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2019.4.30 tue 平成最後の日のグダグダ

朝から雨だった。

中3の娘の部活の試合は延期になった。

高3の息子も小6の末っ子もグダグダしている。

これはとっても時間の無駄。

平成最後の日だけれど、天皇陛下の最後のお言葉の日だけれど、我が家は一刻の時間も無駄にはできません。

そこで、最近できたと噂の、隣の市にある巨大な図書館に行って、4人で勉強することにした。

高3と中3は受験生だし、小6もほったらかしていると一生ゲームかYouTubeなので、たまには本を読ませたい。

そして母である自分も、数ヶ月後に会社でTOEICを受けることになったので、勉強したい気分なのであった。

嫌そうな子供たちを車に積み、1時間かけてその巨大図書館に行ってみると、噂通り素晴らしい施設だった。

美しい建物にはずらりと本が並び、勉強スペースが何百席もある。1階にはスタバもあって、そこで買ったものを飲みながら勉強してよいのだそうであった。

うはうはと、4人を連れて席を探す。でも全然空いている席がない。さすがゴールデンウイーク。

ただ一ヶ所、ガラスの壁で仕切られたスペースだけ、空いているような席が見えた。

そこで、その入り口と思われる改札口のあるところへ行ってみると、なんとそこは、有料のスペースなのであった。

仕方ない、有料でもいいや。チケット買うぞ。

しかし、券売機には売り切れと書いてある。空いてるのに売り切れとは?

そこで、近くでパソコンをいじっていたスタッフに、すみません、チケット買いたいのですが売り切れと書いてある場合はもう買えないのでしょうかと声をかけた。

するとスタッフは、無愛想に、今満席なので、売り切れです。と言った。

誰かが出れば、買えるのですかと問うと、そうですね。と答えた。

時間は決まっているのですか、どれくらいしたら空くかとかは、お分かりになりますかと質問すると、いや、それはわかりません。とのことであった。

私は、困った。困ったが、せっかく来たのだからその辺で少し待ってみることにした。子供たちは、うんざりしていた。

そのあと何人かの人が来て、横のイスに座った。

よく見るとイスに番号が書いてある。

もしや!?ここに並んで座っていないといけないのか!?

するとその時、別のスタッフがおそるおそるやって来て、有料スペースの空きを待つ場合は、このイスに順番に並んで座ってくださいと言うではないか。やっぱりか!

その時すでにあとから来た3人が座ってしまっていた。かくかくしかじかなので前に入れて下さいと言うのも、今更後ろに並ぶのもバカバカしくなり、私はもう子供たち以上にうんざりして、これ以上ここにいることの方が時間の無駄だと判断し、家に帰ることにした。

帰りの車の中で、なぜ最初に声をかけたあのスタッフは、待つのならそこのイスに順番に座って待っててくださいと、一言教えてくれなかったもんかな?と、疑問に思った。疑問はやがて悲しみに変わり、悲しみはやがてむかつきになった。

あの人は人の心が欠如してるんだな。ペッパーの方がまだ親切だな。これだから役所の人はダメだと言われちゃうんだな。そう言っちゃってる自分も役所の人のはしくれだけど、誰かになんか聞かれたら、あの百倍一生懸命優しく答えてるけどな。一緒にして欲しくないな。ああいう対応まじ勘弁だな。全然席あいてないしほとんどゲームやってる奴に占領されてるし最悪だな。完全に時間の無駄だったな!二度と行かないからな!!

そう後部座席の子供達に毒を吐きながら、怒り冷めやらぬまま、猫砂を買うため帰り道にホームセンターコーナンに寄ったところ、レジのお姉さんが、「駐車券はございますか?」と聞いてくる。車に忘れちゃいましたと言うと、「1時間半までは無料ですが、あとからお待ちいただいても大丈夫ですので。」と、笑顔で教えてくれた。いつも当たり前のように享受しているその親切な対応が、その時の傷ついた私には、神のように見えた。

そのあとアイスを買いに行ったシャトレーゼのレジのお姉さんも、神のように親切だった。

この国のレジの人はみな、神だ。

ずっと何も感じていなかった当たり前のようなことが、実は神のようにありがたいことだったと気づき、私は突如として感謝の思いに満たされた。

そしてそのことに気づかせてくれたのは、あの親切心の欠如した図書館スタッフ!もしかしたらあの人も、形を変えた神の一部だったのかも。私にありがたみを理解させるために地上に舞い降りた。

なんてことを無理やり想像して怒りを鎮め、結局家に帰ってグダグダしながら、平成最後の1日の幕は降りた。

大きな時代の転換点にしては、驚くほど時間の無駄な、グダグダした1日であった。

でも、それも、平和で穏やかな時代ならではの、とても幸せなことなのかもしれないな、などと思ったりした。

#日記  #おかん日記 #三児の母



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