【アニメ感想】『でこぼこ魔女の親子事情』 ★★☆☆☆ 2.3点

 森に住む魔女アリッサと、彼女が森で拾った人間の娘ビオラの二人の親子を中心としたファンタジーコメディ作品。



 でこぼこ魔女とタイトルにある通り、本作の主人公は実年齢は200歳以上ながら幼い少女のように見える母と、セクシーなお姉さんのような容姿ながら実際には若干16歳の娘の2人の魔女なのだが、この容姿の逆転は案外作品の肝とはなっていない。どちらかと言うとこの2人は狂言回しを担うことが多く、彼女2人が西洋ファンタジーをモチーフとした様々な突拍子もない登場人物たちに振り回されるのが、本作の基本フォーマットとなっている。

 この様々なファンタジーキャラのアイディアとキャラクター性に独自のコメディセンスが垣間見え、これらのキャラにアリッサとビオラがハチャメチャに振り回されるほどに物語が盛り上がっていく構成となっている。そのため、ゲストキャラがいる回といない回で作品の熱に差が見え、どう見ても尻にしか見えない花の精の登場する6話や不眠症の眠りの精ザントマンの登場する7話などは話が大きく盛り上がる一方で、ほぼレギュラーキャラだけで展開する回ではどうにも盛り上がりきらずに終わってしまう印象である。



 本作は不条理なファンタジーキャラクターと、彼ら彼女らへのキレの良いツッコミが面白さの肝となっているが、原作漫画のテンポの良さやキレの良さがアニメにしっかりコンバートされているかと言われると、正直もう一歩な印象は否めない。また、作画カロリーもそこまで高くないため、他のアニメ作品と比較すると、明確な強みのある作品とは言い難い。しかし、この激しすぎない穏やかな作風とほどほどの作画が相まって、結果としてダラッと見るのにちょうどよいテンション感の作品に仕上がっているため、肩肘張らずにまったり見るのにはちょうどよく、これはこれで良い塩梅だなと感じる。

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