見出し画像

対テロ戦争の次に来るものは?対中戦争?

2021年9月7日

トーマス・L・フリードマン

 米国は20年間にわたりアフガニスタンにおける国家建設を試みて失敗し、撤退することとなった。そのことについて多くの米国人やアナリスト達は、「あの当時、こうなることが解ってたのなら、別の道もあったろう」と語り合っている。それが真実かどうかは解らないが、次のような疑問を抱かざるを得ない。今から20年経った後に、今日を振り返って「あの当時、こうなることが解ってたのなら、別の道もあったろう」と言われるような外交政策を、我々は今現在もしているのではないだろうか?

 私の答えは、『中国』の一言に尽きる。

 そして私の危惧は、わずか数行で要約できる。1979年から2019年までの40年間は、米中関係の新紀元であった。そこには大きな浮き沈みがあったものの、全般的には両国の経済統合が着実に進んだ画期的な時代であったと言えるだろう。

 このような米中統合の深化によって、世界経済のグローバル化は一層促進され、40年間にわたる世界の二大国間の相対的な平和を支えることとなった。しかし、忘れてはならないのは、大国間の対立が、非常に不安定な世界大戦の引き金を引きかねないということだ。

ここから先は

4,351字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

お布施をいただけると、生活が豊かになって、各務原夕の執筆意欲にいい影響を与えます