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バイデンのアフガンでの失態は、インドを痛めつけ中国を増長させる

米軍の撤退は、クアッドによる北京への圧力を弱体化させることになる

by Sadanand Dhume
2021年9月16日 午後6時47分(米国東部時間)

 バイデン大統領はアフガニスタンからの撤退が、中国との競争において米国を強化するだろうという賭けに出た。しかし、彼は重要な点を見落としているのかもしれない。今回の撤退は、アメリカのアジア戦略の重要な構成要素であるクアッドを脅かすものである。

 クアッドはアメリカ・日本・インド・オーストラリアの四ヵ国で構成されており、四年前に再開されたが、その背景には自己主張の激しい中国への懸念が存在している。9月24日、バイデン氏はこの四ヵ国の首脳が一堂に会する初の首脳会談を開催する。そのメッセージは明確であり、米国は他の民主主義諸国と協力し、中国の好戦的な態度に対抗するための準備を進めることにある。また、水曜日に発表された米国・英国・オーストラリアの三ヵ国による新たな防衛協定も、同様の意味を持っている。

 しかし、アメリカのアフガニスタンからの無計画な撤退は、クアッドを強化するどころか弱体化させてしまったかもしれない。アフガニスタンでタリバンによる支配が復活したことは、インドにとっては明らかに戦略的後退であり、少なくとも短期的には、タリバンの主な支援者であるパキンスタンにとっての勝利と言えるだろう。

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