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バイデンは壁を完成させるべきだ

…さもなくば、次のトランプがやってくるだろう

ブレット・スティーブンズ(オピニオンコラムニスト)

 ここ数日で私が本紙で読んだ最も悲惨な記事は、先月に南カリフォルニアで起きた、国境の壁の裂け目をすり抜けてメキシコからやってきた、フォード・エクスペディションが起こした交通事故についての、ミリアム・ジョーダンによる記事であった。このエクスペディションは25人もの人々を満載し、サンディエゴの東110マイルを走る国道115号線でトレーラーに衝突した。

 「生存者のうち、次に何が起こったかを説明出来る者はほとんどいない」とジョーダンは書いている。「金属とガラスがバリバリという音、舗道を何十フィートも飛び越えていく死体。12人がその場で亡くなり、13人目は近くの病院で亡くなった」。

 ジョーダンは犠牲者や生存者の話を追っているが、彼らには胸が張り裂けそうな程の共通点がある。恐怖や欲望に駆られてメキシコや中米の故郷を追われた人々が、重大なリスクを冒し法外な金額を支払ってまで、米国に辿り着こうと必死になっているのだ。彼らはテロリストやギャングでもなく、ならず者でも利益を求めている人でもないし、法を犯すような人々でもない──米国の移民法に違反する意思があることを除けば、ではあるが──。彼らはアメリカン・ドリームを求める人々であり、我々の思いやりと尊敬に値する人々なのである。

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