第7話:『壱番街サーベイヤー』21
研究棟を出たおれ達は、キャンバスを大きく回り込んで、公園と一体化している遊歩道を歩いていた。ちょうど建物の裏口に沿って移動する形となり、にぎやかなキャンパスの裏の顔、ゴミの山や廃棄された看板がさらけだされている。
研究棟と倉庫は、キャンバスを挟んで丁度反対側。向かう道は幾通りもあった。
その中で最も人目につかず、それで居てそこそこ道幅の広い道を選んだのは、同行者達に対するおれなりの配慮というものであった。
「……気づいたの?」
歩きながらさりげなく肩をよせ、さ