救われない詩

世の中に出ていきたい。けれど、世界は怖い。
いっそ時が止まってしまえばいいのにと思うほどに。
明日が来るのが怖い。今が怖い。そういった日々を誰か救ってくれないか、と心の中で叫びながら立ち尽くしている。

一歩、家から踏み出すことが怖い。
世界は可能性に満ちているから。
本当は家の中も怖い。けど外に比べれば、少しだけ可能性が充填されていない。
このドアの向こうの景色を、私は知り尽くしていない。

どうせ死ぬなら誰かと死にたい。誰かのために死にたい。なにか理由を持って死にたい。
コンビニに行く道すがら、車に轢かれて死ぬなんて、凡庸で死にきれない。

だから今日も部屋にこもる。理由を探して。
この瞬間も怖くて震えているけれど、最善を求めて、いつかきっと誰かここから、連れ出して。

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