見せられない描写だらけ!知る人ぞ知る禁断のアニメ映画『少女椿』をあなたはご存知?
日差しの強かった夏もすっかり去ってしまい、ここ数日は過ごしやすい日々が続きます。
それどころかここ数日は雨が降ったりと、むしろじめ〜っとした空気を感じるほど。これぐらいなら、まだ私は過ごしやすくも感じるのですが、人によっては早くも、かつての夏が恋しいのではないでしょうか。
古今東西のいろんなアニメ映画を紹介してきた私のnoteですが、今日紹介するアニメ映画は、そんなじめ~っとした嫌な雰囲気を持った作品です。(※ 私は好き)
その名も『少女椿』です。
アニメーション映画『地下幻橙劇画 少女椿』とは
個性的でアンダーグラウンドな内容の漫画を輩出してきた雑誌『ガロ』系に属する作家である丸尾末広先生の名作漫画『少女椿』を原作に、1992年に制作された映画が『地下幻橙劇画 少女椿』です。
それまでも数々の自主制作アニメーションを手がけてきた原田浩さんが、同様に自主制作作品として絵津久秋名義で生み出した映画であり、制作行程の多くを原田さんが手がけたという力作です。
大々的な劇場上映という形でもなく、イベント上映的な形で紙吹雪やスモークといった演出を伴うゲリラ興行を実施していた作品であり、ソフト化もVHSが僅か流通したのみで、日本ではDVD化を果たしていません。
それもそのはず。この映画、倫理的にこれはどうなんだ、という描写がこのアニメには数々登場します。
『少女椿』の衝撃的な内容とは?
簡単にそのあらすじを追っていくと......
という鬱映画です。
あらすじだけ追ってもショッキングな内容なのですが、この映画ではその悲惨な出来事の多くをしっかり絵として描写しているところが衝撃的。スクリーンショットを添えるのもはばかられるほど、見る人によっては悪趣味すぎて見ていられない内容が続きます。
犬好きとしては、やはり中盤のワンちゃんの一件は衝撃的。
見世物小屋仲間が犬を踏み潰して殺す描写の描き方がリアルすぎてドン引きです。ひと出来事、ひと出来事の表現が普通のアニメよりも過剰でいちいちサイコで怖いです。
ただ、
そういう見たことないものが見れるものとしての価値は非常にあるとも思うのも確か。
この映画が登場したのは1992年。それから四半世紀以上経った今もこの作品ほどタブーに挑んでいるアニメーション映画ってなかなか出てきてないと思います。というか今の時代だからこそ出せないものかもしれません。
唯一無二の存在として後世に残していくべき価値のあるアニメーション映画として、私は数えていってほしい作品です。
『少女椿』の舞台となる“見世物小屋”にしても今、日本ではその存在を失おうとしているような状態。今世紀で途絶えかねない文化を記した物語としても貴重な文化財ですよね。
ふと思い出したが、私が数年前に生活していた中国の話。
中国ではまだまだ乞食(こじき)をしている人が路上に多く存在していました。
日本ではホームレスこそ存在すれど乞食行為は禁止なのであまり見ることができないのですが、海を跨げば全然現代にも存在する行為なのですが、その姿も“現代的”な時があり、ある時に街で見かけた乞食は片足がなく、松葉杖状態でバックスバニーのきぐるみを着ていました。
※ イメージ画像
そういう戦法もあるんだな、と感心しましたよ。
乞食の世界の工夫を垣間見ました。
こういった乞食の例にしても、日本では見えづらくなった(なくしていったが正解か)人の営みなわけですが、そういったものをなかったことにせず、後世に伝えられることは、有意味に感じます。
今ではテレビなどを通しては見ることのできない世界も、『少女椿』のような古き“良き”作品を通して、知ることができるわけで、どうにかもっと気軽に観られるような環境が設けられればいいなぁと思います。
ちなみに最近では2020年にシネマスコーレさんで、紙吹雪などを伴った仕掛け上映が実施されていたりします。
ソフト化こそされていませんが、たまに劇場上映される機会があるので、アンテナを張り巡らせておけば、観たことがない人もいずれは劇場で巡り会うことができるのではないでしょうか。
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