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〔詩〕たそがれ

帰り道で不意に出会った
忘れていた懐かしい匂い
驚いて振り返れば
見知らぬ人が通り過ぎる

皮膚がピリピリと痛むのは
遅れてきた毒の効力
もう致死量にはほど遠い
でも免疫はまだ足りていないのか

ほんの一瞬足を止め
ひとつ大きく息を吐く

よし、毒は抜けた

このまま早足で帰ろう
私の帰るべき場所へ
スキップのように軽やかに
寄り道はせず真っ直ぐに



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