[木挽町の仇討ち]永井紗耶子

今日読み終えた。関係者5人の語りと、最終章の主人公の話しが加わり全てを繋げ完結する。流れるような文章が清らかすぎて、2章位まで物足りなさを感じていたが、後半に至り心に沁みる。出自は人生の所与。自身の人生を如何に生きるか。芝居小屋に流れ着いた5人の [来し方]生き方が語られ、主人公の菊之助へ寄せる人情模様。武士を貫いた菊之助と、武士を捨てた与三郎と篠田金治。人は流されることに悩み、ふとした瞬間に、[行き方]生き方を見つけるのではないか。心通わせる徒を得て。

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