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普段捨ててしまう紙のかけらで生け花 「紙で生け花」ワークショップを開催。


この度初めてnoteに投稿します。京都のデザインと写真の会社Neki inc.です。
活動のアーカイブを中心に、自分達が面白いなと興味をひかれるものごとを発信して行こうと思います。

さて、2023年、年が明けてすぐの1/9(月・成人の日)に、堀川新文化ビルヂング2F NEUTRALで行われた「紙詣」というイベントにNekiも出展しました。
今回はそのレポートをご紹介します。

『第3回 紙詣 ~紙を愛でる、紙で遊ぶ3日間~』
堀川新文化ビルヂング・ギャラリーNEUTRALのイベントページに紙詣の概要が掲載されています↑

始めに、ワークショップの内容を考える

お誘いを受け、何をしようか社内で考えました。グラフィックデザインと写真撮影を普段仕事としている私たちができるワークショップってなんだろうと。
少し前にデザイナーの坂田が仕事の合間に、トンボで断ち落とした紙の切れっ端、ピタぱねの切れ端、穴あけパンチの紙受けに溜まった小さな丸や三日月型の色や模様や厚みが異なる紙…などなどを使って、紙の花を作ってみんなに見せていたものが作業台の上に置かれていました。
これは可愛いよね、こういう捨てるしかない切れっ端がたまたま偶然集まって無作為に可愛いものができている時があるよね…と、これまで写真に撮って残しておくことしかできなかったものと焦点が合いました。 

デザイナー坂田が仕事の合間の楽しみに作った紙の生け花


ワークショップの告知文。紙の切れっ端へのやるせなさが綴られています。

これを背景紙の上に乗せて、他にギザギザに折り畳んだ紙や、なんとなく可愛くて何かに見える木のブロック、石ころなんかを並べて風景を作って、そこに紙の生け花を置いて写真に撮ったらきっと可愛いだろう。生け花だけだと、持って帰っている間に壊れるかもしれないし、無くしてしまうかもしれないからその場でポストカードを刷って渡そう。データも一緒に。ということでアイデアが一気にまとまっていきました。

自分達でもお花を試作したりテスト撮影をしました。おのおのが立体を作るのが苦手とか、チェックの紙が一番可愛い、ハサミで切るのが好き、手でちぎった形の方が好き、といった得意さや苦手さ、好みなんかを話しながら、お互いの普段知らない一面が垣間見える面白さがありました。
そして「なぜだかこれがとてもいい」という感覚に忠実に基づいて作られた、それぞれのグッとくるポイントがぎゅっと詰まったお花は、その人の造形感覚と人となりを宿した鏡のようでした。

試作した生け花、葉っぱの形も自由
試作その2、柄に柄を重ねるのも絶妙にキュンとくる!
試作3、葉の部分を手でちぎると思わぬ形に丸まって、熱帯の雰囲気を感じます


ワークショップ当日

約5cm角に切ったピタパネを剣山の替わりにして、ここを土台にどんな花を作ろうかと考えてもらいます。そして、テーブルの上に用意されているたくさんの紙の中から、まずは茎の部分となる紙を選びます。
くるくる巻く、丸シールを貼る、葉っぱをつける、リボンを巻く、ペンで模様を描く…など、手を動かしつつも他の誰かが作っているものを見て、さらにアイデアが生まれていきます。私たちはその様子を見ては、愛でる、驚く、楽しむ…という幸せな時間を過ごします。

その次はお花の部分です。紙をジャバラに折ったり、花びらをたくさん作って重ねたり、柔らかめの紙をフワッと優しく握って形を作ったり、大きさも形も人によって全然違います。
親子でワークショップを受けに来てくれる方が多かったのですが、一緒に一つのお花を作る方もいれば、親も子も個人個人で集中して作っている方もいて、紙好きが集まっているこの場に喜びを感じました。

さあそして、生け花が完成したら撮影台に運びます。青系、ピンク系、緑系、茶系といった背景紙から好きな色を選び、どんな風景を作るか話しながら手を動かします。山の形や木の形を思い出すような紙、雲のように円形に切られた紙、水鏡のように反射する紙。石ころもたくさんあります。紙でできた月や星も上から紐で吊るせます。
黄色の池や、自分で作ったミニ背景紙を吊るしたり、鏡の壁が登場したりと、荒野や砂漠のような、はたまた民話の世界のような、昼か夜かもわからない不思議で可愛い世界がたちまち現れます。
小物を置く位置を決めて、ファインダーを覗くと、思ったよりも入れたい小物が入っていなかったり、目で見ているテーブルの上がフレームの中に収まった違和感にハッとします。夢中になる人もいれば、自分の作ったお花をみんなが見るので少し恥ずかしそうな人も。
ここはもっとこうしたい、とレイアウトを変えていく中で、これはここ、これはこっちと迷いなくスッと置く人もいたり、いろんなものを入れたり外したり試行錯誤しながら、グッとくる感じに近づいていく人もいて、ああ、たったこのテーブルの上だけでも空間の捉え方はそれぞれ違うものだなあ…と感銘を受けます。グループで来ている方たちはお互いに作ったものの面白味に触れ合っているようで、ミラクルな出来事が起こっているなあとひしひしと奇蹟を感じる撮影の時間でした。

プリントアウト・ポストカード完成

最後に、ノートパソコンのモニターから写真を選んでもらい、繋いでいるプリンターからポストカードをプリントアウトします。
この日、その場で写真のデータもお渡ししようとしていましたが、準備不足のため実現できず、後日メールのやり取りでデータをお渡ししました。
冒頭にも書きましたが、お花だけを持って帰ると、紛失や壊れた時のショックが大きいので、写真も持って帰ってもらえる形にして正解だなあと思いました。立体物と平面との違いも新鮮な面白みがあります。

ポストカードを飾ったり、誰かに送ったりしてくれるかな。写真のデータを使ってポストカードを自宅で出力したり、待ち受けとかにしてくれるといいな、と帰った後に楽しんでいる様子を想像する楽しさがありました。

完成した生け花

さて、ワークショップの中で生まれた生け花からいくつかご紹介します。

蝶ネクタイのような赤いストライプのリボン(?)と水色のチュールがポイント。ちょっと茎が傾いているところも可愛いです。
まるで木のような生け花、正面の向きをどちらにするかとっても迷いました。小石たちもいい場所にいます。
茶色の茎に銀色にキラキラ輝くお花の組み合わせ。持参していたカニさんの存在感も愛おしい。
目玉焼きが咲いています。このお花は宝ヶ池のほとりに生えています。
青と緑の爽やかな色合い。お母さんとボクがお花を見ている様子だそうです。
細かなところまで作り込まれていて、圧巻でした。今になってお花の裏側が気になります。
手の形を象ったお花、葉っぱのような雰囲気も感じました



ワークショップを終えて

初めて自分達でワークショップを企画して、とても嬉しかったことは、子供もそして大人も楽しんでいる姿を見れたことでした。
紙が好きで紙が集まっている様子にときめき、自分で色々と組み合わせて可愛い…と味わい、他の人の様子を見ながらアイデアが湧いたり、自分が好きなものへの直感を研ぎ澄ませたり、手を動かして試行錯誤して、と
遊びの時間の中でこれだけの出来事が起こっているんだと率直に驚きました。
うまくできるとか、早くできるとかだけじゃなくて、自分と集中して向き合いながら近くの人も楽しんでることに嬉しくなるという、幸福な時間でした。
ご参加いただいた皆さまありがとうございました。
声をかけてくださった、主催の修美社の皆さまもありがとうございました!

また早速ワークショップやりたいね、と、社内では夢が広がっています。


ワークショップ「紙で生け花」へのお問合せ

Neki inc.では、ワークショップ「紙で生け花」へのお問合せ・ご質問や開催のお誘いをお待ちしております! ご連絡はNeki inc.公式インスタグラムのメッセージ、もしくはウェブサイトに掲載のE-mailからご連絡ください。
Neki inc. Instagram @neki_inc
Neki inc. ウェブサイト https://www.neki.co.jp/about/


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