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【読書会報告】プラトン『饗宴』朗読読書会 #6

こんにちは、『猫の泉 読書会』主宰の「みわみわ」です。

プラトン『饗宴』朗読読書会 第6回目のご報告です。
6月5日の朝、総勢三名で、第六章の途中から、第七章の途中まで、交代で音読して、感想や気になることを話し合いました。以下、話題になったことについて、メモ書きです。

アテネの悲劇詩人で饗宴の主催者であるアガトンの話から、それにプラトンがツッコミを入れるところまでを朗読しました。

■第六章 アガトンの話
〇アガトンはエロスの神の、徳、正義と節度と勇気と知恵について話をした。
・お互いが自発的に同意したものが正義なのです。
 (片方が嫌だと言ったものをごり押しするのが正義なのではないのです)
→非の打ち所の無いエロスは、「とらえどころがない」「後輩に騒がれている万能な生徒会長のよう」
→エロス=キューピッドのイメージ:クピドとプシュケの物語
・ヘパイストスは鍛冶において(エロスの弟子/ゼウスとヘラの息子。アフロディテの夫)
→鍛冶細工で欲望を克服しようとするヘパイトス:ギリシア神話を読む限り、ギリシアの神々は我慢しない。そこが魅力。
→近代になって「我慢の神」が生まれたとしたなら…。


〇エロスが触れると、誰もが詩人になるのです。
・エロスが触れることのなかった者は世に知られぬままに終わる
→やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君(与謝野晶子)
→器の大きさと恋愛の恥ずかしさのバランス


〇このように、パイドロス
→唐突にパイドロスへ呼びかける。第六章の始まりのパイドロスの発言にかけている呼びかけ、と分かっていても違和感。


〇すべての集まりに降りてくるエロス
・よそよそしさを消し去って、親密さで満たし、いまわたしたちが開いているような会合すべてに、わたしたちを集わせてくれます。
→つまり、この朗読会にも…♪


■第七章 ソクラテス、アガトンと対話する

〇ソクラテスの「必殺!謙遜ちゃぶ台返し」「壮大な前振り」
・どうやら、指示されていたのは、ぼくたちのそれぞれがエロスを賛美するということではなくて、エロスを賛美しているように見せかけるということだったようだ。
→来たー!いじわるーい!
→次回が楽しみー!
→リア王の末娘みたい。


■その他雑談

〇宮城聰演出・SPAC『アンティゴネ』

2017年、世界最高峰の演劇の祭典「アヴィニョン演劇祭」からの招聘を受けたという話題作。コロナが収まったら再演して欲しい。
https://spac.or.jp/antigone_2021

〇大江健三郎はケルアックの「路上で」のどういうところを気に入ったのだろう?

〇北村太郎訳の「ふしぎの国のアリス」(王国社)
なんじゃこれ!派と、いいね!派で紳士的に意見交換をいたしました。
・スピード感がある。
・女の子の話し言葉が、雑に見えるけれど、これこそリアル。
・ディズニーのアリスと違い、原作はこまっしゃくれ
・日本におけるアリス受容は、世界標準とはちょっと違う気がする。可愛いに寄りすぎ?
・北村は、おばさん型からおじさん型への文体の転換と宣言していた。

以上、土曜の朝からプラトン饗宴を堪能いたしました。楽しかったです。

■本日の一冊:『饗宴』 (プラトン/中澤務(訳)/光文社古典新訳文庫)

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