それスノの炎上についてちゃんと考える〜オタクとフェミニズム、アイドルの発言力〜

ここ数ヶ月、SnowManのファンをしてきた身として、数年来のジャニオタとして、今のメディアでの女性の扱い方を危惧する一人の女性として、ちゃんと向き合って発信したいと思ったので、これを書いています。

上記にもあるように、「それSnowManにやらせてください!」という番組内で、メンバーがマネキンのスカートをめくる描写がありました。

許される笑い許されない笑いがあると思っています。その境界線は、人々の意識の変化とともに変わっていくものです。ひと昔前までは、スカートめくりはアニメでもテレビでもあまり問題視されずにきてしまいました。
でも、スカートめくりは許されるべきではない。それを笑いにして、あたかもスカートめくりはただの悪ふざけとして見過ごされてしまうかのようにしてしまうのは良くない、そういう問題提起が今起こっていて、だからこそ炎上しているのです。

ここで私が焦点を当てたいのは、その炎上に対する反応
スノーマンって誰だよ、な声もまだまだ大きいだろうし、地上波で放送されてる番組ではなく、有料サイトなので、このことが起きていることを知っている層、ましては声をあげる層はかなり限られます。

1、スノーマンのファン。2、フェミニスト、また、こういうトピックに関心のある人。3、スノーマンのファンではないがある程度スノーマンを知っているジャニオタ。4、ジャニーズアンチ、フェミニストのアンチ。もちろん例外はあるかと思いますが、過半数は女性だと断定していいでしょう。

本来は、「スカートめくりで笑いを取るのは良くない」は、女性やフェミニストが、女性の為にあげている意見だと思われます。そして、ジャニーズファンも女性なのだから、それを受け入れるだろう、と推測できますが、実際に問題提起しているツイートに対する反応を見ると、全く違う光景が見えました。

スノーマンファンの一部は賛同していましたが、多くは「炎上してる、別にいいじゃんか」と無関心、または擁護してツイートの揚げ足をとるような姿勢を見せていました。

なぜ、女性なのに、そんなことどうでもいいじゃんと言えるような心理に至るのか、それは、ジャニオタ、スノーマンのファンであることは、常に過激なアンチからの視線と隣合わせだからです。
フェミニストを賛同するツイートは、スノーマンを批判するツイートである。そして、スノーマンを批判するツイートの多くは、根拠のない拡大解釈や変な言いがかりからきていることが多い。つまり、フェミニストの主張は、ただの変な言いがかりである、という思考回路なような気がします。

実際に私が見たツイートも、確かに言いがかりっぽいものが多かったです。特にジャニオタ内からは、フェミニストの意見に賛同する体を装った、ただの言いがかりのような意見が目立ちました。SixTONESとSnowManの同時デビューから、両者のファンは対立する構図がある程度できています。(もちろんごく一部のファンに限りますが)だからこそ、SixTONESファンの過激派とも言える一部から、こんな奴らと自担が一緒に紅白出るなんて、やら、メンバーの容姿を批判する声など、かなりそれスノの批判とは見当違いな視点からきているものが多く、ただ単にスノーマンを批判したいだけのアンチがさらにスノーマンを批判する一手として使われているだけなんだな、と感じました。ファンであれば、確かにそんな批判は耳に入りません。

これはスノーマンだけでなく、ジャニーズ全般に言えることでしょう。ジャニーズファンであるだけで、意味もなくアンチがつきやすい、そんな経験はいくらでもあると思います。世論はジャニーズに優しくない。他の芸能人は事務所で一括りにされることなんかないのに、ジャニーズは誰かが問題を起こすと事務所全体が批判されるような空気がある。そこに常に不公平さを感じながらも、ファンをやっている。

ちゃんと理解してもいないのに、事務所が有名というだけで勝手に口を挟んでくるアンチの意見は聞き入れたくないものです。その構図から、今回のそれスノの件では、フェミニストもその「ちゃんと理解していないのに勝手に口を挟んでくるアンチ」として扱われ、彼らの主張は大多数のファンに聞き入れられていない、という現状があると思います。

オタクとフェミニズムの相性の悪さは、ここにあると思われます。オタクであること自体が必ずしも悪いことではない、と前置きしたいですが、オタクにはある程度、アウトサイダーからの批判を排除、または無効化したい、という意識があるのではないでしょうか。部外者やにわかは黙っとけ、という空気があるように思います。

とても苦手な空気感です。鬼滅を女性差別的だ、と批判した記事が炎上した時も同じような光景があったように思います。「これ書いたやつ絶対ちゃんと原作読んでないだろ、ねずこ超強いのに」のような発言が目立ちました。ちゃんと読んだ奴、ちゃんとファン歴があって知識がある奴、そういう人しか意見を出す資格がない、オタク界隈とは、そういう狭いコミュニティになりがちなのです。(女性キャラが強いことと、女性差別的な文脈は両立するものだと個人的に思っていたので、なんだかなあ、と思いましたが。)

オタク気質がものすごいので、スノーマンのファンではいたいけど、この界隈の空気感は苦手、そういう立場です。建設的に推しを批判しあえるファンドム、そのフィードバックを推し自身が受け取って、一緒に成長していけるファンドム、そんなものがあれば理想なのになあ。

他の界隈に変な言いがかりや決めつけはしない、でも自分の推しはちゃんと批判しつつちゃんと愛する、外部からの真っ当な批判をちゃんと受け入れる、他界隈で何か批判すべきことがあればちゃんと知った上で建設的に批判する、そういう世界があればいいな、と思います。オタク界隈の内部の対立も、界隈vs界隈の対立も、全て誰にとってもいいことないんよ、ただの当てつけと批判を聞き分けて、聞き入れられるようなオタクでありたい、そう思います。とりあえず、スカートめくり、よくない。


あと、こういうタレントの発言を批判する時に、考えておきたい点が一点。もちろん彼らは、そのような発言をすべきでなかった。でも、彼らにその発言をするかしないかという選択肢はそもそも与えられていたことなのでしょうか?
彼らはまだデビュー1年目。やっとテレビ露出が増え、自分たちを売り出していこう!な時期です。まだまだ新人で、10代のメンバーもいる。仮に、彼ら自身にセクハラや人権に対して問題意識があったとして、問題のある台本を突きつけられた時に、NOと言えるだけの発言力は与えられているのでしょうか?

私もテレビ番組がどう作られているのかなんて知らないし、ただのど素人。でも、多分、この発言が放送されるかどうかを決めるのは発言者だけではないかなと思う。台本を作る人、編集する人、いろんな人の意思決定の元に、この発言がテレビで放送されているのであって、発言者だけが悪いのかというと、違うと思う。そして、どこまで意思決定に関与しているかわからない、発言者ばかりが批判の対象になり、問題のある発言が起こること、そして、この発言が笑いに繋がるように切り取って演出している制作側があまり批判の対象にならないままテレビ業界に残っているという構図自体が結構問題なんじゃないかしら。

今回問題になっているシーンも、別にカットしたとして、話の繋がり上、なにか問題があったかというと別になかったはずですが、カットしないという判断をした誰かがいるから、放送されたわけです。もしその誰かにちゃんと高い人権意識があれば、こうならなかった。きっとメンバーも、こういう発言は使われないのか、と認識して、そういう発言が今後減っていくかもしれない。そういう構図になればいいなと思っています。

でも今は、炎上、という形で視聴者がフィードバックをしていて、ちゃんとそれが制作側に届けばいいなと思っています。この投稿もその炎上の一部になればと。今は、炎上を避けるため、が動機でも、いち早くこのような描写が減ればいいなあ。細かいことの積み重ねで、自担の意識や発言が変わっていけばいいなと思っています。

自担がちゃんと人権意識が高くて、ちゃんと自分の発言に責任を持って人権意識の高いことを、変な忖度やポジショントークなしで話す、そんな世界線でないことが悲しい。そう思いますね。そのような世界線を望む方、是非に堂本剛のラジオを聞いてみてほしい、完璧にそれが実現されてるわけではないけど、かなりその世界線に近いです。はい、ステマでした。




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