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太陽のありがたみ

夏が好きだ。
年々そう思うようになっている。

学生時代は本当に夏が嫌いで、できる限り家から出ないで過ごしていた。
2ヶ月の夏休みが6年間もぶっ続けであったのに、レジャーに出かけた記憶はほぼない。
海も嫌いだし、山も嫌い。川はもっと嫌い。
何より、日焼けしたり汗をかいたりしたくない。虫も出るし。
ビールも飲めないし。暑い日のコーラは本当に美味しいけど。

海でバーベキュー?準備も片付けめんどいしマジで無理。焼肉屋さんに行きたい。

みたいな、どちらかというと斜に構えた人間だったのに、気づいたら夏を心待ちにするようになった。
いつの間にか、太陽にジリジリ照らされることが大好きになっていた。
(相変わらず日焼けと汗は大敵だけど、もう何も対策していない。まずい。)

社会人になってから、ほとんどの時間を建物の中で過ごすのが関係しているのかもしれない。
人より長いモラトリアムの中で、自由気ままに時間を使っていたから、太陽が昇っている時間帯に外で活動できるありがたみが薄れていた。
毎日毎日、コンクリートの建物の中で時間を拘束されるのは思ったよりも精神的健康によくない。
たまに外に出られる機会があると、本当に気持ちが晴れる。うれし〜。

引越しの時は、なるべく日当たりがよくてベランダがついている事を条件にして物件を探している。
それくらい太陽のことをありがたがっている。
朝日から夕日まで、どんな太陽の陽も浴びていたい。
できれば風も感じたい。

ここ数年の間に、夏の楽しみ方も覚えたような気がする。
スポーツ観戦をしたり、野外フェスに行ったり、暑い屋外で冷たいものを飲んだり。

一番好きな過ごし方は、エアコンの温度をかなり低く設定して布団にくるまる。
あとは、冷えたスイカと茹でたてのとうもろこしを準備して、エアコンの効いた室内で甲子園を観る。
ちょっと涼しくなった夜に、近所のスーパー銭湯に行って、風呂上がりに瓶のコーヒー牛乳を飲む。帰り道に、湿度の高い夏の夜の空気を思いっきり吸い込む。
この時、髪の毛はあえて乾かさないでおく。その方がなんとなく気持ちがいい気がする。

夏、終わらないで。日照時間、短くならないで。

大好きな夏を味わうよりも先に、冬が来ることを考えて憂鬱になってしまう。
そういう人間性です。

でも今年は思う存分夏を味わって、やりきった気持ちで冬を迎えるぞ。

はあ、早く冬至が来ますように。

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