【映画レビュー】ネタバレ前に観た方が良い!性格の悪い秀作『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』の感想
まさかこんなに面白い作品が飛び出してくるとは思わなかった!
そんな掘り出し物の映画のレビュー。
『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』のざっくりとした感想
5月20日(金)よりDisney+で配信をスタートした『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』を観ました。
往年の名作TVアニメシリーズ『チップとデールの大作戦』のその後を描く長編アニメーション作品。世界的スターだった頃から時を経て“変わってしまった”チップとデールの現在を、2Dアニメ・3Dアニメ・実写……etcと複数の手法を組み合わせた映像で見せてくれる作品です。
監督は『ホット・ロッドめざせ!不死身のスタントマン』 『エイリアン・バスターズ』『俺たちポップスター』のアキバ・シェイファー氏です。
ちなみに私はかつての『チップとデールの大作戦』は幼い頃にちょこっと何話か観たことがあるぐらいの、特にファンでもないぐらいの人間です。
本作を観てみた感想をざっくり一言で言うと…..
ド傑作!
ちょっと想像以上に良かった!と言うか良すぎる。
このレベルの作品が出てくるとは思いませんでしたよ。
『ロジャーラビット』的な共演は予想していましたが、まさかディズニーだけにとどまらない、ユニバーサルやパラマウントなどスタジオの垣根を超えた桁外れに豪華な共演まで実現できるとは思わなかった!
しかもそれで繰り広げることのほとんどが悪ふざけ。誰に伝わるんだ、ってアニメーションギャグ含めて性格が悪いです。褒めてます。
ちなみに小ネタやカメオ出演などは私の方でもまとめてみました(↓)。
以下、ネタバレを含むより詳しい感想を書いていきます。
よくぞ実現させたよ、この豪華共演
企画や予告編を観たときは私の大好きな映画の一つ『ロジャー・ラビット』の再来かと思ったのですが、私の予想の遥か上をいくレベルで『ロジャー・ラビット』を再現していました。
『ロジャー・ラビット』の魅力は大きく分けて2つ。
“ビジュアル”と“キャラクターのコラボレーション”だと思っていて、『チップとデールの大作戦』はまさにこの2点をしっかりとおさえた傑作だったのです。
ビジュアルは予告編でも分かる通り、抜群の異様さ。
主人公のチップとデール自体を2D(厳密にはセルルック3Dなのですが)と3Dに分けたことで、始めから終わりまでルックの「普通じゃなさ」が続くのはサービスが良すぎる。3Dになったせいで機械から抜け出せなかったり、逆に2Dなので電撃でショートすると体が透けて骨が見えたりと、出オチに終わらせないところも手堅いです。
全編ずっと画面のどこかが普通じゃないというサービスぶりは、まさに『ロジャー・ラビット』の再来ですよ。
そしてキャラクターのコラボレーションもまたすごい!
『ロジャー・ラビット』もディズニーという枠組みを超えるレベルでの共演を山のように繰り広げる作品でしたが、『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』はその試みを現代に置き換えて、より豪華さを増しているのがまたサービスが良い。
ブルースカイや20世紀FOX、マーベルといった多くのブランドを傘下に取り入れたディズニーが、さらにユニバーサルスタジオやパラマウント、MGMなど普段はライバルとして並ぶ作品群のパロディを繰り広げるという衝撃ですよ。
ただ出すだけでなく捻りを加えて出すのがさすが。
よくぞまぁ、“アグリーソニック”を出すなんて考えたもの。
ただ出すだけじゃなくて、いじりにいじりまくるからホント性格が悪いです。(褒めてます)
Disney+の独占配信作でやるような閉鎖的な作品にしておくにはもったいない異常な豪華共演を見せてくれて、これ以上ないくらいの『ロジャー・ラビット』の現代への落とし込みを成功させています。
実はシンプルにも良い話
ビジュアルやギャグに注力しているからこそなのか、話は結構ベタ。
人身売買的な内容をアニメーションに置き換えたという仕掛けはあれど、チップとデールの話自体は、幼馴染との大成功を経て、今は疎遠になってしまっている前提から事件が始まって、再び絆を取り戻す、という顛末は決して新鮮な内容ではないです。
ただ、今回に限ってはそれも正解なのかも。
話の筋は、聞き流しながらでも観られる単純なぐらいが、画面の隅々のビジュアルの情報を追っていくのにはちょうど良いのかもしれないです。
なんなら、そのベタな話もそれはそれで良い。
すでにこの映画を3周ぐらい観ていて、やっと3周目ぐらいでチップとデールそれぞれの感情に寄り添いながら物語を追えるぐらいに落ち着いたのですが、しっかりバディものとしてドラマも成立しているんですよね。
「最大のリスクは、リスクを取らないこと」
素敵な言葉だ。
攻めに攻めたこの映画だからこそ説得力があります。
間違いやすれ違いもあるけれど、この言葉を思い出して、前に進んでいきましょう。
まとめ
そんな感じで、今年ベスト級の一本でした。
最大の欠点はこれをDisney+独占配信にしていること。
これだけ攻めた映画が、配信だけなのはもったいない。
これは映画館で流しても良かったんじゃないの?って思いつつ、何度も見返したいという点では、助かってはいるんですけどね。
Disney+オリジナル作品でも、こういった傑作が継続的に出てくるようなら、常時契約するんですが、なかなかこういった作品は毎月出てくるわけがないので、私はまた今月いっぱいで解約するつもりです。
U-NEXTも、ネトフリも、と契約しているとホント、Disney+は二の次になってしまいますね。
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