ニートが冬服の準備で母親と大喧嘩した件

今回はニートの服事情について、というか服のことで母親と大喧嘩したのでその経緯みたいなものをまとめてみようかなと。

僕は鬱病とか障害とか色々働けない事情があるものの、平たく言えば現状ニートです。そんなニートの僕でも生活や外出をしようとすれば服が必要になってきます。そんな必要物資である服ですが、もちろん勝手に沸いて出てくるわけではなく、費用を捻出してどこかで購入しなければなりません。そこで「冬服一式買いに行くから20万くらい用意して」と親に言ったことで「そんな金ないわ!」と親が怒って喧嘩になりました。

……いや、わかりますよ。世間一般的に考えてお前が100%悪いよと言われてここで終わりそうな話です。ただ、今回の話はここに至るまでの理由が様々あったのでそれを語るのが今回の記事の目的です。

そもそも僕は何も「なんか服欲しいな……せや、20万くらい貰って買いに行こ!」と急に思い立ったわけではありません。事の初めは2年前の夏、長期引きこもり鬱病の僕に母親が「洗濯する度にボロボロに劣化した服見てやりがいもないし苦痛、頼むから今の服捨てて新しい服買ってまともな格好して、お金は出すから」と言ってきました。僕がその頃持ってた服は高校時代に買ったものがほとんどで、おそらく購入から15年近く経っていたかも知れません。

その頃持ってた服の一部がこんな感じ

写真だと判り辛いかもしれませんが、劣化しすぎて服と言うよりは「服の死骸」みたいな布ですね。2年前まで着てたと思うと恐ろしいです。というわけで、ここから僕の衣類補完計画が始まったわけです。

1,服の情報収集

「買ってこい」と言われたものの、何年も引きこもって服を買いに行ってなかったので現代の服事情なんてほぼ解っていない、0からのスタートと言っても過言ではないくらいの状況。そこで思い付いたのが「YouTubeで解説動画を見ること」でした。助けてインターネット!

「へー、今ってユニクロでこんなの売ってるんだ」「えー、オーバーサイズで着るのが普通になったのか」と常識を1から学び直す。

最初はまあ参考になるし、それなりに知識欲が満たされたり楽しさもありました。

僕はダサくてキモいなりに元々ファッションに興味はあったんですよね。学生時代もかっこいいブランド服は買えないけどファッション誌読んで付録の手袋とかつけて喜んでたり。

ところがこれがまた厄介で、暇なニートだからいつの間にかファッション動画を見漁り徐々にストレス情報が増えていく。やっと無難なコーディネートを覚えたつもりになったのに、実はそれが大学生ファッションでしかなく僕の歳でやってると恥ずかしいだとか、「アメカジは古くてダサイものになりました」って学んだのにトレンドがガラッと変わって「最近は復権してむしろ上手く取り入れないとダサイです」みたいに追い付けないスピードで二転三転。

素材の良し悪し、防寒性や撥水性のスペック比較、各ブランドの価格帯、セールの攻略法、ユニクロはアリかナシか?問題……
毎日毎日服についてのお勉強に、他人の意見の参照に、と脳みそぐっちゃぐちゃ!

更には時代が時代だけにファストファッションの功罪、SDGs問題、ファッションインフルエンサーの炎上問題、女ウケと弱者男性みたいな情報も目にするようになって全然楽しくない!疲れるばっか!

自分が興味持って検索してるのもあるんだけどYouTubeのおすすめ機能も変に優秀すぎていつの間にかおかしな方向へ行くんですよね。

例えばですが

「ユニクロの新作おすすめコーデ!」

「ユニクロとハイブランド何が違うの?」

「ユニクロでおしゃれになれるのか」

「ダサイやつの特徴7選」

「弱者男性のファッションwww」

「貧乏なやつの特徴あげてけ」

「若者の貧困が深刻。男は炊き出し、女はパパ活」

みたいな。
最初は「服揃えて快適に過ごして鬱治すぞ!」ってモチベーションだったのに、いつの間にか趣旨が変わって現代社会の闇みたいな情報ばっかおすすめに出てきて鬱にしかならないっていう。

こんな感じで服買う前から疲労困憊になるって状況が多発してしまい、結果的にはめちゃくちゃ効率悪かった気がします。

2,購入や着用における苦労

服に関する苦労は情報集めだけではありません。実際購入して着用するのもまあーしんどい。店まで足を運ぶのも試着するのも持って帰るのもあんなに大変だとは……しかもほぼまともな服が0の状態から一式揃えようっていう異常な状況ですからね。体力のある若者ならまだしもコンビニ行くのすらままならない鬱病ニート引きこもり。エナドリや精神科のお薬で体に鞭打ってようやく買いに行く。

通販も活用したけど、通販は通販で実物確認出来ないから失敗するリスク高いですよね。詐欺にも気を付けなきゃいけないし、僕はクレカ持ってないから支払いも面倒。引きこもりニートには受け取りすらままならないし、母親に頼んでも極度に通販で待ってる時間が嫌いな性質で絶対文句言うし。

で、服を買ったり見に行ったりを繰り返すと、曲がりなりにも良し悪しが判ってきて、初めの頃より妥協出来なくなってくる。だんだん価格帯を上げたくなってきてしまう。

僕が妥協したくないだけならまだしも、それ以上に母親が言うんですよね。僕は服を買うとき自分で選んではいますが、母親に意見を聞いて確認を取ったり、買った後に見せたりはしています。気持ち悪い行為だと解っているけど、現状資金を出して貰って洗濯して貰っているし、悲しい話ですが他に意見を求められる人間関係がないので。インターネットでコーデ載せられるほどにはなってないし。
母親は昔ファッション関係の仕事をしていた時期があるらしく、その分プライドもあったりして、割と拘りが強い。僕がユニクロとかプチプラを見せても難色を示す。だけどお金を出すときは高い高いと文句を言うんですよ。
「お金を出すから自分で選んで買ってきなさい」と言うのに、あれもこれも「そんな高いの買うお金はない」「そんな安っぽいの買わなくてもいい」とか、こっちからすると無理難題すぎる!
僕も元々はユニクロに安物のイメージあったし嘗めてたけど、実際メンズ服探し始めると、ユニクロ以上の質でデザインまで求めると予算はかなり跳ね上がるし、逆に予算を絞ると品質はガクッと下がる。洗濯や劣化の早さ問題の面でコスパがより悪くなってきたり。
もちろん自分が自立してなくて資金を出して貰う立場だから一般的に僕が文句を言うべきじゃないのはわかるけど、その自覚があるから余計イライラする。うだうだやってる間に買い物が進まずシーズンが進み、売れ残りのサイズ欠けのしょーもない服しか選択肢が無くなってくる。そんな繰り返しでした。

充分な数も揃わないまま2年以上経ち、気付けばその僅かな手持ちの服すらトレンドが変わって買い換えましょうと言われている時期。僕も焦燥感でおかしくなります。早く終わらせないといつまでもこんなことやってられない。いい加減ストレスでぶっ倒れてしまう。

「2年半もこんなことやって結局おしゃれなコーデなんて1着も無いし、機能性に満足できる必要量の服も揃ってない。ユニクロですら高騰してるのに来年なんて服買えるかすら解らない世の中。体力やモチベーションも安定しないし、行ける時に行かないとまたグズグズしてたら良い服は売り切れる。一気にコーデ組んで買わないと結局家で合わせたら何か違うってなるし……。電子決済で多めにチャージしとかないと支払いで足りなくなるしポイントも損だし……。」
と散々考えて、相場を調べて悩みまくったんですけど、冬服ってただでさえ高い上に今年は高騰しまくってるし、一定のクオリティを求めると何回考えても20万、いやそれでも必要量を考えればかなり厳しいけど……って感じで、僕もやむを得ずなところはあったんです。この考えも母親にこまめに相談してたのでもう了承取ってるつもりだったんですよね。そこで冒頭の件に戻る。

「冬服一式揃えて来るから20万くらい用意して」
「そんな金ないわ!」
「は?散々この話したじゃん!じゃあノイローゼになって眼精疲労になってスマホで服について調べて、筋肉痛になって汗だくになって買いに行って、値段の相場やら人気のブランドやらコーデの提案やら調べて報告して確認とった今までの時間とか手間とか何だったの!?そもそもまともな着れる服無いし!買いに行けって言われたからここまで努力したんだけど!?」
って話になって、その後「普通は働いて自分で金出す」「いやだから初めから普通に働ける状況じゃないって解ってんじゃん!鬱について解ってるって言ってたじゃん!」「わかってる」「なんもわかってない!」みたいな押し問答が始まって地獄になりましたね。ここまでが大喧嘩の経緯というわけです。
結局その後和解というか解決(?)はしたんですけど、服はまだ揃ってない……。

3,ファッションで抱えた劣等感

結局のところ、なんでこんなに効率悪くてストレスばかりかというとやっぱ自立してないことが大きい。
もちろん服やファッションの悩みは誰にでもあるってことは散々調べたから知ってはいますが、自分の場合は「通常発生するストレス」にさらに「自立出来ない鬱病無職のおっさん」という特殊な身分から発生するストレスがかけ合わさっているわけです。

「お母さんが買ってきた服を着てるニート」ならまだ楽かも知れないけど、それとも違う。

よくよく考えたら僕がやってることって「ライフスタイルも確立してない、経験値もない状態で、シーズン毎にタイムリミットに迫られながら、自分も親も納得するレベルの製品を失敗しないように見繕って、貧乏な親と値段交渉をして、買いに行って、予定もなければ見せる相手もいないのに勿体ないと怒られないレベルまで着る義務がある」みたいなことで、どう考えても負荷かかりすぎてる。それを2年半やってるし、更に言えば僕はチビでおっさんなので服の選択肢めちゃくちゃ狭まるから着る楽しみは制限される割に選ぶストレスは大きい。無職のくせに烏滸がましいけど「仕事か?」って思うくらい。少なくとも「趣味」ではないだろう。

服の悩みから解放されたくて急激にミニマリストへの憧れも生まれ始めたんだけど、あれはあれでハードル高いなと思います。時代的に服の生産・供給って来年にはどうなるか判らないとこあるし余裕持ちたい。

服選びって「生活を快適にして健康状態を保つ」「気分の上がるものを身に付けて精神を安定させる」「他人からの印象を良くして人間関係を円滑にする」とか前向きな目的があると思うんですけど、ニートだとこれらが上手くいかず暗い方向に結果が出て本末転倒になるんです。どこまで行っても「引け目」から解放されない。

ニートって立場で質の悪いもの着ると「人生終わってる底辺です」ってわざわざアピールしてるみたいになる。
逆に良いもの着ると「ニートの分際で」ってなる。
もう寒波で凍え死ねばいいよ俺なんて……みたいな投げ槍な気持ちになる。
ファッションで抱えた劣等感と言うより、ファッションで気付かされた自分の立場なのかも知れないけど、自分がまともな人間ではないって一目でバレて吊し上げられる恐怖感は抱えるようになりましたね。
やっぱり気兼ねなく自分の着る服やそれにかけるお金を自分で管理出来ると効率がいいだろうなと思います。

というわけで、ニートの服事情について語ってみました。うだうだ言っても服無いと困るし気温もガクッと下がったので早くなんとかしないと……。

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