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俺、このビットコインが2倍になったら結婚するんだ
「銀行さんが勧めてくれたのよ、高金利だから分配金で老後も安心だって」久々に帰った実家に、やけに銀行のノベルティが多い時点で嫌な予感がしていた。亡くなった父が遺した退職金は、三菱UFJ 新興国債券ファンド通貨選択シリーズ<トルコリラコース>(毎月分配型)となり、老いた母の生活を蝕んでいた。 https://t.co/b3yq2iAkyQ
— 窓際三等兵 (@nekogal21) December 10, 2021
「銀行さんは悪い人じゃないのよ。私が馬鹿だから、よく分からないのに買っちゃって…」この期に及んでも尚、購入手数料3.3%、信託報酬年1.672%で設定来の12年間で基準価格が88%減の投信を売りつけた銀行員を庇う母を見て、すべてを理解した。地方で一人、孤独な母の話し相手は銀行員だけだったのだ。
— 窓際三等兵 (@nekogal21) December 10, 2021
仕事が忙しいから、子供の受験があるから…言い訳をしながら、実家から足が遠ざかっていたのは事実だ。気丈な母のことだ、寂しさを口に出せず、世間話の相手になってくれた銀行員に言われるがままに、投信を買っていたのだろう。毎年のノルマに追われる若い銀行員の事情を知っていたのかもしれない。
— 窓際三等兵 (@nekogal21) December 10, 2021
「母ちゃん、ごめん…」涙が溢れる。idecoと積立NISAでノーロードのインデックスファンドを積み立て、住宅ローン減税で資産価値のあるタワマンを購入。日々の生活でクレカのポイントを貯めつつふるさと納税もフル活用する自分は賢いと勘違いしていた。本当に大事なものが何か、気づいていなかった。
— 窓際三等兵 (@nekogal21) December 10, 2021
一時は恨みもしたが、今となっては銀行には感謝をしている。クソ投信のおかげで、家族の絆に気づくことができた。ありがとう、投資信託。ありがとう、三菱UFJ国際投信。老後の2000万円問題は君たちに任せた!(完
— 窓際三等兵 (@nekogal21) December 10, 2021
めっちゃ伸びてて草。違うんだ、ワイはemaxis slimで低コストの投信を積み立てていた主人公が母親を救う、投資信託で傷ついた家族の絆が投資信託で再生する非陰湿金融文学を書きたかったんだ。でも昼飯食ってた店が混んできたから…。まあ皆も帰省したら親が変な金融商品押し込まれてないか確認な!
— 窓際三等兵 (@nekogal21) December 10, 2021
あとがき
日本銀行によると、2021年9月末時点の家計の金融資産は前年同期比5.7%増の1999兆8千億円で過去最高を更新した。一方、内訳をみると現金・預金が1072兆円と、実に53%が現預金で占められているとのこと。「貯蓄から投資」という政府の掛け声も虚しく、日本人の現金志向が依然として根強いことが分かる。
光明がないわけではない。若年層を中心に資産形成への関心は高く、つみたてNISAの口座数は21年3月末に361万口座と、順調に増加を続けている。三菱UFJ国際投信が提供するeMAXIS Slimシリーズのように、低コストの投資信託が増えていることも大きな追い風だ。米国や英国に比べ不十分ではあるものの、日本に投資の文化を根付かせようと各種制度を揃えた金融庁や、手数料競争に取り組むネット証券を含め、関係各位の不断の努力に敬意を評したい。
しかし、これだけ資産形成の間口が広がったにも関わらず、多くの日本人は投資という行為に懐疑的な視線を向ける。その最大の理由が、銀行や証券会社による強引な勧誘が原因であることに疑念の余地はない。上記の「三菱UFJ 新興国債券ファンド通貨選択シリーズ<トルコリラコース>(毎月分配型)」をはじめ、金融リテラシーがない高齢者をはめ込む気満々で設定された金融商品が市中には数多く出回っており、退職金や相続で小金を得た人々が営業トークに転がされて身ぐるみ剥がされているのは紛れもない事実だ。
日本人の資産形成を助けるべく1銭でも信託報酬を下げようと努力を続ける一方、会社として利益を得るために1円でも多く搾り取ろうとする信託報酬を乱造する。我が国の金融機関の抱える矛盾を体現した三菱UFJ国際投信で、新入社員S君がどのような成長を見せてくれるのか、目が離せない。
はじめまして!新入社員Sと申します。
— 三菱UFJ国際投信 (@am_mufg_jp) May 27, 2021
この度、Twitterに新たに参加させていただくことになりました。
普段は見るのが専門でほとんどツイートはしたことがない初心者なので、皆様、色々教えてください!、全力で頑張りますので、よろしくお願いいたします。 https://t.co/XgOHbcwk02
ちなみに個人的にTwitterを見ていて感じるのが、我が国における投資観の歪さだ。知識もないのに不動産投資に全ツッパしたり、個別株の信用取引や仮想通貨で大きく当てたり人に脚光が当たり、塀の上を全力疾走している仕手師のような輩ばかりが悪目立ちする状況は我が国の金融市場にとって好ましい状況だとは言えないだろう。
そもそも、素人がTwitterをみて真似できる程、投資というのは甘い世界ではない。仮に草コインで億った羽振りの良い若者がいたとしても、それは「全財産を競馬に投じたら万馬券あたって億万長者になりました」と同レベルの話であり、そこに再現性はない。投資勧誘に至ってはほぼ詐欺だ。個別株にせよ市場平均を安定してアウトパフォームするのは至難の業であり、あくまで趣味として余剰資金でやるべきだ。いくらここ数年で右肩上がりだったとはいえ、子供の将来の学費をNASDAQ連動のレバレッジ投信に投じるようなギャンブルは投資とは言わない。
プロと比べ、得られる情報の質・量とも遥かに劣る一般人が取るべき戦略はイチかバチかの賭けではなく、退屈な積立であるべきだ。具体的にはideco(会社によっては確定拠出年金)とつみたてNISAを夫婦で拠出金いっぱいやって、年間100万ちょいを全世界株式や全米株式、年齢によっては債券も入れたバランスファンドでも積み立てておけば、老後の2000万円問題なんてもので悩まされることはないだろう。(※ディスクレーマー、NISAに課税すると主張する無能政権が誕生した場合はその限りではない)
インデックス投資についてはあまりに巨大になりすぎて市場の歪みを作っているなど否定的な意見もあるが、凡人目線で見ればこれほどありがたいものはない。理論的な部分については、以下で紹介する本を1冊でも読めば、理解できるだろう。時代を超えて読み継がれる名著というのは理由があり、その輝きが色褪せることはない。
「140字を超える文なんて読む気がしない」というものぐさな方には、以下の漫画をお勧めしたい。上記の2冊のエッセンスを噛み砕いてペースト状にして老人ホームの高齢者向けの流動食にしたような代物だが、高校生への金融教育という観点ではこの一冊で十分なんじゃないかという気がする。ちなみに個人的に世界で最も理解できない人種がインデックス投資クラスタで、あんな退屈なものでブログを何年も更新し続けたりイベントを開催したりと、狂気しか感じない。(褒めている
繰り返しになるが、凡人にとっての投資とは退屈なものであるべきだ。毎月自動引落で積み立てて、半年に一回残高を確認する程度が理想なのではないか。人生では結婚や子育て、住宅などリスクを取る場面はいくらでもあり、わざわざ資産形成で勝負に出る必要はない。
ということで、三菱UFJ国際投信様におかれましては、今後も高齢者から搾取しながら投資信託の低コスト化を進め、若年層に対する啓蒙活動に勤しんでもらいたいものである。しかしエリサーであるS君が仮想通貨にどっぷりハマって借金をこさえ、帝愛の地下施設で働くようになる様子を見たくないと言ったら嘘になる。人の心とは難しいものだ。
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