〈それ〉がない日記④
20240117
濁点が落ちていた。乾いた洗濯物からハラリと落ちたのだろう。きっと、昨日の〈か〉に付いていたものに違いない。
今日は水曜日。もちろん仕事だ。スーパーカブに乗って出勤する。信号のつながりがよく、スムーズに職場に到着した。最近は夜に日記を書いているので寝不足である。
そもそもなぜこんな日記を書き始めたかというと、花村萬月さんの「たった独りのための小説教室」(集英社,2023)という本を読み始めたからだ。第2講の最後に「次の第3講を読む日まで最低一か月間、一日も休まずに虚構日記を書き続けることが最重要で」と書かれている・・・続きが読めない。第3講を読むためには、日記を書かねばならない。真面目な性格だ。
さて、眠い目をこすりながらの出勤だが、始まってしまえばスイッチは入る。「中央値」からデータを読むこと、「生き方」についての作文を書くこと、自由民権運動の高まりや安武はなちゃんの手紙、卒業式の歌・・・盛りだくさんだった。教室の雰囲気はとても穏やか。よい感じ。放課後は学年の先生たちと卒業式に向けた準備の話や評価の話をしていく。
一息ついてコーヒーを飲み、冴えたところで気づく、〈それ〉がない。どこだ。どこにある?職場の机の周りを探したり、今日通ったところを見てみたりするも見つからない。仕方がないので18時を過ぎたところで退勤。
駐輪場に停めてあるスーパーカブの前に・・・〈あ〉が落ちていた。
あった。ここにあったのか。朝からないとは思っていたけれど。バイクのスタンドを立てたとき、勢いあまって落ちたのだろう。雨が降っていない日でよかった。というわけで今日も安全に気を付けて家に帰る。禁酒デーの予定だが、あまりにおいしそうなおかずに我慢できず、2本あける。明日こそ禁酒。