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PENTAX 645Zを買った話

 そういえば、私(@neko_ptx)は2023年1月に中判デジタル一眼レフ機のPENTAX 645Zを買った。2022年の末に書いた「来年欲しい機材」には記載していなかったもので、要は衝動買いである。

PENTAX 645Z + smc PENTAX-FA645 400mmF5.6ED[IF]
ISO 200, f/5.6, 1/400 s, -1 EV, 400 mm

 とはいえ、初めての一眼レフ機としてAPS-C機を選択した時から、いつか中判に手を出すことは考えていた。状況に応じて適するカメラが変わることは自明であり、様々な写真が撮りたくなれば、複数の機種を使うこともあるだろう。APS-C機の他にカメラを持つとしたら、特性が大きく変わる中判機を選ぶのが面白いのではないかと思っていたのである(大判機は流石に使うのが大変だ)。10年ぐらい経ったら検討しようと、ふんわり考えていた。

PENTAX 645Z + smc PENTAX-FA645 Macro120mmF4
ISO 1000, f/5.0, 1/50 s, -1 EV, 120 mm

 ところで、東京の四谷にはPENTAXクラブハウスというサービス拠点がある。「レンズバー」という、レンズやカメラをお借りしてその場で試し撮りできるサービスがあり、私の職場から昼休みに往復できる距離にある。ある日、レンズバーで645Zも体験できるという話を耳にして、翌日の昼休みにフラっと訪問したのが運の尽き。気が付いたらその場で新品ボディキットを注文していた。

PENTAX 645Z + smc PENTAX-FA645 200mmF4[IF]
ISO 8000, f/4.0, 1/250 s, -1 EV, 200 mm

 仕方がないのだ。手に馴染む深いグリップ、両手で構えた時にスッと軽く感じる重心、広々とした光学ファインダー、軽やかに響き渡るシャッター音、美しい描写。GFX各機も結構な時間店頭で触ったが、こちらのほうがどうしようもなく好みだ。値下げされたタイミングだし、ディスコンになってから買うのでは遅い。サービス期間をフルに活用できる、今、この時が最善だ。ちょうど、2022年11月に開発中であることが発表されたモノクロ機用に準備していた予算があるじゃないか。いいじゃないか。そういうわけである。

PENTAX 645Z + smc PENTAX-FA645 400mmF5.6ED[IF]
ISO 2000, f/8.0, 1/400 s, -1 EV, 400 mm

 さて、645Zが手元に届いて3か月が経過したが、買って本当に良かったと思っている。カメラそのものの優れたレビューはネット上にたくさんあるので、気になる方は調べていただきたい。

PENTAX 645Z + smc PENTAX-FA645 75mmF2.8
ISO 400, f/11, 1/1600 s, -1 EV, 75 mm

 PENTAX 645Zを買う上で強力なメリットは、フィルム時代のFA645レンズという資産がそのまま使えることだ。FA645レンズは状態のいいものが、大半が安く(捨て値で)中古で手に入り、その一部は645Zで使っても優れた描写をすることが知られている。私は以下の4本を使っているが、どれもおススメできる。特に75mmは純正のラバーフードと合わせて非常におススメだ。軽量、コンパクトで写りが良い。マウントアダプターを介してKマウント機で使うのも楽しいレンズだ。

 写真レンズ工房さんという「早い・安い・ウマい」を体現したお店がFA645レンズの修理を幅広く受けてくれることも心強い。一度上記の4本のオーバーホールを依頼したのだが、いずれも完璧な状態になって帰ってきた。FA645レンズの性能と価格をもってすれば、35mm判より安くシステムを組めるかもしれない。もちろん現行のD FA645レンズとDA645レンズも素敵であることを言い添えておく。それなりの値段がするが、耐候性と最高の描写性能が得られるだろう。

PENTAX 645Z + smc PENTAX-D FA645 55mmF2.8AL[IF]
ISO 100, f/2.8, 1/500 s, -1 EV, 55 mm

 というわけで、2022年の末に立てた「できるだけ機材を買わない」という目標は、2023年の1月にして木っ端みじんとなった。そういえば、件のモノクロ機(PENTAX K-3 Mark III Monochrome)が4/28……あと数日で発売される。予算を流用したはずなのに、直販限定のマット塗装モデルが手元に届くことになっている。一体どういうことなのか、私にもよくわからない。カメラ・写真って楽しいね恐ろしいね。さあ、お金を使ったぶん、お仕事頑張ろう!