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ラスト・マイライフ「就活生・木村佑樹」

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人生最後の時。あなたは、生きる猶予を与えられた。 就活生の主人公・木村佑樹は、あることをきっかけに命を落としてしまう。限られた時間の中で、彼が取った行動とは。
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「就活生・木村佑樹⑨【完結】」

 リビングに着くと、僕が部屋の整理をしているうちに帰ってきた父が、先に夕食を食べていた。…

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「就活生・木村佑樹⑧」

 辺りは暗くなり、家々の灯りがついており、家族団欒としている様子がわかった。そんな中、僕…

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「就活生・木村佑樹⑦」

 時刻は17時。僕とお婆さんは、駅に向かって歩き始めていた。すれ違う子ども同士は、さっきま…

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「就活生・木村佑樹⑥」

 午後3時。僕は、家へ帰るために駅へと向かった。大学の最寄り駅から、家の最寄り駅まで約3…

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「就活生・木村佑樹⑤」

 40分後、大学の最寄りの駅に到着。黒服3人集と改札口を出た。正門には、学生がちらほらい…

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「就活生・木村佑樹④」

「ありがとうございました」 10分後、会議室から挨拶をする彼女の声が聞こえた。面接が終わ…

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「就活生・木村佑樹③」

 扉の先は、最寄り駅の目の前へと繋がっていた。時刻は乗る予定だった電車が発車する2分前。 「よし、何とか間に合ったな」 鞄からICカードを取り出し、改札口へ向かおうとした、その時だった。肩をトントンと叩かれた。 「誰だ?」と振り返ると、そこには黒服3人集の姿があった。 「そうか、僕の後に付いてくるんでしたね」 「もちろんだ」といった感じで、まるでSPかのように自分の周りを囲った。 「それ、僕が事故る前にやってほしかったな…」と呆れる自分。しかし、こんな変な3人集がいるのに、周

「就活生・木村佑樹②」

 今日は雲ひとつない晴天だった。5月中旬というのにも関わらず、暑く感じた。おそらくスーツ…

一期
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「就活生・木村佑樹」①

第1話 【いい日は幾らでもある。手に入れるのが難しいのはいい人生だ】 アニー・ディラード…

一期
6年前