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米国のアフガニスタン撤退が台湾にもたらすもの

2021年9月13日

オリアナ・スカイラー・マストロ
マストロ女史は中国の軍事・安全保障政策の専門家である。

 迫りくる中国による台湾への攻撃を恐れるべき理由は山のようにある。中国空軍の活動激化。米国防総省の高官による警告。中国が保有する軍の急速な近代化。習近平国家主席による言説のエスカレート。だが、最近の外交筋や軍事筋の熱狂的な議論にもかかわらず、米国のアフガニスタンからの撤退はその中には含まれてはいない。

 バイデン大統領のアフガニスタン撤退決定を批判する人々は、こうした行動は中国政府に弱みを見せることになり、彼らを刺激することになると主張している──中国が自国の領土と考えている台湾を攻撃するかどうか決断する際、米国はその戦争に粘り強く戦い抜くことなく、勝つつもりがないというメッセージを送ることになるというわけだ。

 しかし、現実には米国のアフガニスタンからの撤退は、中国の戦争計画者を躊躇させる可能性が高く、台湾への武力行使を促すものではないのである。

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