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海外TVアニメシリーズの、ぜんぜん途中の1話がそのまま映画になった『ビーストウォーズメタルス』という作品があるんだよ

※この記事は過去にアメーバブログで投稿した記事の再編集版として無料公開としております。
https://ameblo.jp/nejimakikoibumi/entry-12132249688.html

ビーストウォーズが無料配信されているんですよ

タカラトミーのYoutube公式チャンネルではTVアニメ「ビーストウォーズ超生命体トランスフォーマー」が配信されているのですよ。当時見ていた人は懐かしいんじゃないでしょうか。

この作品は1997年に北米で制作・放送され、日本では1999年に、独自の吹き替えで放送されたもの。
「声優無法地帯」「最強の悪のりアニメ」なんて書かれ方もしているだけあって、原作に比べて大幅にアレンジが加わった吹き替えが行われている作品なんですが、厳密には大幅にアレンジが加わったのは「ビーストウォーズ」の続編にあたる「ビーストウォーズメタルス」シリーズだと思っています。

ビーストウォーズシリーズをもう少し詳しく紹介しますね。

ビーストウォーズシリーズとは?

北米生まれで日本語吹き替えが施されたTVシリーズは以下の3つ。

「ビーストウォーズ超生命体トランスフォーマー」
「超生命体トランスフォーマービーストウォーズメタルス」
「超生命体トランスフォーマービーストウォーズリターンズ」

最初のシリーズにあたる「ビーストウォーズ(無印)」は、終盤こそ自由度が上がってくるものの、全26話のほとんどが結構“真面目”に吹き替えられています。

そして“真面目”とは言いにくくなるのが「メタルス」シリーズ。
物語進行こそはしっかり行うものの、明らかに日本人しか分からないようなパロディやギャグを登場キャラクター達が喋り出します。
それが「声優無放地帯」「最強の悪のりアニメ」の所以なのですが、これがしっかり面白いのだからたまらない。本作が今もなおファンの多い作品にたらしめたのは、まさにこの吹き替えあってのことだと思っています。

そして最終作にあたる「リターンズ」は北米では99年に放送されたものの、日本ではやや時間を空けた2004年に、地上波放送とは異なりモバイル放送という限られた枠での放送が実施されました。こちらはこちらで地上波じゃないことを良いことに、下ネタ強めでかなり遊びの入った吹き替えが行われ、「メタルス」よりも明らかに対象年齢が上がった作品となっていました。


やはりトータルで見ると「ビーストウォーズメタルス」の大人も子供も楽しめるあのバランスが一番良かったと私は思っております。
そんなわけで是非タカラトミーさんには「メタルス」も配信してくれたらいいなぁと思ってます。

メタルス シリーズには劇場公開作品が2つある!

で、こっからが映画の話。

そんな思い入れのある「ビーストウォーズ」の「メタルス」なんですが、
日本でのみ(!)劇場版が2作品作られています。

それが
「ビーストウォーズメタルス」
「ビーストウォーズメタルスコンボイ大変身」

という2作品!

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『東映アニメフェア』(東映まんがまつりの系譜を継承しているシリーズ)の中の併映作品の一つでした。

この映画のすごいところは、実はTVアニメシリーズの中の1話分がまるまる映画に流用されているところ!

しかも、それぞれ8話と17話にあたるお話の思いっきり途中のエピソードが採用されているのですよ。

当時は「ビーストウォーズメタルス」シリーズを後々TVアニメでひと通り放送することまで計画されていなかったのか、無理やりあらすじなどを導入した、一見、歪な映画となってしまいました。

そして、時が経ち、いざ「メタルス」シリーズでTVアニメが放送された際には、まさにこの8話と17話がスポッと抜けた状態で放送されているのだから、それもすごいのです。

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引用:https://amzn.to/2SkTxBV

作品に登場する“ランページ”というキャラクターは、8話が初登場回だったため、TVアニメシリーズでは話の途中で突然現れるキャラクターとなりました。
当時、劇場版を見ておらず、そんな事情も知らないままTVシリーズを楽しんでいたので、TVシリーズにランページが現れた時には「あれ?いつの間にか1話分見逃したかな?」と己を疑ったことをよく覚えています。

リミックス回はこうして生まれた!

事前に2話分を映画に流用してしまったので、TVアニメシリーズは2話分の放送するストックを失ってしまい、放送話数が足りないという事態に陥ったのですが、それに伴い生まれたのがリミックス回という発明。

総集編的にこれまでのエピソードを切り貼りして、まったく新しいエピソードを作るという荒業を『メタルス』は 使うことにしたのです。

で、出来たこのリミックスエピソードがまさかの神回
最終回にあたる『バナナを忘れた!』はすべてのエピソードの中でも特にお気に入りの大傑作となっていました。

今までは辺境の星を舞台に生死をかけた戦いを繰り広げていたはずの登場キャラクターが、しりとりで対決したり、モノマネで対決したりと、とんでもない仕上がりになっているのです。
しかもこれがすごく面白い!!

すべてTVシリーズを劇場版に持って来てしまったが故に起こった事態でしたが、結果的にこうして良い物を生み出すきっかけになったのだから、見事。
当時のスタッフの皆様には立ち上がって拍手を送りたいです。

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引用:https://amzn.to/2KJloaJ

現在、この劇場版の「ビーストウォーズメタルスコンボイ大変身」の方がディスク化されてないようですが、是非こちらの劇場版もより気軽に鑑賞できるようにして欲しいですね。

来年はビーストウォーズ25周年のアニバーサリーイヤー。
これを機に、ビーストシリーズを劇場版を含めて、ひと通り鑑賞できる環境を設けてくれると嬉しいです。

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