交尾排卵動物」といって交尾の刺激によって排卵する(人、犬は「自然排卵動物」で決まった周期で排卵する)ため、発情したタイミングで妊娠しやすい動物です。また妊娠期間は約2ヶ月(63日前後)で、子猫が離乳後はすぐに妊娠でき、一度に4〜8頭を出産するために、想像以上にすごい速度で増えます。
そうして春先の3〜4月ごろに生まれた子猫たちが、よちよち歩いて親猫からはぐれ、または親から自立して一人で歩いているところを保護されるのが5月〜夏ということになります。

「猫の不妊化」について


家族のいない、住むところのない野良猫または地域猫を増やさないためには、猫の発情期を把握し、猫が発情する前、あるいは妊娠する前に、猫を捕獲(Trap)→避妊・去勢手術(Neuter)→元の場所に戻す(Retern)=TNRをすることが重要です。
なぜ家族のない、住むところのない猫を増やしてはいけないか?
外での猫たちの生活を想像してみてください。
安全に寝られる場所がなく、ごはんが毎日食べられるかわからず、他の野生動物から襲われる可能性がある。とくに、親からはぐれてしまった生後数ヶ月の子猫たちにとっては本当に過酷な環境です。
さらに、猫にはさまざまな感染症があります。人の新型コロナウイルスは空気によっても感染する怖い感染症ですが、猫でもあらゆる経路から感染し、死に至る可能性の高い感染症が存在します。
このような理由から、TNRは野良猫、地域猫にとって最も重要です。最近ではテレビなどでもよく耳にする「多頭飼育崩壊」は、野良猫(または飼い猫)に避妊・去勢をしないまま放置し、猫が増えて経済的に破綻した状況のことを指しています。そのように多頭飼育に陥った猫たちは、ごはんを与えていた人間、あるいは飼い主から飼育を放棄され、遺棄されたり保護施設に持ち込まれたりします。
そんなかわいそうな猫たちを増やさないためにも、TNRや保護活動などに興味を持っていただけると嬉しいです。

長々と書きましたが、結論としては、かわいい猫を大切に!ということでした。
次回は、上記でも触れました猫の感染症について紹介します。


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