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「変な家」雨穴

建築好きから、タイトルと表装を見て読んでみた。

 フリーライターの筆者が、知人から中古の戸建て物件の購入にあたり、間取りが気になり相談されることからストリーが始まる。台本のような構成で、読みやすかった。

 筆者が、間取りをホラーとミステリー愛好家で設計士の栗原さんに見せて相談する。栗原さんの間取りから浮かび上がる仮説を追う展開で、元住人の関係者が現れる。3つの変わった間取りから殺人事件の仮説が膨らんでゆく。
 片渕家の本家と分家の確執から生じた怨嗟。擦り込まれた左手首の呪いの掟。元住人の母親である喜江さんのもとを訪れ、悲しい真相にたどり着くが・・・栗原さんの仮説ではもう一つの怨嗟の伝承があったのかも。

 さらりと読み流せた。意外な展開と結末でふっと息つく。間取りと家という血族の強い思いからなる構成には、世界観に距離を感じてしまった。

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