ちゃんと怖いタイプのホラーアニメーション映画10選!
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』をはじめとしたティム・バートン作品や日本では『ゲゲゲの鬼太郎』をはじめとした妖怪ものなど、怪物や幽霊などをモチーフにした作品って映画にかかわらずアニメーションでは本当にたくさんあるのですが、こういった作品を個人的には“ポップホラー”と呼んでます。なんというか愛嬌があって、優しいんですよね。
しかし中には、ポップホラーには分類し難い、「普通にホラーじゃねぇか!」ってアニメーション映画が時折、登場します。今回はそんな、本格的にホラーに臨んでいるアニメーション映画を紹介していきます。
普通に怖いやつが観たい人にオススメな作品たちです。
1.ソウル・ステーション パンデミック(2016)
『新感染ファイナル・エクスプレス』のヨン・サンホ監督が、その前日譚をアニメーション映画化。凶悪なゾンビ現象がいかにして引き起こされたのかを、実写映画の方に負けず劣らず、新体験のアイディアのつるべ打ちで描いたゾンビ映画。描くメッセージを思うと、後味の悪さも良い厭さに感じられる秀逸作です。
2.アラーニェの虫籠(2018)
坂本サクさんが、監督・脚本・アニメーション・音楽と、その多くを一人でこなしたことでも話題になったホラー。いわくつきの巨大集合住宅に住むことになったある大学生が体験する恐るべき体験が描かれます。
虫嫌いなので、そういうホラー描写多めだったら嫌だなぁと思っていたのですが、そんなに多くなくて一安心(0ではない)。むしろ虫グロだけでなくそこまでやってくれちゃうの!?、という多様なホラー演出と、多層的な世界観が見応えあってサービス満点です。締め方最高でした。
3.絶望の怪物(2019)
監督のコタニジュンヤさんの個人製作による30分ほどの中編アニメーション作品。中学生の星野アオイちゃんがある日、自分の身体の異変に気付いたことをきっかけに、衝撃の事実を知っていくという、SFホラー。ちょっと切ない終わり方や、周囲の人々と違う境遇を持つ......という実は身近にあり得る内容は考えさせられる内容でもあります。
4.整形水(2020)
韓国のWEBコミック「奇々怪々」の中の一作を長編アニメ映画化。外見にコンプレックスを抱いていたある女性が、“整形水”という不思議アイテムを出会ったことをきっかけに人生に変化が生まれていくサイコホラーです。
2021年9月23日にまさかの日本上映決定!題材的に予想できる展開の一歩、二歩......なんなら5歩ぐらい先を行く一本なので、ぜひ観てみてほしいです。
5.パーフェクト・ブルー(1998)
言わずと知れた今敏監督のデビュー作にしてもはやクラシックと言っても良いぐらいの名作。アイドルから女優へと転身した未麻を襲う不思議な体験を描いたサスペンスホラー。アニメーションでありながらレイプシーンなどにも踏み込んでいるせいかR15+指定を受けているので子供の鑑賞は注意が必要です。『ブラック・スワン』に影響を与えたとも言われているので、比較して観てみると面白いかも。
6.あるゾンビ少女の災難(2018)
同名ライトノベルをWEBアニメ化した配信限定長編作品。序盤こそおとなしい始まりなんだけど、唐突にたがが外れて、女性もワンちゃんも容赦なくグシャりはじめていくスプラッターホラー。悪趣味な演出が多くて、これはさすがに勧めづらい要注意作品。ワンちゃんは特にかわいそうネ。辛い。
7.The Wolf House(2018)
ドイツの宗教的狂信者の一派から逃れるために避難してきた女性が2匹の豚の住む家に迎え入れられて体験する不思議体験を描いた映画。
家を丸ごとキャンバスにして、室内の壁面を何度も塗り替るわ、所々立体化もするわ、これで長編作ろうとするなんて、どうかしてる!次元を破壊にかかる未だかつてないアニメーション体験となっているのですが悲しいことに、2019年の新千歳空港国際アニメーション映画祭で上映を果たすのみで正式上映は今の所ありません。
8.MEMORIES(1995)
『AKIRA』の大友克洋さんの製作総指揮で贈る『彼女の想いで...』『最臭兵器』『大砲の街』の3編の中編のオムニバス作品。今回ホラー枠でピックアップしておきたいのが、2092年の宇宙空間を舞台にしたSFホラー『彼女の想いで...』。宇宙に浮遊する難破船などを回収する業者の一団がSOS信号をキャッチして、救助へ向かった先で不思議な体験をするお話。
大友さんが関与したオムニバスシリーズの『SHORT PEACE』や『迷宮物語』なども不気味なエピソードが揃っていてオススメです。
9.地下幻燈劇画 少女椿(1992)
丸尾末広さんのカルト漫画をアニメーション映画化。
親を失い、見世物小屋で生活することになったみどりちゃんが、次々とかわいそうな目にあう悪夢のような物語。ホラーアニメ映画というよりも“怪奇”アニメ映画という表現がふさわしいであろう狂気ぶりが魅力で、こちらも原作に負けじとカルト化した傑作。エログロ要素ありで、その過激ぶりから日本ではすっかり封印状態なので、観たい人は“探しましょう”。ちなみに本作も犬は無事じゃありません。
10.青鬼 THE ANIMATION(2017)
フリーホラーゲームで幅広い展開を見せた「青鬼」が、アニメーション映画としても登場。「青鬼」というフリーゲームが流行っているというメタ的な世界を舞台に、民俗学研究部のメンバーが恐ろしい体験をするホラー映画。
グラフィックこそチープな感じはありますが、かなり正統派なホラーをしている上に、オチもしっかり用意されております。逆にこのグラフィックのおかげで、怖いものが苦手という人も“まだみれる”かも。PG12作品。
<番外編>映画クレヨンしんちゃん踊れ!アミーゴ(2006)
言わずと知れたクレヨンしんちゃんの映画シリーズの一本。それまでも“怖い”描写が所々でてくるシリーズはあったのですが、本作の前半は何をどう思ったか本格的にホラー映画になっておりポップホラーの一線を超えてしまっているので入れておきました。ちなみに後半はちゃんとおバカムービーです。
以上、10作品+1作品。
ホラー専門VODの『OSOREZONE』さんとか、アニメのカテゴリがありながらも、一本も作品がない(2021年9月時点)ので、ここで紹介している作品は普通にラインナップに入れるの有りだと思います。
関連記事〜こんな記事も書いていました〜
ポップホラーに片足突っ込んでいるけど、サミュエル・オルティ・マルティ監督もオススメです。
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