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日本と中国 相続の違い④ 遺贈放棄

こんにちは行政書士市川聡子事務所の市川です。
昨日でNote投稿数が50となりました。
もう50日も毎日投稿を続けていたんだ、とびっくりした次第です。

本日は昨日に引き続き、中国の民法典1124条の2項の遺贈の期限について訳しながら見ていきたいと思います。

中国 民法典1124条

(2項のみの意訳) 
受遺者は自分に遺贈があることを知ってから60日以内に放棄または受け入れの表明をしなければならない。期限が来てもその表明をしない者は、遺贈を放棄したものとみなす。
* 以上は私が付けた訳であり、正しくは中文版をご参照ください。

今回の部分に関しては特に最高人民法院(日本の最高裁判所)の解釈がございませんでした。

中国の民法典1124条1項では相続放棄に関する規定で時間的なものの規定が明示されておりませんでしたが、2項の「遺贈」に関しては遺贈を受けるのか、放棄するのかは「60日以内」という明確な規定が有りました。

さて、遺贈については日本の民法にどのように規定されているのでしょうか?

(遺贈の放棄)
第九百八十六条 受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる。
 遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

民法 | e-Gov法令検索

ここでまたクレアールさんの司法書士講座の条文解説ページを参照します

解釈や判例が列挙されていますが。。。
986条は特定遺贈についてのみ適用されます。
特定遺贈に関してはいつでも、遺贈の放棄をすることができるため、遺贈義務者やその他の利害関係者は権利関係が不安定となります。そのため ↓ 
の条文

(受遺者に対する遺贈の承認又は放棄の催告)
第九百八十七条 遺贈義務者(遺贈の履行をする義務を負う者をいう。以下この節において同じ。)その他の利害関係人は、受遺者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができる。この場合において、受遺者がその期間内に遺贈義務者に対してその意思を表示しないときは、遺贈を承認したものとみなす。

民法 | e-Gov法令検索

では「受遺者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができ」、「受遺者がその期間内に遺贈義務者に対してその意思を表示しないときは、遺贈を承認したものとみなす」とされています。

***

包括遺贈については ↓ 990条の規定

(包括受遺者の権利義務)
第九百九十条 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。

民法 | e-Gov法令検索

があることから、相続人と同一の地位に立つとされていますので、相続の承認又は放棄に関する規定は前述の915条の規定が適用されます。ということは「三箇月以内に承認又は放棄をしなければならない。」となります。

特定遺贈・包括遺贈いづれにせよ「期限が来てもその(受けるか放棄するか)表明をしない者は、遺贈を放棄したものとみなす。」と規定している中国の民法典とは大きく違いますね。

さて、週末は法律の勉強はお休みにして、ちょっとお気軽な話題の記事を書きます。
月曜日は中国の民法典1125条の「相続人の欠格事由」に該当する部分を読みといて行こうと思います。

本日も最後までお読み頂き、ありがとうございましたm(_ _)m

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