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【映画レビュー】ここに来て度肝を抜く映画館映え回が登場!『ガールズ&パンツァー最終章第4話』の感想

公開まもなく「すごい」「すごい」という噂を聞いていて、慌てて行ってきましたよ。

『ガールズ&パンツァー最終章第4話』のざっくりとした感想

『ガールズ&パンツァー最終章第4話』を観てきました。

ガールズ&パンツァー 最終章 第4話
制作年:2023年 / 制作国:日本
54分 / アクタス
監督:水島努

https://eiga.com/movie/98386/

「ついに」と言うか「やっと」と言うのか……アニメ『ガールズ&パンツァー』シリーズのOVA「最終章」シリーズの第4話が登場。女子高生・西住みほをはじめとした大洗女子学園戦車道チームの面々が継続学園と戦う様子が描かれる他、黒森峰女学園と聖グロリアーナ女学院の対戦など冬季無限軌道杯準決勝が描かれます。

監督は引き続き水島努氏、脚本は吉田玲子さんが務めます。

本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……

噂に違わぬ傑作!

話の途中ぶりが気になってたシリーズですが、今回はまぁ見事なほど見せ場が一味違う。「楽しすぎるぅうううう!」と幸せを感じるぐらい事態がエスカレート。本シリーズを劇場でかける意義や制作に時間がかかることの納得が今作で得られました。

ネタバレを含む本編の内容にもっと踏み込んだ映画の感想を書いていきます。


『ガールズ&パンツァー最終章第4話』のもっと踏み込んだ感想


■抜群のアトラクション性!雪上を生かしたまさかのアクション

今回の『ガールズ&パンツァー 最終章 第4話』、何を置いても評価せずにはいられないそのアトラクション性だと思うのです。

これまでも地形を生かした戦術が見所となっていましたが、今回も雪上という舞台を生かして、戦車をドリフトさせ続けてバリケートを作り出したり、地面に砲撃を放って穴を開けたり、きわめつけには雪崩を起こして坂を滑走しながら撃ちあったりと、今回だからできるアイディアが盛りだくさん

中でも雪崩シーンは“シリーズ最速”という謳い文句にも納得の大迫力のシーンになっており、戦車視点で体験するこの場面は明らかに劇場版映えする今回のエピソード一番の山場となっています。

今回の映画はもうこの雪崩シーンだけでも、必見

雪崩体験をここまでの臨場感とエンターテイメントとして楽しめる作品があっただろうかというほどに、このシーンは思わず笑ってしまうほど気持ちを高揚させられました。

『ガールズ&パンツァー』シリーズは劇場版以来4D上映が実施されることでもおなじみなのですが、この第4話に関しては初めて「始まったら絶対行こう」と決意するぐらい早く4Dで体験してみたい、それぐらい別格のものになっていました。

雪崩シーンの臨場感がハンパない!しっかり映画館向け体験


■物語の作り方も異質!群像劇としての魅力

また今回のストーリーの見せ方も“これまでと違って”見応えあり。

主人公機であるあんこうチームが落ちて絶体絶命を迎えたかと思いきや、大洗女子学園にはこんなにも頼もしい仲間たちが居るじゃないか、と主人公以外にスポットをあてるという異色回。

(C)GIRLS und PANZER Finale Projekt

これだけ愉快な仲間たちが居るんだぞという再確認回でもあり、
チームプレーである戦車道という競技の魅力が存分に出ている回でもあり、例によって戦車ごしに減らず口が飛び交うあの賑やかな感じがより楽しめる回にもなっているというこれまでの第1話〜第3話よりも『劇場版ガールズ&パンツァー』に特に近い回となっていて、初心者がここから観始めるのもアリなんじゃないかとも思う回になっていました。

ちなみにそんな思いもあって、アニギャラ REWさんでレコメンド記事を書いています。

これ、スタートも全然ありだと思ってます。

いつものように中途半端なところで試合が終わらない点も、散々文句を言ってきたおかげかやっと改善。すっきりした気持ちでスクリーンを退場できたのも良かったですね。

話の内容の工夫やすっきりとした気分でスクリーンを出れるのも素敵。


■“戦車道”というファンタジー

そして、この映画が上映されるタイミングでイスラエルとパレスチナが戦争状態に突入するというのがまたこの映画の見方にもう一つの視点を加えてくれてるように思います。

(C)GIRLS und PANZER Finale Projekt

正直、戦車で砲弾を撃ち合う様子をエンターテイメントとして消化するには、酷なタイミングでもあるので、この映画を好意的に見れないという人が居ても、全然おかしくないし、それもまともな感覚だとも思います。

ただ一方でこの映画が不謹慎かといえば、それも見方次第だと思っていて、すでに戦車というアイテムが戦争から切り離されて競技として成立する世界って、一つの平和の形だとも捉えられると思っていて、この映画が決して戦争を美化しているように思うのも捉え方次第とも思うのですよね。

かつて宮崎駿監督が戦争を非難しつつ、戦闘機のかっこよさを描いているような矛盾に近いものを孕んだ作品性に近いシリーズだとも思います。

(C)GIRLS und PANZER Finale Projekt

個人的には、戦車の見せ方の危うさよりも、各国に合わせたキャラクターたちの極端なステレオタイプぶりの方が気になります。
結構危ういギャグだよね。

“戦車道”を見つめなおすのにもある意味良いタイミング。


まとめ

●映画館映えするアトラクションぶりが最高!
●ストーリーの工夫や構成もこれまでから改善されている。
●時勢的にも有意義な作品だと思います。

ただ、OVAを映画館で流すだけじゃなく、
映画館で流すためのOVAに仕上がっていたのは高評価せずにはいられない絶品でした。さすがガルパン、ここにきて本気を見せてくれた気がします。

ベストバウトでした!
4D上映楽しみにしています!


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▼今回の第4話の予習記事。

▼前作の感想。購読者向けにやや文句を言ってます。


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