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バックスファン、リッツカールトン日光へ行く【中編】

 前編も読んでねよろしく。
 ユーチューバーやブロガーが、リッツカールトン日光の紹介動画とかブログはすでにたくさんありますけど、一般庶民が超高級ホテルに足を踏み入れるとどうなるかを赤裸々に書いております。
 だからその辺の紹介ブログみたいに、意識高い高い系的なキレイ事ばかりは書かないぞ!ロッケンロール!!

バックスファンは見た!これはドキュメント・リッツカールトン日光なんじゃ!

 前編からも若干OT(オーバータイム=延長戦※直訳は残業)すると、ドレスコードに困った。何を着ていけばいいのかと。スマートカジュアルだのなんだの必死にドレスコードを調べる。
 自宅にある一番高い礼服と言えば「GK福藤選手の実着ジャージ」(時価十数万)である。バックスファンの重鎮T会長ならばジャージ姿で絶対行くだろうし、社長の貫禄ならば押し通せるであろう。だがバックスのジャージを着てリッツカールトンに突入する根性は、単なる一プロレタリアートたる自分にはさすがに無い。
 まあセーフだろうと思う服を引っ張り出し、ジャージは記念撮影用に持参することにした(←何)

予約電話するにもガラスの天井が!?

 4月中旬。泊まる希望の日をGW明けの翌週の土日で問い合わせすることにした。
 仕事から帰ってきてまだ19時前。よし、予約するぞ!
 「予約の受付は17時半までです」
 な、なんだって~
 ビジネスホテルのように21時くらいまでは失礼じゃないでしょ、と思いきやいきなりガラスにぶつかったスズメである。
 恐らく単に予約するだけでも、これは打合せクラスで時間がかかる。。。そう直感した。明日仕事を抜けて、隅っこで落ち着いて長時間やり取りできるわけもない。 
 素直に数日後の土曜日の午前に電話した。
 「宿泊券ですと一日にご用意できる部屋に限りがあります」
 (ですよねー)
 「土曜泊ですと…にゃごにゃごにゃーごにゃご、日曜泊ならにゃごご」
 「。。。あー検討します」
 (いったん電話切る)
・・・・・・・・・・・・・・・・
    家族会議後、再度電話
 「日曜泊でお願いします」
 ということで5月12日(日)、13日(月)で泊まることは決まった。
 こうなったら月曜日は有休で休むことにした。
 「あとレストランレークサイドの予約をしたいのですが。。。」
 「レストランの担当の者にお回し致します」
・・・・・・・・・・・・・・・・
 「5月9日からコースのメニューがイタリアンから地元野菜に変わりまして、にゃごにゃーご」
 「アラカルトとコースのメニューをメール致しますのでご検討ください」
 「復唱します。メールアドレスはアメリカのa、Eグルのe・・・(←こんな感じ)」
・・・・・・・・・・・・・・・・
 で、メールを待つこと数時間。忘れられたかと思った頃にメールは来た。
 うん、これは打ち込むのに相当時間がかかるよね。ありがとうございます。受付の人が打ち込んであろう丁寧な(超がつく)長文の案内文が届いたのだった。
 アラカルトの添付ファイルを開く
「栃木県産 いろいろ米のドライカレー12,600円」
「白いんげん豆のペンネ8,900円」
 はい、素直に「ディナー6品コース 24,000円×2名様」にします。
 ケチろうとしてすいませんでした。
 こうして、やっと予約はすべて完了した。

リッツ・カールトンには東武電車でおいでませ

 5月12日、結婚式の2次会にギリギリ着ていけるような格好で、東武電車の普通列車に揺られながら日光にいつものように通勤する(バックスファンで東武組は、日光に行くことを「通勤」という)。
 東武日光駅に着いた。天気予報を確認せず、明日は大雨だということで、折り畳み傘をコンビニで仕入れた。しょぼくて小さい折り畳み傘2本で3990円取られた。庶民には非常に高い買い物に、心が折れるのは幸先悪い。
 東武駅前から湯元温泉行にバスに乗り、第2いろは坂を超え、明知平のパーキングを過ぎてしばし走ると、左手についに「ザ・リッツ・カールトン日光」が見えてくる。
 今思えば、ホテル前のバス停で降りて、ブルジョワジーぷりを他の乗客に見せるチャンスであった。
 中禅寺湖のバスターミナルで降りた。チェックイン時間にはまだ早いお昼過ぎ。とはいえ昼飯を腹にいれたら、17時からのディナーが入らないかもしれない。これは正解だった。
  ホテル近くのTOKI珈琲店でコーヒーを飲むことにした。このお店はバックスの元選手が経営するお店で、思っていたよりも大きいお店であった。
 ここの売りの、工夫に工夫を重ねたチーズケーキを食しながら、リッツカールトンの湖側の庭を偵察する。

こだわりのチーズケーキと濃い目のTOKIコーヒー

 ちょうどランチやアフタヌーンティーのお客が出入りしている。こちらの庭側がホテルの入口なのだろうか、それともバス停側が入口なのだろうか、よくわからない。 
 店を出て、県立日光自然博物館で時間をつぶし、ついにチェックインできる15時を回ろうとしていた。  
 いざ!文字通り「入口」を探す。地味にバス停側への歩道は白線である。湖側の庭から入るのだろうか?門は閉まっており、恐らくホテルのゴミ集積場であろう、そうは感じさせない倉庫を見てから引き返す。やはりバス停側が入口であろう。木の黒い塀の隅に入口と言うか、徒歩の通用口がある。
 ようは歩いてくる奴はそんなにいないということだ。

「ザ・リッツ・カールトン日光」バス停

 監視カメラに挨拶しながら小道を進むと、入口には3人ほど駐車場のスタッフが待機しているのが見える。
 絶対走って来るだろうと思ったら、ダッシュでスタッフは走って来る。
 「(キター!!)」
 すかさず、お車は?と聞かれたが、バスで来たと答えた。「それはお疲れさまです」と、うやうやしく名前を聞かれたあと、荷物はお部屋までお持ちします、と自分とかみさんのリュックとカバンは容赦なく「没収」された。
 ふと見ると、凶悪な顔をした大型高級車ばかりが駐車場に停まっている。
 駅前のガソリンスタンドから、ニコニコレンタカーの軽自動車で「プップッー」とやって来なくて良かったと本気で思った。
 ちなみに駐車料は1泊3000円である(そんなもんだ)。

アイスバックスの代表ですからね!

入国手続きを終えてついに部屋へご案内!

 チェックインでは美人偏差値もお高い女性スタッフが対応してくれる。
 出された高級そうな甘納豆とお茶を飲みながら、手続きとしていろいろ記入する(当然完食)。
 宿泊券をさっさと手渡そうとする私に、お姉さんの笑顔が少々ゆがむ。
 ホテル内の払いはキャッシュレスなので「デポジット」としてクレジットカードを控えられる。自分のカードが、〇オンカードや、〇天カードでなくて本当に良かった。これで逃げ場は無くなった。
 温泉やバー、レストランなどの説明の後、エレベーターで2階に案内される。
 通路の奥の部屋に案内された。男体山は屈めば見える「マウントビュー」のお部屋だ。宿泊券のお客に低層階は当然だ。恐らく高層階ならば、ばっちり見えるだろう。まあプロレタリアートには景色などどうでもいい。
 布団を敷いたら寝れる広さのクローク。でかいベッド、正方形の部屋風呂、なぜか2つもあるでかい洗面台。テレビには謎の癒し系映像(ホテルのプロモ映像)が流れている。
 部屋のスイッチの「講習」を受けた後、朝食を尋ねられる。
 長々と説明されたあと、和朝食と洋朝食を1つずつ選べるという。
 「もちろんでございます!!」
 何度この言葉を聞いたか。すべてはイエスウイキャン!の世界なのだ。
 チェックアウト時間が10時だと思っていたら、なんと12時だという。
 これはゴロゴロするしかない。だが他のブルジョワ客は違う、平気で2週間とかこのホテルに滞在して、意識高い系の「体験」をして過ごすのだ。
 「明日のご予定は?」と聞かれ、恥ずかしながら「…このホテルに泊まるために来ました」と言うしかなかった。ことあるごとにこの質問は飛んできた。
 「日光にアイスホッケーの試合を観に来ました!!!」
 こう言える日が、はたして来るのだろうか。 

新緑なので男体山がまだ見える

バックスジャージで撮影会!!?

 新聞のサービスもあるので、当然我らがメディアパートナー「下野新聞」を指名する。
 「何かお手伝いできることはありませんか?」←これも定期
 ようやく説明が終わり、庶民のミックス(雑種)猫夫婦だけになった。
 「にゃーん(ぼふ)」
 とりあえずベッドにダイブしてみたが、枕まで全然届かない。
 部屋のお菓子はなんと「とちおとめ」イチゴが6粒。これだけで1200円くらいしそう。
 ミネラルウオーターはタダだが、「リッツ・カールトン日光」ラベルのアルミ500缶が4本置いてある。コーヒーや紅茶パックはタダ。引き出し式の冷蔵庫の酒やお菓子は当然有料である。
 アメニティはすべてが洗面台の引き出しの小箱に入っており、一度箱を開けたものは容赦なく廃棄されるのであろう。
 ヘアブラシを取り出したが、これウチにあるやつよりもお高いですわね。髭剃りにいたっては、なんと「5枚刃」であった。
 もう笑うしかないので、笑いながらいろいろとスイッチをいじったり、部屋を散策した後、夕食の時間まで「バックスジャージ撮影会」を行うことにした。
 持ってきたのは「GK44福藤」のホームとアウェイジャージ。「FW18古橋」と「FW51デイブ・ボンク」の日光東照宮白ジャージである。 
 ベランダに出て撮影しても、幸いなことに道路からはこちらがジャージ着てても恐らくわからない。
 ソファやテーブルにジャージを並べて、いかに良い構図でカメラに収められるかを夫婦で必死に試みる。
 リッツ・カールトンに泊まってまで、何をやってるのかと我ながら思う。
 様々な角度で撮影会を行うこと1時間。
 そろそろ夕食の17時が近づいてきた。
 夕食に行ってる間にベッドメイキングが入るという。
 ベッドメイクのしようもないとは思うが、スタッフが入るので、ジャージと荷物をクロークにとりあえず全部放り込んでごまかし、レストランに向かうことにした。
 ごちそうで文字通り腹パンになる話は、次回とさせていただく。
 銀河鉄道999で、貧乏人の鉄郎がレストランで腹パンになり寝転がる姿。ああいうふうになるとは、まさかこの時は思っていなかった。
 【後編に続く】

日本アイスホッケー界のレジェンド、GK福藤のジャージ

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