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【映画レビュー】日本未公開だけどしっかり大傑作!『ホーム 宇宙人ブーヴのゆかいな大冒険』の感想

※この記事は2015年にアメーバブログで投稿した記事の再編集版として無料公開しております。
https://ameblo.jp/nejimakikoibumi/entry-12024657916.html

「スティッチ」みたいな感じかな?とか売れなさそうだなぁとか
公開前にはこのブログで散々言ってまいりましたが
全然「スティッチ」でもなく、北米ではしっかり大ヒットもしてます。

『ホーム 宇宙人ブーヴのゆかいな大冒険』のざっくりとした感想

中国で『疯狂外星人』こと『ホーム 宇宙人ブーヴのゆかいな大冒険』を観てきました。

ホーム 宇宙人ブーヴのゆかいな大冒険
(原題:HOME)
制作年:2015年 / 制作国:アメリカ
94分 ドリームワークスアニメーション制作
監督:ティム・ジョンソン

https://eiga.com/movie/82076/

『シュレック』『カンフー・パンダ』『ヒックとドラゴン』でお馴染みのドリームワークスの最新作。ドリワ作品は日本では公開しないのが当たり前になってきましたが、ここ中国ではしっかり上映してくれるのでありがたい話です。

見てきた感想をざっくり言えば

大満足の快作

でございました。
もうちょっと詳しい感想を書いていきますね。

『ホーム 宇宙人ブーヴのゆかいな大冒険』のもっと踏み込んだ感想


■思わず感涙!ドリワ作品を映画館で拝める喜び

PIXAR作品の魅力が脚本にあるのであれば、ドリームワークス作品の魅力って演出だと思うのです。物語の見せ方やキャラクターの心の機微の見せ方は
世界随一の力を持った制作チームではないでしょうか。

今作もご多分に漏れず
演出がうまい!!!

宇宙人うちで仲間はずれにされがちだった主人公オーくんが地球人のチップちゃんと出会い、最初は揉めがちな仲だった二人が次第に仲良くなるめっっっっちゃベタな物語なんですが、車の後部座席で眠るチップを見ながら
ハンドルを手に取るオーが幸せを噛みしめるシーンでめっっっっちゃ号泣

私が「孤独なキャラクターがやっと仲間に出会える」話に弱いのもあるんですが、それにしては物語自体は割と既視感のある流れ。

それなのに、ありえないぐらい感動できたのは
どういう流れで親しくなっていき、二人の心の変化がどういう流れで変わってきたのかがすごく自然に描かれているおかげだと思います。

中盤でこんなに涙させられるとは思いませんでした。

ドリワ作品を映画館で鑑賞している時は
中国にいることに感謝しますよ、ホント。
(日本じゃ公開しないもんな)


■キャラデザインに反してやけにエモい!必聴の音楽チョイス!

『宇宙人ブーヴ〜』の演出ですごいなぁ、と思ったことをもう一個具体的にあげさせていただくと音楽のチョイスが凄まじく良い!

キャラクターデザインは明らかに子供向けな印象を受けるのですが
使っている曲が子供向けアニメには思えない楽曲ばかりなのです。

Youtubeで聞くことができるのでまずは
さくっと聞いてみてください。

「Towards The Sun」。

壮大で、せつなくなるこの楽曲。
歌ってるのはリアーナさん。実はこの映画の主役の女の子の声も務めてます。
美しい一曲ですよね。

そしてもう一曲。

ジェニファー・ロペスの「Feel The Light」
こちらも神秘的で美しい一曲。
この一曲もこの映画で楽しむことができます。

さらにもう一曲。
上の二曲とは打って変わってゴリゴリな一曲。

こちらはJacob Plantの「Drop That」

こちらも映画の中で使われている一曲なのです。
上の2曲と同じ映画で使われているのだからすっごいバランスですよね。
それでも無理に入れた感じはなく、映画の良いスパイスとなってます。

クラシカルなイメージのディズニーに反して(実は作品によるんだけど)
ドリームワークスはもっとカジュアルで大衆曲な音楽の使い方のイメージがありますが、決してそれが悪い意味じゃなくなるのがドリワの良い所!
絶妙な音楽の使い方ができる会社です!

ただ宇宙人のダンスと音楽があんまり合ってなくて
気持ちよさがなかったことには苦言を呈させていただきます。


■宇宙人話は他人ごとに非ず。ブーヴに学ぶ異文化交流。

演出ばかり褒めてきましたが、今回(も)脚本も良く出来ています。

物語の各所で地球と宇宙人の価値観の違いがギャグになっておりまして、人間と宇宙人がコンビニの棚を挟んで、全然違うアイテムで同じリアクションをする見せ方やチョコの銀紙を剥がして、銀紙の方を宇宙人が頬張ったりと随所で文化のギャップで笑わせてくれます。

しかし、このギャグもただのギャグで終わらず、ちゃんと映画のテーマにそっているのが見事。物語のクライマックス、“価値観の違い”が非常に大きな
テーマになっていることに気付かされます。

で、その価値観の違いが人間と宇宙人の間だけでなく、宇宙人と宇宙人の間で発生するのだからおもしろいところ。

この物語の終盤の話を見ながら、こういった文化の違いって、人間と人間の間でも生まれるものだよな、としみじみ思いました。

現在私は中国で生活していることもあり、実感することも多いのですが
国、宗教、政治観、性別・・・いろんなことでそれぞれが大切にしているものに差異があったりするもの。そんな世の中で、“どう他者と関わっていくのが大事なことか”というのを教えてくれる素敵な物語でした。

私達の住む地球はある意味、人間たちの家(HOME)であり
私達人間はひとつの大きな家族とも言えます。
共感できなくても理解しあうことで解決する縁もあるものです。

今回アクション面が、
最近のドリワ作品に比べて爽快感不足とは思ったのですが
それでも十分満足な余韻に浸りながら家路につきました。

侮っていてホント、悪かったなぁと思う良い作品だったので
是非機会があります際にはみなさんにもご覧になっていただきたいです。

ただ……
私のブログドリワ作品の感想では恒例となっている一言がありまして
今回も言わせてください

日本でも劇場上映して下さい。

人入らないかも・・・って不安は分かるんですが
いい映画なんだもん。やっぱり上映して欲しいです。
あと、「ピーボ博士」のDVDはまだ?

※ 2018年に日本でも出ました。

https://amzn.to/432v7Pe

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ドリームワークス作品の感想たち。


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