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ご挨拶と最近のこと

遅くなりましたが、皆様、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、今日は小説を上げず、最近、あった話をしようと思う。

いや、年末ぐらいから上司から引き渡された先生のところに原稿やゲラを持って行ったり取りに行ったりしている。
その先生も御年八十歳。
私と話すことを楽しみにしていると言ってくださる優しい先生だ。
会って間もない頃は、若さ故に不審がっていたが、最近は仕事の話は三十分ぐらいで、あとは他愛ない世間話で二時間ほど費やしてしまう。
年末もご挨拶がてらお宅に訪問した。こんなにコロナウイルスと世間で入っているが、しがない小さな出版社はそんなことを言っていられない。
また奥様がお茶を入れてくださったので、ゆっくりと飲みながら世間話をしていると、「君は自分で書いて出版したりしないの? 書けそうに思うけどね」
と先生はポロッと小さく言った。
「私なんてそんな。文才もありませんし、人を魅了できるような文章を書くことは出来ませんよ」
と笑いながら誤魔化す。
本当は本が出版したい。勿論、応募も考えてはいた。だが、そんな自信が沸き起こってくるわけでもなく、ここに投稿しているのも自分の趣味の領域だった。
私は小さい頃からそうだ。「こう言うの、貴方に向いてるんじゃない?」
と周りから言われても尻込みして結局チャンスを逃してしまう。
そう言う人生だ。
先生は年始のご挨拶に行った時も、この間、ゲラを受け取りに行った時も同じ事を言った。
きっと背中は押したいが、どういう風にしてやれば良いか分からないといったところだろう。
私も正直分からない。
出版社に勤めながらもそんな人脈を持っていないのも笑える。
また落ち込みながら帰路に就いた。

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