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猫足三粒のこうち旅ー2・室戸市ー

 室戸市は東洋町の南部に位置し、室戸岬やジオパーク、それに全国的に有名になったむろと廃校水族館などが観光施設としてある。ワタシたち家族は観光施設ではなく、「ディープな場所」を探索するのが使命であるため(?)、今回はサツマイモで有名な「西山台地」を見学することにした。

 だが、この西山台地。地図にもはっきり載っていない上、いつ行っても辿り着けないのだ。「西山台地のサツマイモ」といえば結構なブランドなのに、なぜか?ともかく、それらしい方角を目指してクルマを走らせた。

 しばらく山道を進むと集落に突き当たった。ここが西山台地か?それにしてはイモ畑が見当たらない。偶然草刈りをしていた地元の人に尋ねると、ここは西山台地とは全く違う場所だとのこと。路地に入ると帰れなくなるよと言われ、正しい道を教えていただいた。

 2度目の正直で、教えてもらった目印を頼りに進む。ところが、いつまでたっても台地が見えて来ない。またもやワタシたちは西山台地に拒まれたのだ。なぜこんなに分からないのか、何らかの理由があるに違いない。諦めかけたその時、ようやく西山台地の看板を見つけた。

 なぜこれを見落としていたのか不思議なほど、立派な看板である。案内図に従って山道を上ると、一気に辺りがひらけた。見渡す限りのサツマイモ畑!我々一行はついに、西山台地へ辿り着いたのである。

 畑はすでに収穫された後で、もぬけの殻(?)。コンテナに山と積まれたサツマイモが眩しい。直売所でも無いかとウロウロしていると、大層立派な高架橋に行き当たった。舗装ガタガタの道から、急に2車線の綺麗な道路である。誰も通っていない高架橋。高さは100mを超えるんじゃなかろうか。そこからの眺めは絶景中の絶景だった。実に素晴らしい「映えスポット」である。これは新たな発見だった。

 西山台地からの帰り、地元の人に話を聞いた。例の高架橋、実は造られたことを公にしていないらしい。「それがよ、〇〇に橋があるろう?あれが出来てから3人が飛び降りたわね。それがあるき、あそこの橋は出来たことを伏せちゅうがじゃ。」それを聞いて、なんだか背筋がスーッと寒くなった。西山台地が人を寄せ付けない理由はこれだったのか?

 結局目当てのサツマイモは買えずじまい。次も西山台地に行き着ける自信は、無い。


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