その手を取るということ シン・エヴァンゲリオンネタバレ感想

春の嵐の日にシン・エヴァンゲリオンを観にゆきました。
ネタバレを避け、マスクをして、夫と二人で。

エヴァ歴はそこそこだけれど難解な考察はできない、いち個人の感想です。
ネタバレはあると思います。

結末に号泣でした。
ラスト30分あたりから涙が止まらず、ひさびさに塗った春色のアイシャドウは全てマスクが受け止めてくれました。替えのマスクを持っていって本当によかった。

帰宅してシン・エヴァンゲリオンのネタバレ感想を調べても素晴らしいものばかりでまた感動して。(みんななんてかしこいんだ…)
ほっとひと息ついたら自分の感想も言葉にしておきたくなりました。

私はそれなりに抑圧されて育ってきた子どもだったので、エヴァの登場人物たちに共感するところがたくさんありました。

それと同時に、この作品を描くかたのメンタルの苦しみが子ども心にとても辛かった。
歳を重ねて自分の人生を生きられるようになって新劇場版をリアルタイムで観て、ますますその思いが顕著になりました。

どうかもうこれ以上苦しまないでほしいと。

しかし苦しいところから立ち上がるには、本人が救われようとしなければならない。
どんなに環境に恵まれても、そのひとの心がそこにいたいと願う限りは周りにできることはない。
メンタルの回復は、ただそれだけのことがとても難しいと思います。

だからシン・エヴァンゲリオンの作中で立ち上がる過程が丁寧に丁寧に描写されてゆくことに驚きました。
あんなに周囲を恐れていたひとたちが、
変わってゆく。
救われようとして、くれている?
それはあまりにも、「ネオンジェネシス」

差し出された手を振り払わずに握れるということ。
その単純すぎて難しいところに、エヴァンゲリオンという作品が辿り着いたことが、私はとてもとても嬉しくて寂しくてホッとして涙が止まりませんでした。

幸せになってくれてありがとう。

希望をありがとう。

そこにたどり着くまでに、筆舌に尽くしがたい苦しみがありましたよね。

世界を呪っていたころのあなたたちも好きだったよ。
でも世界を受け入れて手を取って生きていこうとするあなたたちを観ることができて、私は幸せです。

エヴァンゲリオンに出会えて楽しい日々を過ごせました。辛い時に観て地を這うような気持ちになったり、熱い叫びに心震わされたり、じれったい思春期の交流にドキドキしたり。そういうのも楽しかったよ。
私のなかのそういう気持ちを大切に、私も明日を生きていきます。
大好きだよエヴァンゲリオン。さよなら、またね。

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