ジョンの夢【#わたしの旅行記 番外編】
《※参考文献》
もうすぐ クリスマス。
ジョンと ママと パパは
ひと足 おさきに 旅にでる。
じぃじ と ばぁば の おうちで
おしょうがつ まで のんびり のびのび。
まい年の かぞくの ならわし だ。
ほんちゃんは とうきょう で おしごとちゅう。
ほんちゃんの きもちは よく わかる。
ジョンだって 穴ほり に しゅうちゅう したい ときもある。
ばぁばの おうちは むねが きゅっとなる いいにおいがする。
「ジョン よく きたね」
ばぁばは ジョンの ふわふわ ほっぺを だきしめた。
こんやは ばぁばの クリスマス ごはん。
ばぁば たいちょう は ママと パパを ひきつれて
おおきな とり を さがしにいく らしい。
「じぃじは ジョンと おるすばん しますね」
ジョンは じぃじの ちてきな やさしさが だいすきだ。
ジョンも じぃじのような ジェントルマンに なりたいものだ。
「ジョン おいで」
じぃじの おへやは いつも レコードが うたっている。
きょうは イギリスの ジョンの こもりうた だ。
「冬の しょくぶつずかん を みせますね」
じぃじは 本だな から ずかんを とって
ゆりいす に すわった。
ジョンは じぃじの おひざに のった。
じぃじの ぽかぽかの においを よく かくにん した。
イギリスから やってきた ふるい ずかん だ。
「ほんちゃんも じぃじも 本をつくる おしごとを していますよ」
じぃじは ジョンの あたまを なでてくれた。
「ジョンや じぃじのように
理由があって おるすばん していても
本をよめば 旅をしている
きもちに なれますね」
ジョンの きもちは ぽかぽかに なった。
ジョンも だいすきな 穴ほり をして
たいせつな たからものを パパに みせると
パパは ぱぁっと あかるい えがおで
ジョンを なでなで してくれる。
「ジョン よく みつけたね」
「ジョン わらってるね」
「ジョン また おしえてね」
ほんちゃんの おしごとは きっと こんなふうだ。
じぃじの おはなしを いつまでも きいていたい けれど
うっかり うとうと ゆめ の なか。
ジョンにも パパとおなじ うっかりものの ちが
ながれているのかもしれない。
ジョンは ゆめの なかで ねこさんと おさんぽ した。
そうげん から 海ばら へ。
ふたりっきりで ながい ながい おさんぽ を した。
遠くから ベルの おとが きこえた。
誰かが ジョンを よぶ こえ が する。
ねこさんの ママの こえ だ。
ジョンは ねこさんの おうちで
ねこさんディナーに およばれした。
おさかなの あじが した。
じぃじの すきな スペインの パエリアも
こんな あじ かもしれない。
ふたりは おなかいっぱい ごろん。
ねこさんママは ねこさんの おなかを なでなで。
ジョンも あとで みんなに なでてもらおう。
ほんちゃんの おてて にも はやく 会いたいなぁ。
「ジョン ジョン かわいい ジョン」
パパの うたごえで めがさめた。
かえうた だなんて ぼくは ショーンではないのに しつれいな。
遠くから ばぁばの うたごえが きこえる。
ばぁばが フランスで おぼえた うた だ。
ママが ジョンを よぶ こえが きこえる。
ゆめから さめても かぞくみんなで
おいしい ごはん。
ねこさんの おうちも きっと。
ほんちゃんの おしごとが おわったら
ジョンの たからものを みせてあげよう。
ほんちゃんも よろこんでくれると いいな。
理由があって旅立てない人々。
せかいいち かしこい いぬ ジョン。
みんなで ぽかぽかハートを わけあえば
思い出を一緒に
心に仕舞えるかもしれない。
《※すてきイラスト》
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