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満ちてゆく

大学の友達とスタジオジブリ作品「海がきこえる」をみた。
渋谷の映画館「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」で期間限定の上映。

ジブリ作品は好きだけど、「海がきこえる」はテレビでの放映も少なく、
みたことがなかったので、とても楽しみだった。わくわく。

今の時代、アマプラなりNetflixなりで、気軽に映画がみられる時代。
(私はどちらも入っていないけど・・・。)
でも、やっぱり、映画館のふかふかした座席に座ったときのわくわく感、高揚感、空間に包み込まれるような安心感。
これが好きなんだよなぁ。

主人公の杜崎くんと同じように武藤里伽子に翻弄され、振り回され、
あっという間の72分。
濃い時間だった。エンドロールが終わったあとの余韻が大好きで、すぐには立ちたくない。


映画館を出ると、雑多なまち渋谷。
渋谷は滅多に行くこともなく、人が多く、心がざわつく。わさわさ。

落ち着いた喫茶店ないかな~と探していたときに
「茶亭 羽當」という純喫茶と出会った。
コーヒーや紅茶などの飲み物は1000円程度のものが多く、価格だけ聞くとハードルが高い。

けれど、いざ入店し滞在すると、1000円以上の価値ある空間・時間が広がり、私の気持ちは幸せでいっぱいになった。

数多くの個性あるマグカップ、風情ある季節のお花、アンティークなインテリア。決して敷居が高すぎる空間ではなく、ラフに友達と話せる雰囲気も持ち合わせている。一つひとつ丁寧に淹れられていくコーヒーたちに、友達も私も夢中だった。


映画館も純喫茶も、私にとって心が満たされていくたいせつな場所。

「映画をみる」「コーヒーを飲む」といった行為だけではない。
スクリーンに吸い込まれていく感覚、劇場の照明が暗くなり映画がはじまるわくわく感、丁寧に淹れられたコーヒーの香り、喫茶店にいる様々な人のたたずまい。
心地いいものを、五感で感じる時間ってなんて贅沢なんだろう。

友達と電車でばいばいして、今いちばん大好きな曲、風さんの「満ちていく」を聴きながら家に帰った幸せな日。


2024/3/28


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