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ONE PIECEのドラム王国編ラストの“あの演出”は最初からの想定でなかったという衝撃

こんにちは。
アニメ映画ライターのネジムラ89です。

先日、映画ひとっとびさんで『ONE PIECE』映画特集を担当させてもらいまして、久しぶりにがっつりONE PIECE映画をおさらいしましたよ。

個人的なお気に入り映画は『ねじまき島』『Z』です。

特に『ねじまき島』は幼いながらも当時、映画館で鑑賞した作品であり懐かしい思い出の映画でもあります。ONE PIECE直撃世代なので、ONE PIECEと一緒に育ってきたので、思い入れも他の作品に比べてもかなり強い方です。

ONE PIECE映画の特殊作エピソードオブチョッパー

で、この記事で紹介するのは『ねじまき島』でも『Z』でもありません。

2008年に公開された劇場版第9弾の『ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+冬に咲く、奇跡の桜』です。

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ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+冬に咲く、奇跡の桜
制作年:2008年 / 制作国:日本 / 東映アニメーション制作
監督:志水淳児

監督を務める志水淳児(しみずじゅんじ)さんはONE PIECEだけでなくプリキュア映画なども務める生粋の東映アニメーション所属の方です。前述の『ねじまき島』も志水さんの監督作です。

この『ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+冬に咲く、奇跡の桜』は、劇場版ONE PIECEの中でも特に特殊な作品です。

ONE PIECEの原作における15巻あたりから始まる、ドラム王国編というエピソードが、もしも45巻のエピソードであるフランキーを仲間に迎えた後にあったら...というifストーリーを描いた映画でした。

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これは映画公開当時のTVアニメが、ちょうどそのあたりだったこと。そして、ドラム王国編が原作でも人気の高いエピソードだったことに起因します。

尾田栄一郎が関わる直前の映画

今でこそONE PIECE映画といえば原作者の尾田栄一郎さんががっつり関与することでおなじみですが、映画ゲストキャラクターのデザインなどで関わることはあれど、そこまで大きく映画に関わることはありませんでした。

興行収入も下がり気味で、どうにか原作ファンを映画館に足を運ばせようと苦心していたように見える時期でもありました。この作品の一個前の作品が『ONE PIECE エピソード オブ アラバスタ 砂漠の王女と海賊たち』で、こちらも原作エピソードを丸々映画サイズに編集した映画でした。

この時代があったからこそ、原作者の尾田栄一郎さんが制作総指揮を務める、次の作品『STRONG WORLD』が生まれたともいえます。

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ドラム王国編のあのラストの演出の秘密

で、そんな『ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+冬に咲く、奇跡の桜』が描いているドラム王国編。完成度の高さからも人気が高いのですが、やはりラストの“ある演出”が見事なエピソードでした。

※こっから本編のネタバレするから未見の人は注意してくださいませ。


その演出とは、チョッパーを見送る時に見せる桜の演出です。

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チョッパーの恩人であるDrヒルルクは、雪国で桜を見せるために、雪に桃色の色素を付着させて、ドラム王国にそびえる特徴的な円柱型の山を木の幹にみたてることで、島に巨大な桜の木が立っているように見せました。

奇抜な島の形が、まさか最後にこういった演出で活きてくるとは、と当時衝撃を受けたのを今でも覚えています。

ONE PIECEといえば綺麗な伏線の見せ方でおなじみの作品なのですが、まさにONE PIECEの見事な伏線を問われたらこれをあげる人も多いのではないでしょうか。

ただ、実はこの演出、当初からしっかり練って生み出した演出ではなく、ドラム王国編を掲載中に思いついた演出だったことはご存知でしょうか?

作者が明らかにしたドラム王国の元ネタ

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