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【ボドゲ自作体験記】キャリアポーカーが出来るまで(中編)

こんにちは、Nekoaceです。

前回に引き続き「キャリアポーカーが出来るまで」残していきますね!

(前編) → 09.【ボドゲ自作体験記】キャリアポーカーが出来るまで(前編)|nekoace (note.com)

(後編) → 11.【ボドゲ自作体験記】キャリアポーカーが出来るまで(後編)|nekoace (note.com)


全体観の振り返り

振り返りです!前回出したのと同じ図ですね。
今日はTopic②について。

Topic② リモート時代のボドゲ開発

今日の主題はこちらです。
キャリアポーカーは製作開始が、2022年6月ですので、対面での打合せは当然ながら限定されました。
こういったアナログゲームは実際に作ったものを手で触りながら開発進めるのが王道だと思うのですが、我々はオンライン中心で製品化まで漕ぎつけました。そのあたりのリアルなところをお届けできればと思います。

試作品(MVP)はトランプで

MVPという言葉、新規事業界隈の方はご存じかもしれません。Minimum Viable Product(必要最低限の機能を備えた試作品)のことです。
(MVP:最優秀選手、は関係ありません…)

我々のケースでは、最初期はパワポで作った簡易デザインを印刷/切り出してトランプにカードスリーブ(保護袋)で重ねて入れて試作品にしていました。↓これね。

このやり方はつくるばさんの考案で進めましたが、ボドゲ界隈では良くやられる方法のようで、非常に良かったです。
我々の場合はオンラインなので、つくるばとNekoaceそれぞれがこのやり方で試作品を作りました。

土曜日11PMから始める深夜のお楽しみ

試作品が出来たところでテストプレイです。
立ち上げメンバーの4人は全員関東圏内在住ですが、居住地が3都県に渡っていてとても頻繁に会える距離ではなかったです。そこで、上記試作品を使ってオンラインでのテストプレイを中心にしました。

さらに30代子育て世代…仕事の合間を縫いながら、子供が寝付いてからのプレイ開始となるとどうしても時間帯が限られます。

そこで落ち着いたのが、土曜日の11PMから翌1AMまでの深夜の二時間

Nekoaceは金曜日の仕事帰りに、必要十分なビールとつまみを買い込んでテストプレイに望みました(笑)。

試作品と言えど自分で作ったルールでゲームが進行するのは格別の嬉しさがあります。そして実際にプレイしてみるとやはり改善点だらけでそのたびにルールブックを見直していきます。
このルール変更はファイルの履歴を数えると26回。これにデザイン変更などが別に乗ってきます。

ルール変更で大きかったのは例えば役職表
キャリアポーカーは経営や研究といったキャリアのカードを集めて適切な役を作るのですが、この時に2つの企業でカードを分けています。これは1つの会社で勤め上げるキャリアと、2つの企業で経験を積むジョブホッパー的キャリアを表現したかったからです。
当初はこれらで役職表を分けていましたが、どうにも分かりずらいし役が覚えられん(笑)ということで1つの表に集約するということをしました。
結果的にルールはシンプルになったのでこれで良かったです。

改定前の役職表、三山に分かれていて煩雑…
改定後の役職表。ちょっとシンプルになったかな?

あとはカードの枚数も改定を追って段々削減していきました。
例えばゲームの中で自分に有利な効果を持つアビリティカードがあったのですが、最初のころはこのカードを考えるのが楽しくて20枚くらいありました。で、テストプレイしてみると、手札6枚の中にアビリティのカードが4枚ある、みたいなことが頻発しました。アビリティの数が多すぎるんです…汗。これでは一番大事なゲームの役作りができないことに気付きまして、厳選を重ねて最終的にアビリティ8枚とイベントのカード3枚、という形に落ち着きました。

カードのほかにも初期はプレイマットの販売も検討してました。こちらは、役のメモの意味合いもあったのですが、サイズが大きいのと複数枚箱に入れるとなるとまず入らないということでお蔵入りに…

想定してたプレイマット

テストプレイは、できれば毎週、最低隔週で半年以上継続、回数にして20回ほど行ってルールの改定を行っていきました。
いつの頃からかテストプレイがデザインの議論やゲムマの準備に代わっていきましたが、時間帯は変わりませんでした。

白熱するキービジュアル論争

もう一つ、ゲームルールの変遷に続いてデザインの変遷です。
前回もご紹介した通りデザイナーは以下のお二人

たけ@グラレコ(@takeshi5791)さん / Twitter
やまなべ しろ(@graphic_shiro)さん / Twitter

大変良いデザインを書いていただきましたが、デザインも一時期かなり揉めました…

最初デザインをお願いしたときは、キャリアポーカーのチーム側がどうやって絵のイメージを指示したらいいかが分かりませんでした… そもそもデザインってどういう手順で書くのか分かってなくて、仕事で図面引くときには、寸法公差出すわけですが、そんな明確に要求出せないのでどうしても近いイメージのカードゲーム持ち出してこれをもうちょっと明るい感じで…とか言えなかったんです。
そんな曖昧な要求に対して最初にたけさんが書いてくれたキャリアカードのイラストがこちら。

最初期のキャリアカードのデザイン

結構いいですよね!初回の打ち合わせの時にこんな感じですかねーといってすらすら書き出した時にはすごい人種がいるもんだと感動した覚えがあります。
キャリアカードはこの時の初期稿を踏襲した感じで進みました。最終イメージは本記事サムネの通り素晴らしい出来!

次、アビリティカードとイベントカードです。こちらは主にやまなべさんに書いて頂いたのですが、キャリアカードと比べるとさらに要求があいまいにならざるを得ず…以下のようなイメージをキーワードで伝えて、いくつか試作のデザイン頂いて擦り合わせていったイメージです。

こちらは、公開していないデザインも幾つかありますのでぜひ購入してご覧ください!

アビリティカードのデザインイメージと試作デザイン

もう一つ、重要なデザインがキービジュアルです。要するに箱の表紙ですね。
これも最初はNekoace作デザインからスタートしました。↓これ。

表紙デザイン初期稿:Nekoaceデザイン

これね、こんなクオリティでも結構時間かかったんですよ。元々のフリー素材加工して色彩反転していい感じにトリミングする。
パワポで作るとこれでも3時間くらいはかかってる…

で、流石にこれじゃまずくないか……?という空気感をピリピリ感じていたのでこちらもお二人にデザイン依頼。

以下のようにいくつかイメージ出してやはり試作品作ってもらいながら進めました。

キービジュアルデザイン推敲

最終的にいろんな方の意見を取り入れながら作った最終稿がおなじみのこちらです。

これはもう文句なし、素晴らしい出来でした!

キービジュアル最終稿

これは気に入り過ぎてその後Tシャツも作りました!
一般販売してませんけど…

さて、最後に重要なところですが、デザインに関してもこのように色々と試行錯誤していましたが、デザインのお二人と対面でお会いしたのはゲームマーケット当日(!)でした。
やはりZoomの打合せは10回以上と、普段はSlack上で擦り合わせていましたね。こちらは本当にオンラインで完結しました。

Topic②のまとめ

さて、テストプレイによるゲームルールのアップデートと、デザインの変遷についてまとめました。

リモート時代は確かに色々と難しいところはありますけれども、重要なのはいかにコミュニケーションを密に取っていくかです!対面で会えなくても、打合せの回数を増やして、Slack等チャットツールで通勤時間にToDo確認して進めていけば物事は着々と前に進みます。そんな当たり前だけど忘れがちなことを再確認できた経験でした。

それもこれもキャリアポーカーというプロジェクトを見切り発車でもスタートしたから!

何事も始めてしまえばそれに合わせて物事は進むものです。
ゲーム制作、とても楽しいので皆さんもぜひ!

キャリアポーカーってどこで買うの?

さて、前回と同じくですが、キャリアポーカーの宣伝です。

ゲームシステムは、麻雀?というか、ポーカー?というか、経営から研究までのキャリアにまつわるカードを引いて集めて捨てて狙いの役を作っていきます。キャリアの他にも「突然の辞令」発令!とか「未曽有の不景気」とかイベントが起きたり、「語学留学」したり「ヘッドハンティング」されたり様々な苦難を乗り越えながらより高い役職を目指していくパーティゲームです。
ご家族や友人と余興で遊んで盛り上がれるゲームに仕上がっている自信作です。以下BOOTHサイトで販売中です。販売は在庫限りとなりますのでお早めにどうぞ!

以上、宣伝でした。
また次回お会いしましょう!

(前編)    (後編)

Nekoace

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