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【映画レビュー】『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 -再会-』の特にワタルファンではない側の感想!

実は公開二日目には足を運んできました。

『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 -再会-』のざっくりとした感想

大阪・なんばパークスシネマさんで『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 -再会-』を観てきました。人はボチボチ入ってました。

魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 -再会-
制作年:2022年 / 制作国:日本
サンライズ制作 / 119分
監督:神志那弘志

https://eiga.com/movie/96032/

2020年4月より配信されていたWebアニメ『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸』の全9話を再構成し、新規カットを追加した特別編集版。監督を『リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』の神志那弘志氏が務めます。

自身は90年代末に放送されていた『超魔神英雄伝ワタル』というシリーズ第3弾を当時観ていた程度で、『ワタル』シリーズには特に思い入れが強くないのですが、こうして劇場公開されるのであれば……と足を運んできましたよ。

観てきた感想をざっくり一言でいえば……

良くも悪くも総集編映画以上を超えない映画

といった感じで、それほど貶すような映画ではないのですが、逆に褒めた感じの映画でもなかったのですよ。その辺りも含めて、詳しい感想を書いていきます。

『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 』という企画がそもそも特殊!

この映画は特別編集版として『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸』というWEBアニメ9話分があるわけなのですが、まずこの企画がなかなか特殊!
なんと全話がアニメ化してないんですと!
一部のエピソードはビジュアルストーリーという形で発表されていたようです。

https://tamashii.jp/special/wataru/

じゃあ、今回の映画版ではその抜けていたエピソードをアニメ化するのかな?と思いきや……雑にダイジェスト化するのみで、総集編映画という体裁でやり過ごすという、まさに特別編集版の名にふさわしい、意外とテクニカルな映画になっていました。(今回の映画では、上図のYouTubeで配信されていない「すごく昨日の世界」と「とても明日の世界」の未アニメ化状態だったパートは、龍神丸視点で雑にこなされます。)

特殊な制作状態の作品をやや反則気味に一本の物語に整えているという意味では、見事な作品だったという見方はできるかもしれません

総集編映画の致命的な部分

ただ、『超魔神英雄伝ワタル』って実は総集編映画には致命的に向いていないのですよ、そもそも。

1話1話…..順に巡って冒険して、龍神丸が都度パワーアップして…..というかなり、TVアニメ向きの構造の作品なわけでして。今回のシリーズは元が9話分とはいえ、ベースが長い一本の話ではないので、映画という枠組みに入れるとどうしても、中編の4〜5本立てに観えてしまってきまりが悪いです

しかも前述のビジュアルストーリーなんて省略されているもんだから、なおのこと歪な一本の物語に観えてしまって、なんだか中途半端なものを観ているような気分にさせられてしまったのが残念でした。

総集編映画は、この中途半端なものを観ているような気分を、いかになくしてくれるかが勝負な気がします。

ちなみにそんな総集編映画の理想形とも思っているのが、『劇場版響け!ユーフォニアム〜届けたいいメロディ』なので、総集編映画の話の度に推していきたい。

元のアニメシリーズを観てもびっくり!?

あまり良くない出会い方をしてしまった作品なのかなー…と思い、映画の鑑賞後、WEBで公開されていたアニメシリーズを覗いてみました。

ここでまたビックリ!

本作、WEBだとオープニング映像がしっかり付いているでやんの!

映画だと、ぬるっとタイトルが出て始まるから、これどうにかならなかったのかなぁ、と思ったのですが、オープニング映像あるならそれを流せばいいじゃん!なんでつけなかったの!?

じゃあWEBアニメ版が良いかといえば、実はそうでもないのです。

なんといっても話の始まり方がものすごく唐突!
映画版ですら結構強引な導入だと思ったのですが、WEBアニメ版の第1話「立ち上がれ!救世主」は恐ろしいほどに、意味不明な始まり方をします

ここはWEB版が良いとか、こっちは映画版が良いとか、なんか色々複雑すぎて、そもそもこの企画はどう生まれてしまったのかが気にならざるを得ない、悲しい事故物件のように観えてしまいましたよ。

ちなみに3週間の限定上映のこの映画。
実は上映第1週目(1月7日~1月13日)には本編上映前に戦部ワタル役の田中真弓さんと虎王役の伊倉一恵さんが登場する新春スペシャル映像も流れたのですが、その映像でも田中さんが「こういうことだったのか!」と映画での冒頭の追加シーンに言及されていましたが、そりゃあの1話の始まり方は異様すぎるよ。

このスペシャル映像も、実は10分近くあって割と長め。せっかくなら3週間ずっと流しておけばいいのに……。いやーな感じのマーケティングですかね。

そもそも特別興行料金で1900円で、なおかつ前売り券もなし。
この仕上がりで強制1900円を支払わせるスタンスも解せないですわ。

考えれば考えるほど、そして知れば知るほど、残念な総集編映画でした。

幼女ヒロイン。

散々ふざけておいて、ここぞで美人ぶりを見せるヒミコちゃんの可愛さが唯一の癒しです。ありがとうヒミコちゃん。

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