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『ONEPIECE FILM Z』に流れるワンピースジェンダー観と男の美学

※この記事は過去にアメーバブログで投稿した記事の再編集版として無料公開としております。
https://ameblo.jp/nejimakikoibumi/entry-12162330379.html

こんにちは。
アニメ映画ライターのネジムラ89です。

本日7月22日はONE PIECEの日なんだそう。

これは週刊少年ジャンプにて1997年7月22日からONE PIECEの連載が始まったことに由来しているそうです。

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今年は記念ビジュアルが用意されていたり、ONE PIECEのLINEスタンプの配信企画がスタートしたり、ゲームにグッズにと様々な新情報が続々と発表される一日となりました。

私もONE PIECE直撃世代でして、小学生の頃からルフィの冒険を楽しんでおりまして、かれこれ20年以上来週のジャンプを楽しみに待っている状態です。今週もめちゃくちゃ盛り上がる展開が用意されていて、大興奮。現在進行形で次号が待ち遠しい状態です。

ONE PIECE映画と尾田先生

原作者の尾田栄一郎先生には、それだけ生きる活力をもらい続けており、私は絶対的信頼のようなものを寄せている状態だったりします。

が。

こと映画に関しては、そこまで絶対的な信頼を持っているわけではなかったりします。

というのも、尾田先生がガッツリ関わっていれば私好みのワンピース映画が見られるかといえば、そうでもないことが私の中で証明されたのが尾田栄一郎先生が制作総指揮として本格的に映画制作に協力した『STRONGWORLD』でした。

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面白かった映画ですけど、原作から抽出されたのは冒険性とか不思議な世界観の方で、思っていたよりも私が求めるワンピース映画ではなかったと感じたのです。

その後、公開された『ONEPIECE FILM Z』は、尾田先生が総合プロデューサーという役回りになりました。今作でもガッツリ制作に関与しているとはいえ、前作にそこまで魅力を感じなかったので、やっぱり漫画と映画は別物なんだな、と結論が私の中で出ていたのです。

で、ですよ。

まさかのこの『ONEPIECE FILM Z』が予想を良い意味で裏切り、思った以上にワンピースっぽい映画だなぁと思わせてくれる大傑作だったのです。

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結局ここにきて私の中でのベストワンピース映画となる一作が登場したのです。

脚本を務めた鈴木おさむさんが同作品の大ファンということもあり、鈴木おさむさんの功績が大きいのかな、と勝手に予想しております。

この映画、どこらへんがワンピースっぽい映画かというと、ジェンダー観がすごくワンピースっぽいのです。

ワンピースって、男だとか女だとかの概念に確立した思想があるようで(偏っているという表現には語弊があると思う)度々ワンピースのジェンダー観に関して、問題として取り上げる人も入れば、賞賛して取り上げる人も居たりする漫画なのです。

批判する人の意見としては男尊女卑じゃないか?とかオカマ描写が形式的とかそういった意見なんですが、それらはまあ、議論の余地があると思うのです。

が、決定的に私も弁明しようがない程にワンピースにおいて言及されるのが『男とは』の部分。

トナカイのチョッパーは「男だ」と叫んで海へ出たし、そんなチョッパーにゾロは、デービーバックファイト編では「男なら・・・」と説教し、フランキーの恩人でもあるトムさんも「男は」かくあるべきかを叫びます。より最近では、敵役ドフラミンゴの手駒にならざるを得ないベラミーに、ルフィが「男だもんな!」と一片の理解を示したりします。

作中でも独特の思考とされるサンジのフェミニストっぷりは別として、原作のワンピースでは「男とはかくあるべきか」が幾度と無く言及しているんですよね。

で、そこに強要性があるかどうかは別として(私はないと思ってる)

自身が男であるがゆえに、漫画中のキャラクターに逐一感化されてしまっています。かっこいいなー、自分もそんな風に生きないとなーとか思わされちゃってるわけなんです。

正直、生き様に“男だからこうあるべき”ってのがない事は分かっているのですが、自分の中に“男だからこうあるべき”って完全にワンピースで形成されている思想があることも自覚してまして、この思想を他の男に強要しないようにしないとな、と用心している次第です。

そんぐらい、ワンピースにおける『男』って概念が粋でカッコ良くて私は大好きなんです。

そして、前述の『ONEPIECE FILM Z』ってまさにこのワンピースにおける「男」ってものに特化して抽出した映画なんですね。

海軍元大将ゼファーが生涯を通じて貫き通した筋ってものにすっごく憧れるし、憎らしくもあるし、悲しくもあるし・・・最終的にガン泣き!

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映画を通した感想がまさに青キジの一言に集約されています。

「カッコイイじゃねぇか。」

そうなんだよ、私の好きなワンピースってこういうとこ!
こういう少年漫画な部分大好き!!

もはや、男はこうあるべきなんて思想は古いのかもしれないけど、そんな思想だから生まれた『粋』だとか『美学』だとかは間違いなくあって、時にはそういった推進力が生むドラマや感動が人を生かす・・・まさにそれを感じた映画だったのですよ。『ONEPIECE FILM Z』は。

いつかこういった考え方は前時代的になる気もするのですが、この『男とは』という衝動で、人を救ったり幸せにできる人間になりたいです。


そんな感動もあったので、できればまた映画の企画があったりするのであれば鈴木おさむさんに脚本をお願いしたいなぁ、なんてことを思っていますヨ。ONE PIECEもまた映画やりましょ。

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