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キャラクター別スピンオフ

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記事一覧

【小説】みだれ髪〜棗絢音〜

…香油を使って、洗い髪に香りを纏わせ結い上げる。 化粧をして、あなたに捧げる唇には、赤い…

市丸あや
2年前
2

【小説】2人のママ〜棗藤太〜

「……ん……」 やさしいやさしいひかり。 めをさますと、はねのはえたおともだち。 「よう…

市丸あや
2年前
4

【小説】目合わい〜棗藤次〜

「ねえ、藤次さん?」 「なんね。絢音。」 …そうして顔を見ると、真っ黒な真珠の様な瞳に見…

市丸あや
2年前
3

【小説】鏡の中の君〜棗藤次〜

…鏡に映る裸身の君は、どんな春画よりも美しゅうて、艶かしゅうて… もっと鳴かせたいと、深…

市丸あや
2年前
2

【小説】鏡の母〜棗藤次〜

「…えっ?」 「せやから、形見分け。アンタにはこれあげるわ。お母はん…最後の最後まで、そ…

市丸あや
2年前
3

【小説】ワシの嫁さん〜棗藤次〜

ワシの嫁さんは、一言でまとめるなら可愛い。 長い黒髪は艶々やし、肌は真珠みたいに白くてす…

市丸あや
2年前
4

【小説】チョコをもらわない理由〜楢山賢太郎〜

「ただいま…」 雪深い札幌地方検察庁へ赴任して2年。 雪道にようやく慣れてきた賢太郎は、コートに付いた雪を玄関で払いながら帰宅の言葉を口にすると、パタパタと2つの足音が、自分を迎える。 「お父さん!お帰りなさい!!」 「パパ、お帰り!!」 2人の娘…洋子と長子に出迎えられ、賢太郎はニコリと笑う。 「ただいま。良い子にしてたか?」 「うん!宿題もう終わったのよ?だから遊んで?お父さん!!」 「あー!お姉ズルい!!アタシがパパと遊んでもらうの!!」 「あら、長子

【小説】君と僕と彼女と…〜谷原真嗣〜

「…はい?」 「せやから、手作り…教えてくれんか?」 ある日の日曜日の朝。 朝食を食べて…

市丸あや
2年前
5

【小説】君に贈る…〜棗藤次〜

「今年はチョコ…ゼロか…」 小さくため息をついて、藤次はカレンダーを見やる。 2/14の欄に…

市丸あや
2年前
6

【小説】彼女の解体新書〜棗絢音〜

…どんな姿になっても好きや。 そう言われて、ワタシは女になった。 誘われるまま、時には自…

市丸あや
2年前
4

【小説】冬の日の午後…〜棗藤次〜

「あら嫌だ。こんな所で吸わないで…」 「えっ?」 …弥生の、名残雪ちらつく京都の高級マン…

市丸あや
2年前
5

【小説】この道…〜楢山賢太郎〜

「…主文、被告人を、死刑に処す。」 …また1人、俺は被告人を死刑台にかけた。 足を棒にし…

市丸あや
2年前
4

【小説】さよならの真実〜南部皐月〜

「…お見合い、ですか?」 「そうだ。お前ももう20だ。アルバイトなんて遊びは辞めて、家庭に…

市丸あや
2年前
4

【小説】ギフト〜安藤夏子〜

「お詫び…ですか?」 「うんそう。なにか知恵貸してよ。なっちゃん。」 30半ばの自分を「ちゃん」付けで呼ぶ、上司柏木の言葉に、安藤夏子は小首を捻る。 「と言うか、入院先にそのようなものを渡されても、恐らく受け取れませんと突き返されますよ?しかも、早期発見の盲腸…入院期間も短いですし、そこまで検事が義理を尽くす必要はないかと…」 「いやいや!僕のことじゃなくてさ!棗にだよ!!」 「棗検事に?何でまた。」 「何でって…君知らないの?棗、僕が入院したせいで、仕事のキャパ