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【行ってきた!】生誕110年吉田健一展 文學の樂しみ@県立神奈川近代文学館

こんにちは、『猫の泉 読書会』主宰の「みわみわ」です。

ただいま、吉田健一の本で読書会を企画中です。
関連で、神奈川近代文学館にて、生誕110年で吉田健一特別展(~5月22日(日))があると知って、先日朝イチで行ってきました。

最寄り駅は、東急東横線の元町・中華街駅です。
途中の公園では、色とりどり形さまざまなチューリップが咲いていました。春ですね。

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吉田健一は、名前ぐらいしか知りませんでした。
父が吉田健一全集を持っていたからです。
本棚に入りきらずに一冊ずつ箱に入ったものが床に積まれていたのですが、当時家で飼っていた、トラ猫のラッキーくんは、気に入らないことがあると手っ取り早く吉田健一全集(の箱)でバリバリ爪とぎしていました。その罰当たりでオソロシイ光景は決して忘れられるものではありません。
現在、その全集は本棚に並んではいますが、もはや箱はありません。

そんなことで知った吉田健一でした。
顔写真を見るのは今回が初めてです。
なにか楽しいことを企んでいるような笑顔で、さすがに結婚写真では真面目な表情をしていますが、それ以外の写真は全部ポーズをつけて笑っているようにしか見えません。
あのチャタレイ裁判の傍聴席に座っていても笑っているように見えます。きっと何でも面白がって観察していた人だったのでしょうね。

神奈川近代文学館の展示は、前半がその生涯で、後半が翻訳をテーマにしていました。

曾祖父に大久保利通、祖父が外交官の牧野伸顕、父が吉田茂、妹の息子が麻生太郎…、政治家の家系ですね。そんな中でよく文士を目指せたものだとびっくり。

河上徹太郎を筆頭に文学者との交流を示す手紙やはがき、それから「鉢の木会」のことも展示されていました。持ち回りで自宅に招いてもてなす会なのだそうです。命名がかっこいいですね。

「鉢の木会」のメンバのひとり、神西清が亡くなったあとも、吉田健一はその戒名を鉢の木会の参加予定者として毎年手帳に書いていたというエピソードを知りました。神西清の人柄がしのばれます。

晩年には金沢に友人たちと定期的に旅行していたようです。
金沢の宿での珍しい浴衣姿での写真がありました。その吉田健一もやっぱり大笑いに笑っていました。笑い声に特徴があったそうですが、そればっかりは写真や文章ではわからず、残念です…。

神奈川近代文学館には閲覧室もあって、吉田健一の関連本が手に取れるようになっていました。何冊か眺めてきました。

『大磯清談』父吉田茂との対談集。親子の軽妙な対話と、その会話を文字にしただけでは伝わらない部分を、そばで見ていた編集者らしき人がちょっと踏み込んでコメントしていてとても面白かったです。

『英語上達法』英語なんが勉強したって無理無理~という趣旨の吉田健一のエッセイでした。借りてじっくり時間をかけて読めないのが残念。

食べ物関連の本も置いてありました。小川軒など名店にまつわるエッセイやエピソードが書かれた本です。

そういえば、「小川軒のレーズンサンド」というお菓子があります。ラムレーズン入りのクリームを四角いクッキーで挟んだもので、冷蔵庫で冷やして食べるとさらにおいしくて好きです。だから小川軒とは、お菓子屋だとずっと思っていたんですが、どうやら吉田健一と随分縁の深いフランス料理屋だったことがわかりました。とても気になります。

さて、この特別展は、前期と後期で展示替えがあるそうです。
 前期:4月2日(土)~30日(土)
 後期:5月1日(日)~22日(日)
面白かったので後期も行こうと思います。

神奈川近代文学館HP:https://www.kanabun.or.jp/exhibition/16237/

■本日の一冊:吉田健一生誕100年 最後の文士


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