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中国に対抗して発言することの代償

by ジョエル・ガンター

先月、中国の強制収容所でレイプ被害や性的虐待を受けたと主張した女性達は、その後数週間にわたり、嫌がらせや中傷を受け続けている。人権団体によると、こうした攻撃は声を上げた人々を黙らせようとする、中国の積極的なキャンペーンの典型だとされている。


 ケルビノール・セディックさんが朝食を作っているとき、ビデオコールがかかってきた。その画面には彼女の姉の名が表示されており、彼女の胸中に緊張が走った。二人が話をしてから、もう何ヶ月も経っている。それどころか、セディックさんが中国に居る家族と話をしたのも、数ヶ月も前のことだった。

 セディックさんはオランダの仮設住宅に住んでおり、他の数名の難民(主にアフリカからの難民)と部屋を共有している。2週間前、彼女を始めとする4人の女性は、中国の新疆ウイグル自治区にある秘密の強制収容所における、レイプや拷問の疑惑についてBBCからの取材に応じていた。

 そしてキッチンにいる時、姉からの電話がかかってきた。

 彼女は応答をタップした。しかし、画面に映ったのは姉ではなく、彼女の故郷である新疆の警察官であった。

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