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(ノット) リフレイン

これで何度目のエンディング
最高傑作もいつか終わるのがドラマ
最期に感動とテーマだけを残して
心と記憶は途切れて置いてけぼり

いつかまた忘れちゃうのかなあ
なんて もうそんなの嫌なのに
また繰り返してる 懲りないな
永遠の縁ってどんなものなの

楽しい思い出 悲しい思い出
なんのためにあったの
感情さえ消耗品なんじゃないかって
皮肉なことさえ考えてしまうよ

けれど別れがあれば出会いもある…
だったらもう出会いたくないよ
そんなこと言ってもやっぱり出会いたい
それが君かもしれないし
君以上かもしれないし

ああ どこかで同じようなこと聞いたな
それだけ誰しもにあることなんだろう
だからって大人しく受け入れられないよ
またそうやって泣きながら眠る
記憶を片付けるふりしながら眠る



「また出逢えるよ 運命なら」
自分を慰めるように何度も唱える
そう信じて日々をやり過ごして
本当はまだ気持ちよくいたいだけ

「忘れていかなくちゃ進むために」
健気な言い聞かせ そんなのは嘘
街に出れば見覚えのある名前が
前を向くたび必死に微笑みかけてくるから

1ミリも忘れたくない 努力もしたくない
むしろ忘れてしまうのがこわい
けど進まなければ君はこない
記憶に囚われて化石と化しそう

君の想いに応えていればよかった
その懐に飛び込めばよかった
欲しかったもの未完成だけど
くれようとしてくれてた
つくろうとしてくれてた

「今はひとりでがんばりたいから」
その手振りほどいたあとに気づいた
ずっと求めていた待っていたのは
君だったこと
もう遅いだろうか



真夜中にひとり内緒の実験
君の歌ってくれた音源聴いて
君の歌声の記憶を上書き
うまくいったらそれでおしまい

だけど君の歌声消えない
あの日の笑顔の映像と焼きついて
離れない あの時生まれたデータは
二人でつくったオリジナルだった

思い出した君の言葉
「もう会えないと思ってる?」
耳の奥の奥のほうから声がする
いつもそっと語りかけてた


そばにいるよ そばにいるよ


ああ そろそろ新曲が出るね


忘れかけていたあの頃を
懐かしんでは消して日々を紡いでいたら
聞き覚えのある声また電波に乗って
「近ごろどう」って
ありふれたセリフで

何も変わってない 無用の心配だったって
気づかされてしまった ただ声が聞きたかった
君の声が あなたがいること確かめて
また次へ進むよ
そばにいる そばに


忘れた頃にまた新曲が出るだろう
その時には君ともまた逢えるね



#詩 #出逢いと別れ #恋愛

少し前に書いたものです。

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