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スプラッシュマウンテンが『プリンセスと魔法のキス』のアトラクションへ!ってむしろ差別されているのは『南部の唄』じゃね?って話
こんにちは。
アニメ映画ライターのネジムラ89です。
本日Twitterでも話題になっていたディズニー話。
スプラッシュマウンテンがリニューアルする!?
Bye-bye, Splash Mountain. The theme park ride inspired by characters from Disney's problematic SONG OF THE SOUTH will be "completely reimagined," the Walt Disney Company announced today. It will be rethemed with characters from the studio's 2009 feature THE PRINCESS AND THE FROG. pic.twitter.com/f3qpgLr14T
— CartoonBrew.com - Animation News (@cartoonbrew) June 25, 2020
昨晩報道があって私も驚いたのですが、カリフォルニア州とフロリダ州にあるディズニーランドのアトラクション、スプラッシュマウンテンの題材を、現在の『南部の唄』のものから、『プリンセスと魔法のキス』へとリニューアルすることを発表しました。
『南部の唄』はもともとディズニー作品の中でも、配信なども自粛しているようなデリケートな作品であり、それを題材にしたこのスプラッシュマウンテンも、アトラクションはそのままなのかと度々批判が寄せられていた状況でした。
昨今の白人警察による黒人殺害騒動もあってか、ついにアトラクションについても再整備が決定したと言えるでしょう。
リニューアル後はどんなアトラクションになるのか?
リニューアル後のスプラッシュマウンテンのイメージビジュアルも公開されております。
We're thrilled to share Splash Mountain at @Disneyland & @WaltDisneyWorld will be completely reimagined with a new story inspired by an all-time favorite @DisneyAnimation film, “The Princess and the Frog.” Learn about what Imagineers have in development: https://t.co/HyKfdDSH3j pic.twitter.com/DV6476KAVX
— Disney Parks (@DisneyParks) June 25, 2020
こんな感じ。
綺麗だし、楽しそう。
一応急流すべりがメインなんだし、ちょっと怖いアトラクションなはずなのに、そのあたりがソフトに描かれているのも詐欺っぽいですが、作品のファンとしては楽しみです。
今回は『プリンセスと魔法のキス』における“最後のキス”以降の物語が描かれるそうで、ティアナ姫とワニのルイが、マルディグラ(謝肉祭の最終日曜日)の準備をするという内容になるそうです。
プリンセスと魔法のキス
製作年:2009年
製作国:アメリカ ウォルト・ディズニー・アニメーション製作
監督:ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ
『プリンセスと魔法のキス』と言えば、ディズニープリンセス初の黒人プリンセス・ティアナ姫が登場した作品。
リニューアルにより、まさに黒人に配慮した作品選出をした、とも言えますが、実はそんな『プリンセスと魔法のキス』自体も非難を受けていた作品でした。
その理由は、実は変更前の『南部の唄』にも通じる内容だったりします。
『南部の唄』の何が良くなかったのか?
こうも槍玉にあがってしまうと、観たことがない人には『南部の唄』という映画がとんでもない差別作品だったように思えてしまいますが、そういうわけではありません。
南部の唄
製作年:1946年
製作国:アメリカ、ウォルト・ディズニー・プロダクション製作
監督:ハーブ・フォスター、ウィルフレッド・ジャクソン
『南部の唄』は白人の少年と黒人のリーマスおじさんの交流が描かれた映画。このリーマスおじさんが作中で語るお話が、スプラッシュマウンテンで演じられる“うさぎどん”のエピソードとなっています。作品の中では別に黒人を侮蔑したりするようなシーンはありませんでした。
全く黒人を差別するような内容ではないのに、なぜ批判を受けているかといえば、むしろ差別をしていないことが問題とされています。
というのも、当時は白人と黒人は作中のように対等な交流はされていなかった、と批判されており、このままでは誤った歴史認識を招く恐れがあるので、問題の作品とされているのです。
歴史を改竄したような内容であるということで、ディズニー側も本作の配信やソフト化を現在は行なっていないのですが、実はこれと全く同じ批判を、『プリンセスと魔法のキス』も公開当時受けていました。
それを考えると、
『プリンセスと魔法のキス』に変更しても意味ないじゃん!
という気になるのですが、作品に対してあがる声の大きさの違いなのか、『プリンセスと魔法のキス』は現在普通にソフト化も配信もグッズ販売も行なっているので、ディズニーとしても「ええやん」となっているのかもしれません。
かわいそうなのは『南部の唄』ですよね。
お蔵入りになってしまい、なかったことにされていく。
これじゃあ『南部の唄』自身が差別を受けてますよ。
東京ディズニーランドのスプラッシュマウンテンはどうなる?
ちなみに日本人としては、東京ディズニーランドのスプラッシュマウンテンはどうなるのか、ということ。
今回はアメリカのディズニーランドしか名前が上がっておらず、東京のディズニーランドに関しては対象となっていません。
ハフポストによると、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、現時点での改修もなく、ディズニー社と検討中だと発表しており、少なくともしばらくは現在の『南部の唄』バージョンでいくようです。
お金も余計にかかるし、いうほど日本で人気の高いわけでもない『プリンセスと魔法のキス』に変えるか?っていったら怪しいですし、今後日本はずっとこのままでいくってのもあるかもしれませんね。
むしろ、もっと大勢が歴史理解をして『南部の唄』をファンタジーとして扱えるような日が来るように、頑張っていく方が正解かもしれません。
将来、『南部の唄』が再びみんなの前にお披露目される日は来るのか・・・。
アニメ映画好きとしてはその日が来ることを応援していきたいです。
追記...『南部の唄』が抱える課題について(2020/06/30追記)
こちらの記事で詳細に『南部の唄』が抱える問題について、書かれていまして、私の理解が浅かったなぁと思った次第。反省です。
『南部の唄』が抱える問題点に関して要点がわかりやすくまとめられているので、ぜひ一度ご一読くださいませ。
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