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文字について考えた

毎日あたり前のようにパソコンやスマホで文字を入力しています。そしていまもこうやって、noteにカタカタと文字を打っているわけですが、文字を入力すれば便利な変換機能があり、ちょっと曖昧に覚えている漢字とかでも、正しく入力できてしまいます。ゆえに、いざ手書きするとアレ? (;'∀')ってなる時がありませんか。
点がいるんだったっけ?線って何本だっけ?とか、
合っているのに、まじまじ見すぎると、こんな字だった?(´・ω・`) みたいな(笑)

先日、ある一冊の本を読みました。
著者 吉田篤弘さんの『うかんむりのこども』です。
「うかんむりのこども」=「字」を表しているんです!
なるほどぉ.… (・∀・*)タイトルから心惹かれてしまいました。装丁も素敵なのですよ⭐︎

言葉をめぐって著者 吉田さんの独自の考察が展開されていくのですが、まるで落語をきいているかのよう!まさに軽妙洒脱です。二十四の短篇になっていてどの話も面白く、引き込まれてしまいます。

例えば、ほんの一部分ですがこんな感じ。

誤字というものは、よほど注意していても、うっかり書いてしまうものです。
というのも、字としては間違っているのですが、意味としては通ってしまう、いや、むしろ、こちらの方が正しいのではないかと、誤字に説得されるような場面がしばしばあります。
たとえば、誰もが一度はぶつかる誤字のひとつに「完璧」の「ぺき」の字があります。誰もが一度はぶつかるような、なにもかもを遮蔽する完全な壁で「完壁」—ではないのです。ベルリンの壁を御覧なさい。鉄壁は決して完璧ではないと、歴史が照明、いえ、証明しました。

P68「誤字」より

誤字なんだけど、説得力あるある(゚O゚)))
すごく共感です。
手書きしたら「完壁」と書きたくなりそう( °∀° )ダメだけど

それから、こんな一文も。

なぜ「烏」という字は「鳥」という字に一本足りないのか?自問するべきです。自問し自答することで、そこに本来の自分が見えてくる。

P86「烏」より

この文の前後では、吉田さんの言葉遊びが繰り広げられています。
字の由来とか内容を説明している話ではないですが、読んでいるとだんだん字に興味が湧いてきて、本質を知りたくなっていました。

そこでちょっと調べてみると、
「鳥」の四画目にあたる横線は、目を表していて、カラスは全身が真っ黒で目の部分がはっきりしないことから、その横線を一本取って「烏」という字が作られたそうです。

カラスはもう一つ「鴉」という字もありますが、
「牙」という文字がカラスの「カーカー」、「ガーガー」という鳴き声を表しているそうです。
「烏」は象形文字、「鴉」は形成文字なんですね“φ(・ω・。)フムフム...
カラスになぜ牙(きば)なの?って思いますが…尖ってるから?カラスの独特な鳴き声が「牙」のような鋭さを感じさせたんでしょうか( ´◔ ‸◔`)んー
ちなみに「鳩」という字は「九」がついていますが、これは「クック」、「クルックー」という鳴き声を表しているのだそうです。

こうやって調べてみると、文字って面白いですね!
この『うかんむりのこども』のように言葉をめぐらして考える愉しみ方にも魅了されました。

最後に「字」の部首はうかんむりではなく、子(こへん)だという事実が明かされ…Σ(, ºΔº, *)アリャ~
小学校で習ってるはずだけど…もう昔のことなので忘れてます(笑)

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