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【タロット】信じる心に救われ、救い続けた司祭『魂物語Vol.3』

プロローグ ~『魂物語』とは?~

「前世のあなた」から「現世のあなた」へと伝える、魂の物語

一説によると、私たちの魂は何度も転生を繰り返しているそうです。
“前世(ぜんせ)とは、ある人生を起点として、それより前の人生のことを指す。”
(『ウィキペディア(Wikipedia)』より)
もし、魂が何度も転生を繰り返すのなら、私たちはいくつもの前世を経験していることになります。

『魂物語』はタロットで紡ぐ、「前世のあなた」から「現世のあなた」へと伝える魂の物語。

幾度も転生を繰り返す魂に刻まれた、記憶や想いの“欠片(かけら)”たち。
それをタロットで紡ぎ、物語調に表現したものです。

その目的は、「前世を知ること」ではありません。
そもそも「前世が本当に存在するのか?」という問題ですら、重要ではありません。

何よりも大切なのは、現世を生きる今のあなた自身です。
あなたの『魂物語』を通して……

自分の人生を見つめ、より自由に自分らしく生きること。

そのための気づきやキッカケの一つとして、活用していただけたら、とても嬉しく思います。

(※私の『魂物語』は、占いでも前世療法でもありません。
タロットカードのリーディング結果を物語調に表現した、エンタメ系のコンテンツです。)




あらすじ

時代は16世紀、場所はイタリア北部の山間にある小さな村。
そこに唯一ある古い教会の司祭が、あなたの前世だったようです。
司祭は信仰心が篤いだけでなく、その人徳からも村人たちから尊敬され、大変慕われていました。

しかし、当時の村はとても貧しくて閉鎖的。
しかも科学技術や医療も未発達な時代であり、日々襲いくる理不尽な出来事に、村人たちは翻弄されて、ただ神に祈るしかありません。

疫病、自然災害、不作、貧困……
教会にいる司祭の元には、毎日のように村人たちの悲痛な嘆きが届きます。
そんな彼らに対し、司祭は一緒に神へ祈りを捧げることしかできませんでした。

村人たちの祈りに応えられない、無力な自分。司祭としての立場や責任。
それらが見えないしがらみの鎖となって、司祭をこの地に縛り付けます。
しかし司祭はいつの日か宣教師となり、村を出て極東へキリスト教を広めることを夢見るようになりました。

けれど結局、司祭は貧しい村で一生を終え、宣教師になることはありませんでした。
なぜなら彼は、しがらみと感じていたものが、かけがえのない絆であることに気がついたのです。

それに何より、司祭は生まれ育ったこの村と、共に暮らしてきた村人たちを心から愛していました。
彼らを置いて、生きているうちに伝導の旅へ出ることは、できなかったのです。

前世のあなたが、現世のあなたに伝えたいこと。
それは、自分や人を心から信じること。
疑いを持たずに、ただ真っ直ぐと。
何かを信じる心は、孤独な暗闇をも照らす、救いの光になるから―――と。

そして、調和を大切にすること。
自分にとっての“心地良い”を見つけ、調整するのです。
過剰に求め過ぎず、不足を嘆かずに。

無いものねだりをするのではなく、今あるものに感謝して満たされましょう。
妥協するのではなく、頭を使って工夫するのです。
つまり、柔軟な思考と応用力を発揮することです。

穏やかな心で日常を過ごすためには、他人と比較して一喜一憂したり、無闇に焦ったりしないこと。
ピアノを調律するように、感情も調整すれば、あなたの心は調和したハーモニーを奏でるでしょう。

と、伝えてくれています。




第1章 前世のあなた

新天地を夢見た心優しき司祭

16世紀、イタリア北部の小さな村にある古い教会。
そこには、貧しいながらも信仰心が篤く、村人たちから慕われる司祭がいました。

司祭が勤める、村に唯一ある教会。
そこには、カトリックの総本山・バチカンにあるシスティーナ礼拝堂には遠く及ばないものの、『最後の審判』を模写した壁画があることが自慢でした。

「神よ、今日も無事に一日を終えられたことに感謝します。アーメン」

壁画の前に鎮座する、磔にされたイエス・キリストの銅像。
その前に跪いて、司祭は本日最後の祈りを捧げます。
彼がこの教会の司祭になって、30年余りの間、一日たりとも祈りを欠かしたことはありませんでした。

信仰心が篤いだけでなく、心優しくて誠実な人格者でもあった司祭。
そんな彼の元には、多くの相談事や悩み事が寄せられます。
それらに対し、司祭は一つずつ心を砕いて、真摯に向き合いました。
敬虔なる信者の一人として、迷える信徒たちを救ってきたのです。
キリスト教の教義に従って方向性を示し、彼らを精神的に導いてきたのでした。

そんな司祭の胸の内には、神にしか明らかにしていない、憧れにも似た夢がありました。それは―――

「私はもう若くはないし、この村を愛しています。
でも、もし叶うことなら……。
私はキリスト教を伝導するためにイタリアを出て、極東の国へと向かいたいのです。
神よ、あなたは私がこの教会の司祭から、宣教師になることをお許しいただけますか?」




第2章 前世で学んだこと

時に祈りは、しがらみになりて

貧しくて小さな村にある唯一の教会の、たった一人の司祭。
敬虔なるキリスト教信者たちにとって、司祭は精神的な支柱でした。
ましてや司祭が生きた頃は、科学技術や医療も未発達だった時代。
神に祈るより他ない場面は、少なくなかったのです。

「司祭さま、うちの女房の病気が一向に良くならないのです……」
「司祭さま、今年も小麦が不作で、この冬を越せるかわかりません」

教会にて、涙ながらにそう訴える村人たち。
彼らに対し、司祭は心を痛めながらも
「共に神へ祈りましょう。神は必ず、私たちを救ってくれます」
と、沈痛な面持ちで励ますしかありませんでした。

ある夜、教会の懺悔室にて。
司祭はたった一人で、神に懺悔していました。

(私が宣教師に憧れる、本当の理由に気がつきました。
私は、この村の司祭という立場やしがらみから、逃げたかったのです。
村人たちの祈りに応えられない、無力な自分から目を背けたかった……
司祭の責任から逃れて、自由に布教したい―――
それが、宣教師になることを夢見た本当の理由だったのです)

しかし司祭は結局、生涯に渡って村から出ることはありませんでした。
無理にでもしがらみを断ち切り、村を出ていくこともできましたが、司祭は敢えてそうしなかったのです。

その理由は、村人たちの司祭を慕う気持ちと、司祭が村を愛する想いが“しがらみ”ではなく、大切な“絆”であると気づいたからでした。
絆を受け入れた司祭は、旅する宣教師ではなく村の司祭として、その人生を全うしたのです。




第3章 前世で学べなかったこと

夢にまで見た旅立ちの空

司祭がその人生を全うし、天国へと旅立つ前夜。彼は、ある夢を見ます。
夢の中の司祭は、今の年老いた自分ではなく、なぜか青年の姿に若返っていました。

司祭は一瞬、不思議な感覚に襲われましたが、これは夢だとすぐに理解すると、
「私は遂に、キリスト教を伝導するため、極東へと旅立つのか……!」
喜びに震え、興奮に満ちた声で、そう言いました。

夢の中の司祭がいるのは、これから“黄金の国”と呼ばれる極東を目指す船の上。
そこには、何ヵ月にも渡る船旅に備え、たくさんの食糧などの積み荷が積まれています。

当時の航海は、危険と隣り合わせの命懸けの旅。
もう二度と、この地に戻って来ることは、叶わないかもしれません。
それでも司祭―――否、宣教師の心は、理想と情熱に燃えていました。

(私は必ず、キリスト教を極東に広めるという使命を果たしてみせる!
そして、世界平和という理想を叶えるのだ!!)

目の前に広がる光景は、どこまでも果てしない大海原。
眩しい朝陽が空と海を黄金の朝焼け色に染めます。
まるで、彼の新たなる旅路を祝福しているかのように。

「これが夢に見た旅立ちの空……」

最期にそう呟いた司祭の寝顔はとても穏やかで、満ち足りていました。
その皺だらけの頬には、一筋のあたたかな涙の跡が輝いていたのです。




第4章 前世から現世への宿題

救いの光となる信じる心

私は今でこそ司祭として村人たちから尊敬され、慕われていますが、子供の頃は悪ガキで、少年時代はかなりのやんちゃもしました。

閉ざされた村社会、一向に良くならない貧しい生活……

自分を取り巻くすべてのものに絶望し、怒り、盗みや恐喝など、神の教えに背く行為を繰り返していたのです。
まさに八方塞がりで救いは見えず、お金にも困窮した毎日でした。

そんな私にある時、天罰が下ります。
村長の家から家宝である宝剣が盗まれ、私がその犯人にされてしまったのです。
容疑を否認しても、日頃の行いが悪かったため、私を信じる者は誰もいません。誰もが私に疑いの目を向け、犯人だと決めつけ、責め立てました。

しかし、たった一人だけ……たった一人だけ、私を信じてくれた人物がいたのです。
それは―――先代の司祭でした。

「私は、あなたを信じましょう」

“自分は、盗んでいない。信じてほしい”という私の訴えに、先代の司祭はニッコリと笑い、肩に手を置いてくれました。
その手の温もりは、今でもよく覚えています。

彼は、私の人生の恩人です。

誰にも信じて貰えず、孤独の暗闇に覆われた私の心。
先代司祭の優しい瞳と温かい言葉、寄り添ってくれたことが私の心を照らす、救いの光となりました。

その後、役人の調査によって、私の容疑は無事に晴れました。真犯人が捕まったのです。
それから私はがむしゃらに働き、ローマで神学を勉強するためのお金を貯めます。
人生の恩人である先代司祭の後を継ぐため、私も司祭を目指したのです。

先代司祭は私に、疑うのではなく、真っ直ぐに信じることを教えてくれました。
裏切られるかもしれないのに、無条件で誰かを信じるのは、勇気のいることです。
でもそれは必ず、誰かの心を照らす救いの光となるでしょう。

あなたは今、人や自分を心から信じられていますか?




第5章 前世から現世のあなたへ

心穏やかなハーモニーの調べ

血気盛んだった若かりし頃、私は冒険に満ちた波乱万丈な人生を望んでいました。
山間に閉ざされた、狭くて小さな村社会に嫌気がさし、果てしなく広い世界に憧れていたのです。
しかし―――

今はただ、人や世界のために祈れる日々に感謝しています。
『奇跡』とは、何も人生を変えるような、神の御業だけとは限りません。
朝、無事に目が覚めること。体が自由に動くこと。家族や友人と過ごせること。
一日一日、人生を織りなす日常こそが『奇跡』なのです。

あなたは何かを過剰に求めたり、不足を嘆いたりはしていませんか?
他人と比較して一喜一憂したり、無闇に焦ったりはしていませんか?

大切なのは、調和です。
無いものねだりをするのではなく、今ここにあるもので満たされること。
妥協して諦めるのではなく、工夫して応用することです。

焦らなくて、良いのですよ。
ゆったりとした、自然の流れに身を任せましょう。
植物だって、種を蒔いてから花を咲かせるまでには、時間がかかります。
それこそが、あるがままの自然の姿なのです。

私たちにできるのは、「いつか必ず花が咲く」と信じて、愛情を持って世話をすることだけ。
私たちが成長するために、疑いや焦りは不要なのです。

できるだけ穏やかな心でいましょう。
他人をコントロールするのではなく、自分の感情を調整するのです。
ピアノが美しい音色を奏で続けるためには、調律が必要なのと同じですよ。

心が平和で穏やかであれば、心のピアノもまた、穏やかな音を奏でます。
そして、誰かの心と触れ合った時―――
乱れた不協和音ではなく、心地良いハーモニーの調べが生まれるのです。

あなたならきっと、誰かと共に素晴らしいハーモニーを奏でられますよ。
独りぼっちでは奏でられない、心の琴線に触れる旋律を。




エピローグ ~すべての旅する魂へ~

あなたの『魂物語』、いかがだったでしょうか?
タロットで紡いだ、「前世のあなた」から「現世のあなた」へと伝える物語を少しでも受け取っていただけたら、とても嬉しいです^^

『魂物語』が伝えているのは、あなたの前世が何であろうと、現世のあなたがどうであろうと、「前世のあなた」は「現世のあなた」を愛し、応援してくれているということ。

たまに「前世の業(カルマ)が……」という言葉も耳にしますが、私は前世を嘆いて後悔したり、現世を前世の罪滅ぼしの場にはしたくないと思っています。
より現世を楽しんで魂が成長するために、前世から学びや気づきを得たいです。
そのためにこそ、この『魂物語』を魂を込めて作りました♪

正直、前世や来世のことも不確かでわかりません。
でも、私たちは今こうして、現世で生きています。それは確かなことです。
だったら、今生きているという事実を大切に、現世をとことん楽しみたい!自分らしく生きたい!!って、思いませんか?^^

例え何度も魂が転生を繰り返そうと、「今の人生」は、たった一度きりなのですから……

あなたの『魂物語』がこれから、あなたの魂に寄り添っていきますように。



お知らせ

78枚のタロットカードで、あなただけの『魂物語』を紡ぎます♪

タロットリーディング『魂物語』についてもっと知りたい!
自分だけの『魂物語』を読んでみたい!!

そんな方は、コチラ↓のリンク(別サイト『タロット❤ティータイム Tarot Tea Time』に飛びます)をクリックしてくださいね♪

タロットリーディング『魂物語』


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