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2024年5月の記事一覧

日銀が円安を止められない理由

コロナ以後、円安が止まらない。日本でもインフレ率が上がっているが、金利の方はインフレ率ほどの上昇を見せていないからである。 円安と日銀緩和 円安は明らかに日本の家計を蝕んでいる。エネルギーや食料品、プラスチック製品など日本国民が消費するものの多くは輸入依存であり、ドル円の上昇分はそのまま輸入物価の上昇に直結している。 コロナ後にドル円が40%以上も上がったということは、基本的に輸入物価がそれだけ上がったということである。ドル円はそのまま元に戻っていないので、輸入物価もそ

為替介入でドル円が急落したらドル円は買い場

ドル円は長らく上昇している。それは円に対してだけでなく、ドルは様々な通貨に対して広範囲に上昇している. しかしドルは特に円に対して上昇している。その理由は1つにはアメリカがインフレ抑制のために金融引き締めを行なっている一方で、日本が物価上昇にもかかわらず未だに紙幣印刷を行なっているからだろう。 奔放な金融緩和と現金給付の結果、アメリカ経済と米国株は窮地に陥っているのに、嬉々として同じ道のりを後から進もうというのだから日本人の先見性は流石である。 さて、背景はともかくとし

テクニカル分析で相場は予測できない

テクニカル分析かファンダメンタルズ分析かという論議は、非常に古典的な議論であるが、少なくともテクニカル分析は市場の未来を予測できないという点は比較的容易に証明可能であるにもかかわらず、非常に多くの人々がいまだ正しく理解をしていないという点で珍しい論題である。 しかも、個人投資家のみならず、金融のプロフェッショナルでもテクニカル分析で市場の未来を予測できると思っている人が沢山いる。あるいは、直接そう主張せずとも、そういう考えを自分の投資方針に持ち込んでいる人は著名投資家でもか

債券とは何か?金利決定要因の計算式とは?

世界の金融市場には株式市場、為替市場、商品市場など様々な市場がある。投資をするうえで避けては通れない分野がある。それは個人投資家に一番馴染みのない債券市場にである。 債券市場は個人投資家に馴染みの薄い市場であるにもかかわらず、グローバルマクロのヘッジファンドが最も重要視する市場である。債券市場とはいわゆる金利を決定するものであり、金利は株価や為替レートなどに影響を与える、金融市場のなかで最も重要な指標だからである。 逆に言えば、多くの個人投資家はプロの投資家が重要視する情